安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 渡辺猛之議員にお答えをいたします。
 中東情勢の安定化に向けた我が国の取組についてお尋ねがありました。
 ISILなどのテロに対しては、最前線で過激主義と対峙している穏健イスラム諸国を非軍事分野で全力で支援していきます。食糧、医療などの難民、避難民に対する人道支援を一層拡充し、開発支援とも連携させてまいります。
 また、サウジアラビアとイランの対立やパレスチナ問題などの地域の緊張については、我が国と中東各国との良好な関係を活用し、様々な機会を捉えて対話を通じて事態の鎮静化を図り、平和的に問題を解決するよう働きかけてまいります。
 中小企業・小規模事業者への支援についてお尋ねがありました。
 御指摘の小規模事業者持続化補助金を活用したある美容室は、商工会の助言により高齢者が座りやすい椅子を導入したところ、売上げが一五%も増加したそうであります。日本企業の大宗を占める中小企業・小規模事業者がこうした工夫や挑戦によって成長すれば、経済全体に大きな力となります。
 そこで、生産性向上に向けた設備投資を行う中小企業・小規模事業者に対しては、生産設備の固定資産税の大胆な減税を行うとともに、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金により新商品の開発等も支援します。さらに、経験豊富な専門家が相談に応じるワンストップ窓口を拡充し、中小企業・小規模事業者の様々な経営課題にきめ細かく対応してまいります。
 中小・小規模企業によるTPP活用の支援についてお尋ねがありました。
 TPPの活用は、まずTPPの内容を知っていただくところから始まります。経済産業局、ジェトロなどの国内各地の拠点に全国六十五か所の窓口を設置しました。今後、各地の商工会、商工会議所、各都道府県のよろず支援拠点等と連携し、TPPについての情報提供体制を強化していきます。
 中小・小規模企業が初めて輸出に取り組む際には、企画から出荷に至る各段階で様々な課題に直面します。そこで、経営相談、商品開発、販路開拓など、多様な関係機関の支援策を組み合わせて活用できる枠組みとして新輸出大国コンソーシアムを立ち上げます。中小・小規模企業がTPPで開かれる新しいチャンスをつかんで飛躍できるよう、そして地域が元気になるよう政策を総動員して支援してまいります。
 農産物輸出への支援についてお尋ねがありました。
 農林水産物・食品の輸出については、総合的なTPP関連政策大綱において、平成三十二年の輸出額一兆円目標の前倒し達成を目指すこととしたところです。これを受け、先般、農林水産業・地域の活力創造本部の下に輸出力強化ワーキンググループを立ち上げ、輸出拡大に向けた具体的な戦略について精力的に議論するよう指示したところであります。
 今後、目標の達成に向け、米、牛肉、青果物等の重点品目ごとの輸出促進対策の推進、検疫手続の円滑化など輸出阻害要因の解消、訪日外国人旅行者への地域農林水産物の販売促進、地理的表示の活用等によるブランド化の推進など、多様な取組を展開してまいります。
 地方創生のこれまでの評価と今後の展望についてお尋ねがありました。
 地方創生は、まさに地方が消滅していくという危機感を持って、人口減少の克服と地域活性化を一体として実現することを目指す取組です。
 例えば、渡辺議員の地元である岐阜県内では、先行型交付金を利用し、美濃和紙ブランドの確立、販路開拓を支援し、飛騨地域の市町村が連携して移住を促進するなど先駆的事業が行われました。積極的に取り組む自治体では、地方創生人材支援制度により、六十九名の意欲と能力のある人材が、市町村長の補佐役として地方版総合戦略の策定や処方箋作りを支援しました。地方創生の一年目は、このように先駆的事業において目に見える成果が上がりました。
 これから地方創生は全国で実行段階に入りますが、原動力は地方の皆さんの情熱であります。自分たちの未来を自分たちの創意工夫で切り開く、地方公共団体の意欲的なチャレンジを国があらゆる施策で支援することにより、今後、地方創生を実現していくものと考えております。
 人口減少局面における社会インフラ整備についてお尋ねがありました。
 社会資本の整備は、未来への投資により次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものであり、これまでも地方を含め我が国の経済成長を支えてきたものと認識しております。
 少子高齢化に立ち向かっていく中で、今後のインフラ整備は、中長期的な見通しの下、効率化を図りながら計画的に推進していくことが必要です。既存施設やソフト施策の最大限の活用を図りつつ、国際競争力の強化、国土強靱化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの分野について、選択と集中の下、効果が最大限発揮されるよう重点化した取組を進めていきます。
 一億総活躍社会における高齢者の活躍についてのお尋ねがありました。
 高齢者の皆さんの七割近くが六十五歳を超えても働きたいと願っておられます。我が国の健康寿命の長さは世界最高レベルであり、現役世代と同様に元気で働ける方も数多くおられるものと思っております。日本が直面する人口減少問題を克服して成長力を確保していくためにも、高齢者の就業率を高めていくことは重要です。働きたいと願う高齢者の皆さんに道を開いてまいります。
 このため、六十五歳以降に雇用される方に対する雇用保険の適用拡大やシルバー人材センターの業務範囲拡大など、高齢者雇用を促進するための法案を今国会に提出するべく準備しております。
 さらに、この春取りまとめるニッポン一億総活躍プランでは、働き方改革を重要な柱として打ち出すことを考えており、その中で、非正規労働者の処遇改善、長時間労働の是正と並び、高齢者雇用の促進は大きな課題と位置付けております。
 政府としては、定年延長に積極的な企業への支援など定年引上げに向けた環境を整えていくことが重要と考えており、一億総活躍国民会議ではその具体策について議論し、ニッポン一億総活躍プランにおいて明らかにしていきたいと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2016-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議