安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 林久美子議員にお答えをいたします。
安倍内閣の経済政策についてお尋ねがありました。
安倍政権発足後、雇用・所得環境は着実に改善をしております。是非、この現実を直視していただきたいと思います。
政権交代前を思い出していただきたいと思います。長引くデフレで給料も上がらず、行き過ぎた円高で仕事が海外に流出し、輸出は大幅に減少しました。GDPも、リーマン・ショックで大きく落ち込んだ水準から戻しただけで、政権交代前は三四半期連続のマイナス成長でありました。この三年間、経済最優先で取り組むことにより、デフレではないという状況をつくり出し、行き過ぎた円高は是正されました。今や国内に仕事や投資が戻ってきています。
民主党政権時代、年間一万件を超えていた倒産件数は、政権交代後、三割弱減って、二十五年ぶりの低水準となりました。民主党政権下で五十二万人減った正規雇用労働者は、安倍政権になって二万人のプラスに転じました。賃上げも二年連続で大幅に上昇し、昨年は過去十七年ぶりの高水準となりました。国民みんなの稼ぎである総雇用者所得で見れば、名目で見ても実質で見ても増加傾向にあります。
政権交代後、就業者数は百十万人以上増え、そのほとんどが女性であります。これまで三年連続で最低賃金を大幅に引き上げてきたこともあり、パートで働く方の時給はここ二十二年間で最高水準となりました。景気回復に伴って新たに働き始めた女性の中にはパートで働く方も多いと考えられますが、これをワーキングプアが増えたとするのは全くもって誤った理解であります。
安倍内閣は、現役世代、高齢者世代のいずれにもしっかりと目配りをしています。子育て世代を含む現役世代への支援は、消費税引上げの延期にかかわらず、昨年四月から子ども・子育て支援新制度を開始するなど着実に進めてまいりました。
また、先般成立した補正予算や御審議いただいている来年度予算においては、保育サービスの充実や低所得の一人親家庭、多子世帯に対する支援など、公費ベースで七千億円の子育て支援の拡充を行うこととしております。若者については、引き続き賃上げや最低賃金の引上げを推進するとともに、非正規で働く方のキャリアアップや待遇改善に向けた取組もしっかりと進めてまいります。賃上げの恩恵が及びにくい低所得の高齢者については、今般の補正予算において臨時的な給付を行うほか、社会保障・税の一体改革の枠組みに基づき、福祉的な給付や医療、介護の保険料負担軽減を行ってまいります。
御指摘の厚生労働省の調査については、平成二十六年の七月に行われたものであり、人々の生活意識については、消費税率引上げなどが影響している可能性があると考えられます。
昨年八月に公表された内閣府の国民生活に関する世論調査に基づき、安倍政権発足後の生活意識と民主党政権時代の生活意識を比較してみると、現在の生活について満足と回答した割合は七〇・五%へと五ポイント上がり、不満と回答した割合は二八・五%へと五ポイント下がっています。いずれにせよ、全国の皆さんに景気回復を実感していただけるよう、きめ細かく目配りをしながら経済の好循環をしっかりと回してまいります。
財政健全化の取組についてお尋ねがございました。
安倍内閣においては、経済成長により税収増を図るとともに、社会保障の改革を含め徹底的な重点化、効率化など歳出削減にも取り組んでまいりました。この結果、政権交代前と比較して新規国債発行額を十兆円減額しました。新規国債発行額が税収を上回るという異常な状態を解消することができました。財政健全化の取組について、民主党から無責任と批判されるいわれは全くございません。
長く続いたデフレによって、日本人にはデフレマインドがこびりついてしまいました。もはやデフレではないという状況をつくり出した今、日本は再び成長できるという自信を持って経済再生に取り組むべきであります。
戦後最大のGDP六百兆円という目標に向かってあらゆる政策を動員することにより、名目三%以上の経済成長を目指すとともに、歳出改革も着実に推進し、二〇二〇年度の財政健全化目標を実現してまいります。
なお、財政健全化の実効性の確保については、法制化といった仕組みづくりそのものよりも、今年度の予算を基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としたように、政府として定めた目標を堅持し、責任を持ってこれを実現していくことこそが重要であると考えています。
子育て支援についてお尋ねがありました。
安倍政権は子育て支援を重視しています。今般の補正予算や来年度予算において、保育サービスの充実や教育費負担軽減、児童扶養手当の拡充を行うなど、国、地方を合わせた公費ベースで七千億円の子育て支援の拡充を盛り込んでいます。これは、低所得の高齢者等に対する給付金の規模約四千億円を大きく上回るものであります。
なお、この給付金については、税収増というアベノミクスの果実を活用して、今年前半にかけての個人消費を下支えし、経済の下振れリスクに対応するとともに、賃金引上げの恩恵の及びにくい低所得の高齢者等を支援するため、一人三万円の給付金の支給を行うものであり、ばらまきとの御指摘は全く当たりません。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕