竹内譲の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○副大臣(竹内譲君) 厚生労働副大臣の竹内譲でございます。
 私からは、我が国の社会保障と財政再建について御説明をさせていただきます。
 まず、資料の二ページ、三ページは、人口構造の変化についての資料でございます。
 二ページですが、日本の人口の推移を示した資料です。
 我が国の人口は明治以降ほぼ一貫して増加を続け、二〇〇八年には一億二千八百八万人とピークに達しましたが、その後は減少局面に入っており、総務省の人口推計によれば二〇一四年には一億二千七百八万人となっております。今後、出生数の減少と死亡数の増加により総人口は長期的な減少過程に入ると予測されており、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、二〇六〇年には八千六百七十四万人になると推計されております。
 中でも、社会保障の主な支え手である生産年齢人口、十五歳から六十四歳が減少傾向にあり、全人口に占める割合は一九九〇年代から低下して二〇一四年では六一・三%となっておりますが、これが二〇六〇年には五〇・九%まで低下すると推計されています。
 また、合計特殊出生率を見ますと、一九五〇年には三・六五でしたが、それ以降減少が続き、二〇一四年には一・四二まで落ち込み、二〇六〇年には一・三五になると推計されております。
 国民皆保険、皆年金を中核とする我が国の社会保障制度の骨格は一九六〇年代の高度経済成長期に確立されました。当時は毎年高い成長率が続くとともに、人口、生産年齢人口とも右肩上がりで推移した時代で、こうした社会環境が社会保障制度を支える基盤となっていました。今日、急速な少子高齢化の進展を始め、当時の社会環境は大きく変化し、制度の確立時に立脚していた基盤が失われている中で、どのようにして社会保障を持続可能なものとしていくかが問われています。
 次に三ページでございますが、日本の人口ピラミッドの変化を示した資料になります。
 これを見ると、今後の高齢化の中で七十五歳以上の後期高齢者の増加が著しいことが分かります。団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年には七十五歳以上が全人口の一八%となります。後期高齢者は一人当たり医療費が高く、また要介護認定率も高まる年齢層であるので、社会保障財政にとってインパクトの大きいものであります。
 また、二〇一四年と二〇六〇年で比べてみますと、二〇一四年は六十五歳未満が総人口の七四・一%を占めており、六十五歳以上は二六・〇%です。これに対し、二〇六〇年推計結果は、前者の割合は六〇%にまで低下する一方で、後者の割合は三九・九%にまで上昇する見通しとなっております。
 このように、社会保障の需要が高まる年齢層のウエートが高まっていく中で、社会保障費を主として支える年齢層のウエートは減少してまいりますので、これまでの制度を単純に続けていくのでは給付と負担のバランスを欠く事態に陥るおそれがあります。
 続きまして、五ページ、六ページでございますが、社会保障の給付と負担についての資料であります。
 五ページですが、二〇一五年度予算ベースでの社会保障の給付と負担の現状を示した資料になります。急速に進行する高齢化の状況を反映して、日本の社会保障給付費は二〇一五年度予算ベースで百十六・八兆円となり、対GDP比では二三・一%を占めております。
 社会保障給付費の具体的な内訳ですが、給付は年金が約五割、医療が約三割を占めており、残りの約二割を介護や子ども・子育て支援などの福祉分野が占めています。それらの費用を賄う負担について見ると、保険料が約六割、国と地方の税金が約四割を占めている状況です。
 次に、六ページは、社会保障関係費と申しますが、これは社会保障関係の国の予算を表す数字です。一般歳出、社会保障関係費、そして社会保障関係費の一般歳出に占める割合の推移を当初予算ベースで示したものになります。
 高齢化等に伴い、一般歳出に占める社会保障関係費の割合は増加を続け、平成二十七年度現在では国の一般歳出の約五五%は社会保障関係費が占め、額としては三十一・五兆円に上ります。
 次に、八ページから十三ページまでは社会保障制度改革についての資料でございます。
 厚生労働省としては、世界に冠たる国民皆保険、皆年金を始めとする社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくため、消費税率の引上げにより社会保障の充実、安定化を図るとともに、高齢者を含め負担能力に応じて公平に負担いただき、必要な給付が適切に行われるよう不断に制度の重点化、効率化を行うことが必要であると考えております。このため、社会保障と税の一体改革や平成二十七年六月三十日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一五に基づき取組を進めてまいります。
 まず、社会保障と税の一体改革関係について、八ページですが、消費税率の五%引上げによる増収分の使途について全体像を示した資料になります。
 社会保障と税の一体改革では、社会保障の充実と安定財源の確保のため、消費税率を二〇一四年四月から八%に、二〇一七年四月から一〇%に二段階で引き上げることとしています。資料にあるとおり、増収分が平成三十年度に満年度化した場合、五%引上げ分の税収は十四兆円程度と見込まれますが、四%分の十一・二兆円程度は社会保障の安定化に充てることとしています。
 まず、これは平成二十六年度から措置しておりますが、基礎年金国庫負担割合を恒久的に二分の一に引き上げるために三・二兆円程度を見込んでおります。また、後代への負担のツケ回しの軽減とありますが、安定財源が確保できず赤字国債の発行に頼っている既存の社会保障費について七・三兆円程度を確保することにより、赤字国債による将来世代の負担軽減に回すこととしています。また、消費税率引上げに伴う物価上昇による手当てとして〇・八兆円程度を見込んでおります。
 そして、消費税収一%分の二・八兆円程度を活用して、子ども・子育て支援、医療、介護、年金の四分野にわたる社会保障の充実を行います。その詳細は次のページでございます。
 次に、九ページですが、今ほど申し上げました社会保障・税一体改革による社会保障の充実について更に詳しく示した資料になります。
 社会保障の充実には二・八兆円程度が充てられることとされており、内訳としては、子ども・子育て支援新制度の実施による幼児教育、保育と地域の子ども・子育て支援の総合的推進、充実、待機児童解消加速化プランの実施など子ども・子育て支援の充実に〇・七兆円程度、病床の機能分化、連携、在宅医療の推進等、地域包括ケアシステムの構築、医療保険制度の財政基盤の安定化、保険料に係る国民の負担に関する公平の確保、難病、小児慢性特定疾病に係る公平かつ安定的な制度の確立など医療、介護の充実に一・五兆円程度、低所得高齢者、障害者等への福祉的給付、受給資格期間の短縮など年金制度の改善に〇・六兆円程度となっております。また、例えば、医療、介護の右側の④介護給付の重点化・効率化にあるとおり、医療・介護分野に関しては、充実と併せて重点化、効率化にも取り組んでいくこととしております。
 資料の十ページは、社会保障・税一体改革による社会保障の充実に係る実施スケジュールを示したものでございます。
 これまで、子ども・子育て関連三法に基づく子ども・子育て支援新制度や難病、小児慢性特定疾病に係る公平かつ安定的な制度の確立、医療・介護総合確保法による地域医療介護総合確保基金の創設や介護保険の改革など各分野の制度改正を着実に実施してまいりました。昨年の通常国会において、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、プログラム法に掲げられた法改正が一巡したところであります。
 平成二十九年度には消費税率が一〇%に引き上がるため、その際、①現在特に所得の低い方に限って部分的に実施している介護保険料軽減強化の完全実施、②年金生活者支援給付金の支給、③老齢基礎年金の受給資格期間の二十五年から十年への短縮といった残されたメニューが実施されることとなります。
 さらに、今後は、平成三十年度の国民健康保険の都道府県単位化など残された施行を着実に進めるとともに、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年を見据え、効率的で質の高い医療提供体制や地域包括ケアシステムの構築などの改革を進めてまいります。
 次に、十一ページ、十二ページですが、昨年六月三十日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一五の厚生労働省関係の概要を示した資料であります。
 本方針の第三章におきまして、経済と財政双方の一体的な再生を目指す経済・財政再生計画を定めました。本計画は、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化を目指し、幅広い分野において、計画策定後速やかに改革工程、成果目標等を具体化することを基本的考えとしていますが、中でも社会保障は歳出改革の重点分野に位置付けられております。
 改革に当たっては、二〇一六年度から二〇一八年度までの当初三年間を集中改革期間と位置付け、経済・財政一体改革を集中的に進め、二〇一八年度において中間的な進捗評価を行った上で、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化を目指すこととされています。
 特に、社会保障分野の基本的考え方として、十二ページでございますが、安倍内閣のこれまで三年間の経済再生や改革の成果と併せ、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び、一・五兆円程度となっていること、経済・物価動向を踏まえ、その基調を二〇一八年度まで継続していくことを目安とし、効率化、予防等や制度改革に取り組むとされ、この点も含め、二〇二〇年度に向けて、社会保障関係費の伸びを高齢化による増加分と消費税率引上げと併せ行う充実等に相当する水準に収めることを目指すという方針が掲げられております。
 最後に、十三ページでございますが、これは昨年十一月二十四日の経済財政諮問会議に塩崎厚生労働大臣が提出した資料でございますが、先ほど述べました経済・財政再生計画を受けての今後の社会保障改革のスケジュールをまとめた資料であります。赤字で記しているものが、経済・財政再生計画を受けて取組の加速化を図ろうというものです。
 例えば地域医療構想については、法律上は平成二十九年度までに策定することとなっていますが、全ての都道府県が平成二十八年度中に策定できるよう国として支援してまいります。また、医療費適正化計画については、昨年度末に基本方針を策定いたしましたが、本年夏頃の算定式の策定に向け引き続き検討を進めて、全都道府県が速やかに策定できるよう支援してまいります。
 医療費の適正化に向けては、予防などのインセンティブを強化することも大変重要ですが、平成三十年度の国保の財政運営都道府県化に先立ち、後発医薬品の使用促進や重症化予防等に取り組む自治体へのインセンティブ強化を前倒しで実施してまいります。このうち、昨年末に経済・財政再生アクション・プログラムが策定され、具体的な改革工程の明示と定量的なKPIを設定いたしました。アクション・プログラムに基づき、今後、各分野の改革の進捗管理にしっかり取り組んでまいります。
 引き続き、安定財源を確保しつつ、社会保障の充実、安定化を図るとともに、不断に制度の重点化、効率化を行い、世界に誇る社会保障制度を次世代に引き渡していけるよう努力してまいります。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 119014332X00420160406_013

発言者: 竹内譲

speaker_id: 32841

日付: 2016-04-06

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会