麻生太郎の発言 (財政金融委員会)
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○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、この軽減税率制度というものは、平成二十四年の六月の三党合意に基づいて、税制抜本改革法の中で三つあったうちの一つで、給付付き税額控除、総合合算制度と並んで低所得者対策候補の一つとして議論の対象となっていたものだと存じます。
今御指摘のありました給付付き税額控除、これはもう対象を低所得者に絞ったという点においては、これは間違いなく、いわゆる、何というの、利点があるんだとは存じますが、給付が実際の買物をするときのタイミングとか購入額とは全く関係なく、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではありません。したがって、消費者にとって痛税感の緩和を実感しにくいという点が一つ。
また、所得とか資産の把握、執行可能性などなどの問題がありまして、さらに、これらの問題が原因となって生じます過誤支給とか不正受給とかいったものが起きているというのは、これはアメリカの、マイナンバー制度がアメリカもありますのは御存じのとおりですが、勤労所得税額控除の適用額約六百三億ドルのうち二割、約百三十三から百五十六億ドルの過誤、不正受給というのが推計をされているところであります。
一方、軽減税率制度というのは、そもそも制度上、低所得者を対象に絞るということは困難、もうこれははっきり最初からしております。日々の生活におきまして、幅広い消費者が消費、利活用しておられます商品の消費税負担を直接軽減するとともに、買物の都度いわゆる痛税感の緩和を実感できるという利点から今般導入を決定をさせていただいたところですが、これに伴いまして、給付付き税額控除というものは、いわゆる消費税率引上げに伴う低所得者対策として実施することはないということだと存じます。
また、御提言のありました勤労所得税額控除と児童税額控除の点につきましては、これはいわゆる消費税の逆進性対策とは別に、子育て支援とか就労意欲の向上、そういった一定の政策目的の下に税額控除を行った上で、いわゆる控除し切れない分を給付するといった制度なんだと思いますが、諸外国でこれを導入しておられる事例というのはございます。給付付き税額控除と同様に所得や資産の把握が難しいといったのは同じことですが、過誤や不正受給といった支給の適正性の確保の問題に加えて、既に実施されておられます同じ政策目的の制度、例えば児童税額控除と児童手当とか、勤労所得税額控除と生活保護制度といったような関係をどのように整理するのかといった課題はもう一つこれ考えないかぬところなので、この点につきましては慎重な検討が必要なんであろうと、そのように考えております。