石田昌宏の発言 (財政金融委員会)

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○石田昌宏君 ありがとうございます。
 非常に大事な観点だと思いますし、確かにその観点で世界各国から日本のインフラ輸出はある意味期待されているといった面はあると思いますが、逆にそこにこだわり過ぎることのリスクというのもあるんじゃないかなというふうに思っています。
 結局、質が高いと我々が思っていても、相手国が買わないとこれは輸出にならないわけなんですけれども、どちらかというと、質が高いものを買ってくれというのは、いわゆる経済ですとプロダクト・アウトみたいな発想に近い感じがするんです。もちろんこれが悪いとは言いませんけれども、あわせてマーケット・イン、つまりやっぱり買いたい人が何を求めているかに合わせた提供をしていかないと、結果的に買ってもらわないとこの三十兆円という莫大な金額は達成できないわけですから、むしろ、値段が高いけれども質がいいんだという話ではなくて、周りの国と同じ価格で提供できるんだけれどもより周りよりはいいよという、こういった観点をもっともっと明確に打ち出していくことがとても大事だというふうに思います。この視点は是非柔軟に対応していただきたいと思いますが、これは意見として言わせてもらいましたけれども。
 質問に入ります。
 この新しくできるJBICの特別勘定なんですけれども、これ全体としては収支相償原則は維持しつつも、個別案件の範囲では償還確実性の要件を免除、ある意味マイナスが出てしまっても仕方がないという、こういった考え方に変えるということである意味リスクを取っていくわけですね。JBICがある意味金融機関として、信用リスクの計量化というふうに言うんだと思うんですけれども、これをしっかりとやっていかないと、リスク取るだけだといけないわけですから、この辺が求められることになります。言ってみたら、ビジネス感覚をしっかりと持ちなさいというふうに置き換えてもいいのかもしれません。
 ただ、こういった与信のビジネスがしっかりと成り立つためには、大数の法則というふうに言うと思うんですけれども、ある意味借り手がたくさんいて、例えば一万人借り手がいて、その中で何十人かは駄目かもしれないという、ある程度、確率ですから、数の要素がなければある意味この与信のビジネスは成り立たないのが普通で、それが原則だと思います。したがって、相当な数を貸し出すからリスクが取れるんだという原理なはずなんですけれども、これが本当に成り立っているのか、若干疑問があります。
 というのは、JBICのインフラの案件を過去調べてみると、例えば二〇一五年度、一番直近のデータですと、年間二十一件しかないんですね。二十一件をある意味大数の法則の対象になるかというと、ちょっとこれ数が少な過ぎるように思いますし、これでよくリスク管理できるなという感じをします。しかも、一件の平均が、これ見ると二十一件で総額が三千六十六億円ですから、一件平均が百四十六億円もあるんです。巨大な塊をちょっとずつという、こういう融資の仕方をしている中で本当に与信が成り立つような仕組みがつくれるのかということが疑問になります。
 与信をちゃんとしっかりやるのであれば、ある意味たくさんの、大数ですからたくさんの案件をこれから増やしていけばいいんですけれども、ある意味三十兆円を出すというのは、それなりにたくさんの案件をやるという意味でそれはそれでいいのかもしれませんけど、どうしても一件単価が高いんですね。百億、二百億とか、そういったインフラですから、そのためには相当な予算を用意するか、それとも一個一個の案件を小さくするか、どっちかしかないと思います。ただ、インフラ案件ですから、一件一件の案件を小さくするというわけになかなかいかないので、逆に相当な予算を用意して相当な件数を稼がないとやはり大数の法則が成り立たないので与信ができないということになると思います。
 そういった点で、二〇二〇年に三十兆というのはある意味いいわけですけれども、それに対するJBICの予算を調べてみると、二〇一六年度のこの勘定に関する予算では、JBICに対して国は三百三十億円を出資し、それにJBIC自身が千五百億円を追加して、合計千八百三十億円がこのインフラ投資の勘定の原資になるわけです。もちろんレバレッジを効かせたりとか民間の投資を集めたりしてもっと金額を大きくするにせよ、この千八百億円程度ではなかなか大数の法則が成り立つようなインフラ投資ができるかどうか若干不安なんですけれども、この点について現実と規模感の違いみたいなところにつきまして財務省の御見解を伺いたいと思います。

発言情報

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発言者: 石田昌宏

speaker_id: 31166

日付: 2016-05-10

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会