小川勝也の発言 (農林水産委員会)
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○小川勝也君 そうなんです。人がいないと、幾ら何ヘクタールの立派な圃場があっても、輸出で幾らもうけても、その農村コミュニティーはなくなるんですよ。
ここで北海道の酪農の歴史を御紹介をさせていただきたいと思います。
酪農は四頭、六頭からスタートいたしました。当然手搾りです。牛の世話をして、ミルクタンクに搾乳をして、道路まで運んでいく。寒いときもあれば暖かい日もあるので、タンクが温まって雑菌が増えてしまう。だから、私たちの国の牛乳は百三十度の殺菌なんです。今こんなにすばらしいコールドチェーンができてもまだ、百三十度で殺菌する必要はないんですよ、本来は。まあこれはおいておいて。
それで、どんどん、今言ったように、ある人は経営が行き詰まります。乳価が思ったように上がらなくて、生産費との間でいわゆる借金の返済ができなくなって離農をする、残念な人は首つりをする、そういうことによって二軒の農家が一軒分になる、それが全道各地で何次にも何次にもわたって繰り広げられてくる。その間、いわゆるホルスタインの品種改良も進み、三千数百キロリットルだった乳量が七千になり八千になり九千になる。
そして、この酪農家の切磋琢磨は、まさに甘えが許されない。牧草を育てるのは生物、そして農薬や化学肥料は化学、気象は地学、そして経営は数学、全てにわたって優秀な人しか残れないという数次にわたる戦争の中で、乳量は増え、経営面積は増え、牧草地は増え、そして牧草を刈り入れる機械の購入金額も増え、ミルカーのいわゆる設置費用も増え、そしてコールドチェーンの確立も大変な負債となって残っていき、そして牛舎がどんどん近代化され大きくなって、堆肥場も設置するという中で、今は大きな酪農家しか残れなくなります。それが、酪農も畑作も同じことが繰り広げられていきます。最初は一町五反だった畑作地帯も四町になり十町になり三十町になり、その間、隣にいた農家の方々の農地を全部受けてきて今の農家がいる。
だから、今TPPが最大の懸案ですけれども、私たちは、この北海道の農家はもう一戸たりとも減らしたくない。もう終わっているんですよ、トーナメントと戦争と競争は。府県はまだ農地面積は小さいし経営効率は悪いけれども、私は、その方々が餓死するのであれば、そこから自然に出ていくはずなんです。私は、今、日本に求められているのは、成長ではなくて、効率ではなくて、やっぱり持続ということだというふうに思います。
私たちの国はどういう国なのか。これはいろんな言い方があります。かつて自由民主党の政策フレーズに、国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成というフレーズがありました。これは、私も田舎者ですから大好きだった。多極分散型国土の形成でいうと、最もうまくいっているのは私はドイツであろうというふうに思っています。首都もあるけれども、金融の中心もあれば製造業の中心もある。そして、そこはかとなく農業も頑張っている。
どんどんどんどん人口が首都に集まるなんという国は、これは私の言葉では途上国モデル、途上国モデルです。これは、今のコルカタとかあるいはメキシコシティーとかブラジルのリオデジャネイロとか、経済発展の途上である国は貧富の差が拡大をしているのでどんどんどんどん首都圏に人が集まってしまう。私たちの国は曲がりなりにも高度経済成長で成功した国なのに、まだ東京に人口が集中している。私は、効率的な、あるいは成長の、あるいは輸出のという農業ではなくて、持続の農業と幸せを享受できる農村、これが大事だと思います。
これ、全て答えるわけにはいかないと思うので、大臣にはここで東京一極集中についてだけ感想を求めておきたいと思います。