安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 寺田議員にお答えをいたします。
バス、トラックの安全運行に向けた施策についてお尋ねがありました。
十五日に発生したバス事故のような誠に痛ましく悲惨な事故を二度と起こさせないよう、安全確保対策の強化について、専門家による検討も踏まえながら再発防止に万全を期してまいります。
その中で、運送事業者の取引環境の改善や運転者の賃金の引上げも重要な課題です。安全運行を確保できる適正価格での発注が適切に行われるよう関係業界と一体となって取り組んでまいります。
企業・団体献金の廃止についてお尋ねがありました。
政治活動に対する献金の在り方については、長年の議論を経て、企業・団体献金は政党等に対するものに限定されるなど、種々の改革が行われてきたところであります。許してはならないのはお金でもって政策をねじ曲げようという行為です。それは、個人であれ団体であれ同じことであり、企業、団体が政党等に献金すること自体が不適切なものとは考えておりません。いずれにせよ、この問題は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において十分御議論いただくべきものと考えております。
平和安全法制についてお尋ねがありました。
憲法の範囲内で必要な法整備を進め、国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な責務であり、これは、憲法改正とは全く別の問題であります。平和安全法制は、その内容においても手続においても、憲法の下、適切に制定されたものです。立憲主義の破壊といった御指摘は全く当たりません。
また、二百時間を超える充実した国会審議の結果、与党のみならず野党三党の皆さんの賛成も得て、より幅広い合意が形成されたことは大きな意義があったものと考えています。平和安全法制の成立により、私たちの子や孫の世代に平和な日本を引き渡していく基盤を築くことができたと確信しています。
今後とも、国民の皆様に更なる御理解をいただけるよう、粘り強く丁寧な説明に努めてまいります。
財政健全化についてのお尋ねがありました。
安倍内閣では、経済再生と財政健全化を両立させながら二〇二〇年度の財政健全化目標の実現を目指しており、目標達成に向け、成長戦略を着実に実施することで名目三%以上の経済成長を目指すとともに、歳出改革を着実に推進してまいります。また、計画の中間時点である二〇一八年度において改革の進捗状況を評価することとしており、必要な場合は、デフレ脱却・経済再生を堅持する中で、歳出歳入の追加措置等を検討することとしています。
今後とも、経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行し、二〇二〇年度の財政健全化目標を実現してまいります。
野党時代の経験についてお尋ねがありました。
三年三か月の野党時代は誠に厳しいものでありました。しかし、その中で、私たち自由民主党は、過去を率直に反省し、教訓として心に刻みながら、様々な国民の声に謙虚に耳を傾けることで、政治は国民のものという立党の原点に立ち戻ることができました。そして、私たちは、民主党政権の下、長引くデフレ、低迷する経済をどうにかしてほしいという国民の声に強く押されて、政権を奪還することができました。
ですから、私たちは、強い批判にさらされようとも、政権交代後、三本の矢の経済政策を推し進め、さらには農業、医療、エネルギー、労働などの分野で戦後以来の大改革を断行してまいりました。三年間に及ぶ経済再生への挑戦は、雇用を増やし、賃金を押し上げ、大きな果実を生み出しています。さらに、その三年間の果実を生かし、長年放置されてきた少子高齢化という困難な課題にも、一億総活躍という旗を掲げ果敢に挑戦していきます。
築城三年、落城一日とも申します。国民の目線を忘れ、挑戦から逃げるような政党に逆戻りすれば、直ちに自民党への国民の信頼は失われるに違いありません。その高い緊張感を持ちながら、私たち自由民主党はこれからも国家国民のため挑戦を続けていく決意であります。
健康寿命を延ばす取組についてお尋ねがありました。
健康寿命の延伸を図り、介護が必要となる人を減らすことは、介護離職ゼロの実現に当たっても重要です。日常生活に支障が生じるような身体機能の低下を避けるためにも、常日頃から介護予防の取組が不可欠です。御指摘のロコモ予防についても、普及啓発を図ることにより、介護が必要となる人が減るよう努めてまいります。
理想の介護や終末期医療の姿についてのお尋ねがありました。
理想の介護については、介護を受ける人、介護をする人それぞれに異なるものであり、納得し、心安らかに介護を受けられることが何よりも重要であります。人生の最終段階における医療の在り方は、一人一人の国民の生命観や倫理観に関連する大きな問題であり、幅広く国民の間で議論されるべきものと考えています。
現在、超党派の議連において終末期医療に関する議論がなされているものと承知しており、政府としては、これらの議論や国民の間での議論を踏まえ、人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境の整備に努めてまいります。
若者の人材育成についてお尋ねがありました。
我が国が成長、発展していく上で、可能性に満ちた若者たちをグローバルな舞台で活躍できる人材へと育てていくことは極めて重要であると考えています。
来年度予算においては、学生の海外留学への支援、グローバル人材の育成に積極的に取り組む高校、大学への支援、職業の高度な知識、技能を身に付けさせる高校や専修学校などへの支援等を行うこととしております。また、奨学金や授業料免除も拡大することとしています。
今後とも、全ての若者が持てる能力を生かし、自立、活躍できる社会の実現を目指してまいります。
私の答弁姿勢についてお尋ねがありました。
全ては国家国民のため、互いに寛容の心を持って建設的な議論を行い、結論を出していくことが私たち国会議員に課せられた使命であります。この信念の下、私たち連立与党は、政策の実現を目指す責任野党とは柔軟かつ真摯に政策協議を行っていく、これは不動の方針であります。
さきの国会での平和安全法制の審議では、統一会派を結成された日本を元気にする会の皆さんとは、真剣な政策協議を経て、国会承認など民主的統制を強化することで合意し、法案に賛成していただきました。日本を取り巻く厳しい安全保障環境、その危機感を共有し、具体的な対案を提出され、また、その実現を目指して真摯に協議に臨んでいただいたことに心から敬意を表する次第であります。
是非、この国会でも、それぞれの具体的な政策を国民の前で明らかにしながら、建設的な議論を行わさせていただきたいと考えております。そうした政策議論がややもすると御指摘のように白熱してしまう、荘子の言葉を借りるならば、我いまだ木鶏たり得ずであります。これを望むに木鶏に似たりの境地を目指すのはなかなか簡単なことではありませんが、できる限り精進を重ねてまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕