中村愼の発言 (法務委員会)
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○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 有識者委員会の委員五名のうち四名が弁護士ないし法学者でございまして、残る一名は報道関係者でございます。その方も長きにわたり司法関係の報道に携わっておられた方でございますので、全員が高い法律的知識や素養を有した方々であるということは委員御指摘のとおりでございます。
委員は、このような法律的知識だけではなく、ハンセン病の隔離政策やハンセン病の患者、元患者の方々を取り巻く困難な社会状況について深い学識経験をお持ちの方、また、ハンセン病問題に関する検証会議にも参加された経験を持っている方ということでございまして、委員会におきましては、法律的な観点からではなく幅広い議論がなされたところでございます。
公開の原則の関係で、有識者委員会の意見におきましては、ハンセン病療養所はそれ自体が激しい隔離、差別の場所であったと言わざるを得ない、療養所自体、一般の人々の近づき難い、許可なくして入り得ない場所であるから、その中で設けられた法廷は更に近づき難いものであったというふうにハンセン病療養所を取り巻く社会的状況を指摘の上、これを公開原則の関係で重要視され、違憲の疑いはなお拭い切れないと指摘されているところでございます。
他方、調査委員会では、公開原則の関係では、一般論として言えば、傍聴人が入るのに十分な場所的余裕があり、開廷の告示などをする方法によってその場所で訴訟手続が行われていることを一般国民が認識可能で、かつ、一般国民が傍聴のために入室することが可能である場所であれば公開原則を満たすものと考えており、その意味で有識者委員会の意見と調査委員会の意見は、純粋に法律的なスタンスというよりは、高い次元の考慮もされた上で判断がなされたというところであります。
このことを長官の方はそういう趣旨で発言されたものでございまして、決して有識者委員会の検討が法律的に間違っているとか、考慮すべきでない要素を加えて検討したという評価を加えた趣旨ではないというふうに理解しているところでございます。