長沢広明の発言 (本会議)
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○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました海外出張報告及び財政演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
昨日、北朝鮮が水爆実験を行ったと発表しました。国際社会に対する重大な挑戦であり、断固非難するものであります。政府においては、昨日来、NSC開催、国連安保理の緊急開催要請など迅速な対応を進めていますが、国民に対しての適切な情報提供を図りつつ、引き続き毅然たる姿勢で臨むよう強く求めます。冒頭、この点について、総理の見解を求めます。
二〇一六年、安倍連立政権四年目の年がスタートしました。政権発足以来、安倍政権は、国民の負託に応え、いわゆる三本の矢の経済政策を中心に、日本再建に向けて全力を挙げ、デフレからの脱却はもう一歩のところまで来ました。雇用を取り巻く環境も大きく改善、賃金も確実に上昇し始めています。
こうした中、昨年十月、安倍総理は、新三本の矢、一億総活躍社会の実現を掲げて内閣を改造し、新たな目標を掲げて前進することを表明されました。そこで打ち出された希望出生率一・八、そして介護離職ゼロ。分かりやすい目標設定であるだけに、その実現可能性などを疑問視する声もありますが、総理の強い決意と実行力でこうした疑念を断固振り払い、政府・与党結束して国民のための政治を更に前に進めていこうではありませんか。
私が政治家として最も大切にしているのは現場です。日々の暮らしの現場、汗水流して働く農家や中小企業の現場、医療や福祉の現場、そして自然の猛威がもたらす災害の現場等々、あらゆる現場に足を運びながら、そこで課題をつかみ、政策を積み上げ、一人一人が輝き活躍できる社会をつくっていく、それこそが一億総活躍社会への道のりであり、自公政権の政治姿勢そのものであるべきと考えます。
安倍総理自身、国内、海外で様々な現場の声に耳を傾けながら政策を進めておられます。公明党も、原点である現場主義に徹しながら、誰もが輝ける社会づくりに取り組んでいく決意です。
まず、安倍総理に、一億総活躍、日本再建に向けた決意を伺います。
安倍総理は、国際的な様々な課題に対する日本の役割を積極的に果たしていくための首脳外交をすさまじい勢いで展開されています。中でも、日韓首脳会談を踏まえ、昨年末の十二月二十八日の日韓外相会談及び首脳電話会談を通じて、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決することで合意したことは、関係改善への大きな一歩となったことは間違いありません。今後は、両国がこの合意に基づいて不退転の決意で実現していくことが何よりも重要であると考えます。
今年は、日本でサミットや日中韓首脳会談など重要な国際会議も開催されますが、これからの外交政策について、総理の決意を伺います。
消費税の軽減税率制度については、自民、公明両党において真摯に議論を重ね、平成二十九年四月から、酒類及び外食を除く食料品全般を対象とした軽減税率制度を導入することを決定いたしました。社会保障と税の一体改革を着実に進めるために消費税率の引上げは避けて通れない一方で、せめて生活に必要な食料品だけでも税率を軽くしてほしいという庶民の切実な願いに応えたのが、軽減税率の導入です。総理は、最善の結果が得られたと評価しておられますが、制度導入の意義、利点についてどのようにお考えか、国民にお示しください。
軽減税率の円滑な導入に向けては、国民理解を深めるとともに、事業者、特に中小・小規模事業者への支援が欠かせません。相談窓口の設置、レジシステムや業務システムの改修支援などに早急に取り組むべきと考えますが、総理の見解を求めます。
今般の補正予算案は、安倍総理の掲げる一億総活躍社会の実現、TPP関連政策大綱の実現、そして災害復旧、防災・減災事業、復興の加速化等が中心となっています。また、地方創生の本格展開、消費喚起や投資促進、生産性を高めるための施策にも配慮しています。さらには、全体で三・三兆円規模ですが、それらの財源は税収増や前年度剰余金で賄い、一方で新規国債の発行額を四千四百四十七億円減額するなど、財政健全化に向けた取組とも整合的です。この結果、平成二十七年度のプライマリーバランス赤字半減目標は堅持される見込みとのことですが、今般の補正予算案の意義、目的及びこれまでの財政健全化への取組について、麻生副総理兼財務大臣の答弁を求めます。
一億総活躍社会について、具体的に質問します。
第一の矢、希望を生み出す強い経済についてですが、個人消費の喚起、拡大は経済と社会保障の好循環を強固なものとする上で欠かせません。
最低賃金を始めとする賃金の引上げを広く国民全般に行き渡らせていく施策の強化と併せ、賃金引上げの恩恵が及びにくい方への支援として、補正予算案に年金生活者等支援臨時福祉給付金が盛り込まれました。給付金の目的、意義を国民に分かりやすく説明すると同時に、対象の方々にきちんと行き渡るよう実施面においても万全を期していただきたい。総理の答弁を求めます。
昨年四月の政労使会議において、下請企業である中小企業や小規模事業者に対し、適正価格での取引を促す取組について合意をしました。中小企業の元気こそ日本の力です。そのため、大企業は、下請企業の価格転嫁を含めた取引価格の適正化、中小企業等の生産性向上や技術・製品開発への支援など、合意を踏まえた取組を進めていくべきです。経済の好循環へ向け、下請企業への支援策について、総理の答弁を求めます。
第二の矢、夢を紡ぐ子育て支援に関してですが、子育て世代と一口に言っても、一人親家庭や多くの子を抱えて経済的負担の大きい多子世帯など、その置かれた環境は様々です。少なくとも、生まれ育った環境によって子供の将来の可能性が狭められてしまうようなことのない社会を実現していかなければなりません。希望出生率一・八を実現するためにも、家庭のニーズを酌み取ったきめ細かな施策の推進が必要です。特に、一人親家庭等を支援する児童扶養手当については、公明党がかねてから主張してきたとおり、当初予算にて第二子、第三子の加算額がそれぞれ倍額されることとなりました。一人親家庭、多子世帯への支援、子供の貧困対策について、補正予算案での対応を含め、どのように取り組んでいくか、総理の答弁を求めます。
第三の矢、安心につながる社会保障については、高齢化が本格化する中、誰もが安心して暮らせる社会をつくり上げるためには、地域における介護サービスの整備が欠かせません。利用者やその家族の目線に立って在宅サービスや施設整備を充実していくことがまず求められています。その上で、そうしたサービスを担う人材の確保や、利用者となる、例えば認知症の方やその家族への支援についてもきめ細かな目配りが必要と考えます。介護人材の確保と認知症の方やその家族への支援について、総理の答弁を求めます。
TPPの国内対策について伺います。
TPP協定が日本経済にとって大きなメリットがあることは間違いなく、これを最大限に活用するために中小企業や地場産業などの海外展開を積極的に支援すべきです。
一方で、農林水産業への影響については、生産者から不安の声が聞かれます。日本の農業は、TPPのみならず、高齢化など厳しい状況に置かれており、意欲のある若者が安心と希望を持って取り組めるよう万全の対策が必要です。
中でも中山間地域は、農業産出額の約四割を生産し、洪水や土壌の流出を防止するなど重要な役割を果たす一方、急傾斜地が八割を占め規模拡大による生産性向上が難しいなど、より厳しい状況にあります。営農を支える地域政策として、直接支払を着実に実施するとともに、高収益作物の導入や農地集積など所得向上に向けた産業政策の一層の充実が求められます。今後、中山間地域を始め日本の農林水産業をどのように維持発展させるのか、総理の答弁を求めます。
次に、災害対策について伺います。
本年は東日本大震災の発災から五年を迎え、復興は新たな段階に入ります。新たな復興・創生期間においては、地元の声をしっかりと受け止めながら、生活再建、町づくりが加速するよう、引き続き政府の力強い支援が欠かせません。まずは総理に対し、復興の更なる加速化に向けた決意を伺います。
一昨年の御嶽山噴火や昨年の集中豪雨などの被害の爪痕は、いまだに住民の心に残されています。中でも昨年九月の関東・東北豪雨においては、堤防の決壊や河川の氾濫など甚大な被害が出ました。私も、鬼怒川が決壊した茨城県常総市に直ちに向かい、国と関係自治体との調整等に当たらせていただきました。
今般のような想定をはるかに超える水害を防ぐためには、ハード、ソフト両面にわたる対策を併せて行う必要があります。特にハード面では、全国の堤防の高さが足りない箇所のかさ上げやコンクリートブロックによる補強などが必要です。また、ソフト面では、住民がより迅速に災害へ対応できるよう、例えばスマートフォンなどによる洪水予報の自動配信、こうしたことを円滑に行うための支援、最大級の豪雨に備えたハザードマップの見直しなどが重要です。先般、大規模水害対策の新ビジョンが策定されましたが、水害などの災害対策についてどう取り組むのか、石井国土交通大臣の答弁を求めます。
一方で、今後起こり得る首都直下地震や南海トラフ巨大地震などに備えた老朽インフラ整備の推進など、防災・減災対策は極めて重要です。避難経路や支援物資の輸送経路である道路や橋の修繕、補強、生活インフラである水道施設の耐震化対策などは特に急がれる課題です。
また、地震大国であり海洋国家である日本において、海上から医療支援を行うことのできる病院船、災害時多目的船の必要性がより高まっています。大規模災害が発生し、陸路での医療活動が困難になるような緊急時に備え、海路からの支援を可能にする災害時多目的船の早期運用に向けた実証訓練や計画策定を早急に進めていくべきです。
以上、今後の災害に備えた国の体制づくりについて、総理並びに国土交通大臣の見解を求めます。
世界を見れば、テロへの対応、難民問題など多くの課題が山積しておりますが、今後も日本が世界の平和と安定に一層貢献していくことが重要です。総理自らが先頭に立って積極的な平和外交を進めていかれることを御期待申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕