小池振一郎の発言 (法務委員会)

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○参考人(小池振一郎君) 供述調書の任意性を争うために録音、録画が重要であるということは前から言われていたことであります。それはなぜかというと、自白調書、これが本当に任意性があるかどうかで延々と法廷の中で警察官やその他の方が何十人と出たりして、任意性で、そのために時間が掛かっている、これはやめようという形で録音、録画がいいのではないかということになったわけです。
 しかし、実際問題として、それが登場しますと、自白調書の任意性だけではなくて、やっぱりこの自白調書で言っていることは信用性があるなというふうに、人間ですから、そういうふうに余り区別できないだろうと思われます。そういう危険性があるわけです。ですから、従来は余り使用されてこなかったわけです。
 ところが、今回、この五年、十年の取調べの可視化の運動の中で、日弁連も含めて言ってきたのは、取調べの可視化をすれば捜査側にとっても有利だよと。なぜなら、任意性立証が楽になるよということでやってきたわけです。こういう運動の中で、その運動自身を私全否定するわけではないんですけれども、一つの考え方だと思いますが、基本的にはそればっかりで運動してきたという面があったのではないか。そのために、検察側も裁判所もこの録画を証拠採用しやすくなってきている。実際、この間、この数年間の間に多分数十件、百件近くビデオ録画が証拠採用されてきているという経緯があります。中には実質証拠として出されているケースもあります。
 それはそれでいいんだろうかという問題があるわけです。実際そこで心証が取られてしまう、いいとこ取りで。全過程可視化されていれば別なんです。部分録画だから私、問題にしているんです。部分録画でいいとこ取りされたところだけが証拠として出されて、そこで心証が決まるというのは大変まずいし、裁判の公判中心主義に反するのではないかと、それはむしろ控えた方がいいのではないかと。
 そういうところで、最高検の先ほどの依命通知まで出されて、もっともっと実質証拠化しよう、これは任意性、信用性を更に飛び越えて自白調書、調書よりもビデオそのもので有罪か無罪か、公訴事実の有無を判断した方がいいでしょうと、これが実質証拠というわけですが、それをやりましょうというのが先ほどの最高検依命通知です。こんなことがどんどんまかり通ったら、本当に裁判の公判中心主義は形骸化してしまう。
 これを今回の法案は、先ほど桜井さんも言われましたように抜け穴だらけですから、部分録画を容認している法案であるから、それを結局促進してしまうだろう、実質証拠化的な形でやってしまうだろうと、これに警告を発しているということでございます。

発言情報

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発言者: 小池振一郎

speaker_id: 31563

日付: 2016-04-19

院: 参議院

会議名: 法務委員会