宮沢洋一の発言 (予算委員会)
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○宮沢洋一君 現状で申し上げても、利子の所得については全く税務署は把握をしていない。配当所得については、把握はしているはずでありますけれども、いわゆる名寄せというものが全くできていない。したがって、それぞれの方がどれだけの金融所得を受けているかということは全く分かっていないというのが現状でございます。
そして、今、麻生大臣からお話がありましたように、マイナンバーというものが定着したとしても、正確な金融所得の把握といったものも今のままでは難しいわけでありますし、更に言えば、それこそスーパーで何買ってきたといういわゆる商取引についてマイナンバーというものを使うということであれば、これは完全に所得の把握はできますけれども、いわゆる商取引にそういうナンバーといったものを使っている国はないわけでありますし、プライバシーの侵害といった点からもこれはなかなか実際に実行するのは不可能だろうと思っておりまして、そうした意味で所得の把握というもの、特に金融所得についてできていない。事業所得についても先ほど申し上げたようにかなり穴が空いている。そして、金融所得についてはできていないと。
こういう中で、本当に給付付き税額控除が公正な形でできるのかどうか。給付付き税額控除を導入している例えばイギリス、アメリカなどでも、これまでの過去の調査といいますか調べた結果、その一割から二割はこの所得について過誤とか不正といったものがあったという調査もあるようでございまして、まさに、例えば脱税している人に対して給付を行うということになりますと、これは言わば泥棒に追い銭のような制度でありまして、そうした点で大変問題が多い制度だろうというふうに思います。
さらに、本当にこの給付付き税額控除というものが日本において実行できるのかどうかということについても大変疑問に思っております。
例えば、民主党のホームページ等々を見ますと、掛かる経費は三千六百億円、それは年収五百万円以下の方を対象にすると三千六百億円と、こう書いてあるわけでありますけれども、果たして年収といったもの、これはなかなか難しい定義でありまして、年収というのは、サラリーマンであれば普通、会社からもらうお金がそれでありますけれども、その後、当然のことながら、配偶者控除でありますとか、勤労所得控除でありますとか、さらに扶養控除等々ということで、課税所得といったものが決まっていくわけであります。恐らく、税額控除、税という制度に乗っけるのであれば、当然、年収という曖昧な概念ではなくて課税所得といったところを対象にするのが正しいんだろうと思いますが、果たしてその課税所得なるものがきっちり把握できるのかどうか。
更に言えば、例えば簡素な給付というものを今やっておりますけれども、これはいわゆる地方住民税の非課税世帯を対象にする世帯単位ということでやっております。地方税の世界は基本的には世帯単位という世界でありますけれども、国税の世界というのはこれは基本的に個人単位になっておりまして、世帯という概念が基本的にありません。じゃ、年収五百万円以下の人を対象にするといって、お父さんが年収四百万、お母さんが年収四百万、子供も年収四百万、計千二百万という世帯も恐らくそれぞれの方が対象になってしまうと。
世帯単位で課税所得を把握するということはこれは不可能でありまして、相当数の方が対象になるという中でこれを実際に誰が実行できるかというと、市町村でもなかなか難しい、国の組織、国税でもなかなか難しい。果たしてこの制度、実現可能かどうかということは大変疑わしい制度だろうというふうに思っております。
〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
さらに、財源の問題もございます。先ほど申し上げましたように、民主党の案であれば総合合算制度といったものをやるということになる。そうすると、これは〇・四兆円掛かるわけであります。私どもの方は一兆円で、〇・四兆円、今の総合合算制度に当たるべきものをやらないということで財源確保して、あと〇・六兆円を年末に向けて歳入歳出で確保していくと、こういうことでありますけれども、民主党の場合は、総合合算制度をやるということになりますとこの〇・四兆円というものがないわけでありまして、〇・四兆円に恐らく給付付き税額控除、実行可能だとしても相当な実行に掛かる経費、簡素な給付でも相当掛かっております。それを足し合わせますと、恐らく〇・五兆から〇・六兆といった財源を新たに見付けてこなければいけないというのがこの給付付き税額控除の一番の問題だろうと思っております。そうした中で、本当によく提案されたなと。年金で、かつて最低保障年金と報酬比例年金というふわっとしたものを提案されたときと何となく図式が似てきているなというのが率直な感想でございます。
それで、軽減税率について少しお話をさせていただきますが、軽減税率というものは、これは、先ほど申し上げましたように、OECDの加盟国でいわゆるVAT、付加価値税型の消費税を導入している国ではほとんどの国で軽減税率、導入をしていると思いますけれども、どの程度の国が導入されているか、財務大臣、お願いいたします。