安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 吉良議員にお答えをいたします。
東日本大震災からの復興についてのお尋ねがありました。
本日、東日本大震災から丸五年を迎えました。まず冒頭、改めて、大震災によってお亡くなりになられた全ての方々に心から哀悼の意を表したいと思います。
安倍内閣では、東日本大震災からの復興を最重要課題と位置付けて取り組んでまいりました。三年前、計画すらなかった高台移転について、ほぼ全ての事業が着工し、この春には全体の四分の三の地区で造成が完了するなど、住宅再建は着実に進んでいます。
他方、いまだに多くの方々が仮設住宅を始め不自由な生活を送られています。また、原発事故のため、住み慣れた土地に戻れない方々も多数いらっしゃいます。仮設住宅での生活の長期化する中で、閉じこもりがちになる方や災害公営住宅に移っても孤立してしまう方もおられます。
こうした方々が一日も早く安心した生活を送ることができるように、被災者の心に寄り添い、心のケアやコミュニティーの再生など、地域ごとのニーズに応じたきめ細かな支援に内閣を挙げて全力で取り組んでまいります。
なお、被災者生活再建支援金の引上げについては、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して慎重に検討すべきものと考えています。
原発再稼働についてお尋ねがありました。
原子力発電所の再稼働については、安全神話の信奉が招いた東京電力福島原発事故を片時も忘れず、真摯に反省し、その教訓を踏まえていくべきことは当然のことであります。高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発でない限り、再稼働することはありません。今後とも、この方針に変更はありません。
その上で、高浜原発三、四号機については、今回の仮処分決定を受けて、関西電力は更に安全性に関する説明を尽くすべきであり、政府としてもそのように指導してまいります。
福島の復興や東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策は、最優先の課題として引き続き政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
原発損害賠償の打切りについてお尋ねがありました。
避難指示の解除は、放射線量の低下、日常生活に必要なインフラや生活関連サービスの復旧を確認し、復興が一定程度進んだ段階で、自治体や住民の方々との様々な場における対話を積み重ねた上でなければ実施することはありません。
避難指示は、ふるさとに戻りたいと希望する方々に対しても一律かつ強制的に避難を強いる措置です。長期化すれば、避難生活による心身の健康への懸念を始め、様々な弊害が生じるおそれがあります。
損害賠償は、東京電力福島第一原発の事故と相当因果関係がある損害に対して支払われるものであり、避難指示解除によって一律に打ち切られるものではありません。
政府としては、東京電力に対し、引き続き、被害者の個別の状況を丁寧に把握した上で、迅速、公平かつ適切に損害賠償を行うよう指導をしてまいります。
消費税率の引上げについてお尋ねがありました。
一昨年の消費税率八%への引上げが消費に大きな影響を与えたのは事実であります。だからこそ、我々は、一〇%への引上げを一年半延期しました。
この間、我々はしっかりと三本の矢の政策を進めてきました。その結果、全ての都道府県で有効求人倍率が上昇し、また税収も増え、中小企業の業況DIも改善し、倒産件数は約三割減少するなど、地方や中小企業にも明るい動きが広がっています。
来年四月の消費税率一〇%への引上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会から国の信認を確保するため、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施します。経済の好循環を力強く回していくことにより、そのための経済状況をつくり出してまいります。
法人事業税の外形標準課税についてお尋ねがありました。
今般の法人税改革は、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から行うものです。また、我が国においては、一部の企業に税負担が偏っているとの指摘もあることから、広く負担を分かち合う構造としていくことも必要です。
この法人税改革の一環として、大法人向けの法人事業税の所得割の税率引下げと外形標準課税の拡大を行うこととしておりますが、いわゆる中堅企業が負担増となる場合には、軽減措置を講ずることにより十分配慮しております。また、外形標準課税の適用対象法人の在り方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら、引き続き慎重に検討してまいります。
待機児童の解消についてお尋ねがありました。
厚生労働大臣に届けられた署名を受け取って拝見しました。子供が生まれたのに保健所に預けられない、仕事を続けられない……(発言する者あり)子供が生まれたのに保育所に、子供が生まれたのに保育所に預けられない、仕事を続けられないという大変な御苦労、切実な思いが伝わってまいります。安心して子供を産んでいただくために、仕事と子育てが両立できるよう、働くお母さんたちの気持ちを受け止め、待機児童ゼロを必ず実現させる決意です。
待機児童の数は地域によって差があることから、特に待機児童が集中している地域と連携し、対応策を検討することとしています。
保育士不足の要因としては、御指摘のとおり、給与も含め待遇の問題があると認識しています。この春に取りまとめるニッポン一億総活躍プランの中で具体的で実効性のある待遇の改善策を示し、不足している人材を確保してまいります。
子供の医療費についてのお尋ねがありました。
国においては、就学前の子供の医療費の自己負担を三割から二割に軽減しているところですが、子供の医療費の無料化については、財源の問題もあり、慎重な検討が必要と考えています。国保の減額調整措置については、地方団体から見直しの要望もあり、現行制度の趣旨を考慮しながら、その扱いを検討する必要があると認識しています。
いずれにせよ、こうした点も含め、子供の医療の在り方については、厚生労働省の検討会で幅広い観点から検討していると承知しております。
憲法二十一条と放送法の原則についてお尋ねがありました。
憲法二十一条における言論の自由を始め、表現の自由は、日本国憲法で保障された基本的人権の一つであるとともに、民主主義を担保するものであり、それを尊重すべきことは言うまでもありません。放送番組は放送事業者が自らの責任において編集するものであり、放送事業者が自主的、自律的に放送法を遵守していただくことが原則と考えています。放送法第四条については、これまで総務大臣が答弁してきたとおり、法規範性を有すると理解しています。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕