中村愼の発言 (法務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 司法行政事務として開廷場所の指定の事務を行っていた事務総局は、基本的に当事者が現にハンセン病に罹患していることが確認できれば、科学的知見や他者への伝染可能性の有無及び程度、伝染可能性の低下の見込みの有無等の諸事情を具体的に検討することなく、裁判所外における開廷の必要性を認定して認可するとの定型的な運用を行っておりました。しかし、遅くとも昭和三十五年以降においてはハンセン病は確実に治癒する病気となっており、伝染のおそれについても他の疾病と区別して考えなければならない状況にあったとは認められないことから、このような定型的運用は遅くとも昭和三十五年以降は合理性を欠く差別的な取扱いであったことが強く疑われ、裁判所法六十九条二項に違反するものであったというのが結論でございます。
 また、開廷場所の選定と憲法の公開原則の関係につきましては、下級裁判所は、最高裁判所の指示に従い、裁判所の掲示場及び開廷場所の正門等において告示を行っていたこと、下級裁が指定された開廷場所において傍聴を許していたということが推認でき、このような運用は憲法の定める公開の要請を念頭に置いて行われていたものと認められるし、指定を受けた下級裁で行われた手続において、裁判所法六十九条二項が想定する公開の要請を満たさないと解される具体的形状を有する場所が開廷場所として選定された事例があったとまでは認めるには至らなかったというのが結論でございます。

発言情報

speech_id: 119015206X01520160524_007

発言者: 中村愼

speaker_id: 10293

日付: 2016-05-24

院: 参議院

会議名: 法務委員会