寺田稔の発言 (安全保障委員会)

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○寺田(稔)委員 おはようございます。自由民主党の寺田稔でございます。
 きょうは、限られた時間ではございますが、我が国の防衛力のあり方、また、その根底をなす法的基盤である我が国の自衛権についての考え方を中心に私の思うところを申し述べさせていただき、大臣にもお考えをお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 御承知のとおり、我が国安全保障体制の構築を図っていく上で、我が国が持っておりますところの自衛権のあり方、これは我が国の自衛隊の今後の絵姿を描く上でも極めて重要でございます。その意味で、やはり過去の歴史というものも我々は十分踏まえて、その歴史を一つのファクトとして捉えていかなければならないというふうに思っております。
 まずもって、我が国が自衛権を我が国の固有の権利として有しているということは、当然の法理として認められているわけでございます。国際法理上は、集団的自衛権をその第七章、明文の規定でもって容認をしております国連憲章を我が国は何ら留保条件をつけることなく国会において批准、承認をした時点において、憲法、すなわち国内法の最高法規である憲法より上位法であるところの国際法理の当然の帰結として、我が国に国際法上も集団的自衛権は付与されたと解されるところでございます。
 現に、昭和二十年代でございます、まだ現行憲法のいわゆる創成期におきまして、当時は自衛隊の前身である警察予備隊が組成をされ、後に今日の自衛隊へと発展をしていくわけでございますが、当時の内閣法制局は、そのみずからの公権解釈といたしましてこういうふうに言っております。米軍駐留そのものをもってして集団的自衛権の行使である。すなわち、米軍の駐留でもって、日米はともに、急迫不正の侵略に対し自衛の権利を共同で行使する、そのことは集団的自衛権の行使であり、そのことを許容していたわけであります。
 御承知のとおり、その後、さまざまな国際情勢の変化の中で、許容される必要最小限の自衛権の範囲というものは内閣法制局の解釈によっても変わってまいります。集団的自衛権は保有をしているけれども行使はしないんだと言っていた時代があることも御承知のとおりでございますが、今日、昨年成立をした平和安全法制、そしてことしから施行されました。さまざまな環境に応じて、その考え方をファクトとして認識をする必要があろうかと思います。
 憲法上の議論として、武力行使の一体化論があることは御承知のとおりでございます。
 この武力行使の一体化というときに、憲法上一体何が一体化であるかという憲法上の論議と、それとは別に、そこに至る手前の段階で、より抑制的にあるいは謙抑的に一体化を防ぐという立法政策上の議論、この二つの議論は、たまに混同されることもございますが、それぞれ峻別をすべきであります。
 かつて、自衛隊がイラク戦争後のイラク・サマワに行ったときに、いわゆる戦闘地域、非戦闘地域という地域をもってする区分の議論があったことは御承知のとおりでございます。これは、実は、憲法上の議論そのものではなくて、憲法上一体化しないとされる限界のさらに手前で線を引くという立法政策上のレベルの問題であったわけであります。
 憲法上のレベルでいえば、かつて大森内閣法制局長官が示したいわゆる大森四要素、これは、四つの要素でもって総合的に、我が国が武力行使において一体化しないというふうな考え方、それは今日においても維持されているものと考えるものでございます。
 今回、平和安全法制、そしてまた平和安全法制の一環をなしますPKO法の改正でもって駆けつけ警護も認められているわけでありますが、これは、現に戦闘を行っていない現場という考え方でもって、四要素を考慮しても、それは一体化しないものとして是認をされるわけでございます。
 もちろん、自衛隊の安全確保の観点から、PKO五原則を満たしていても、円滑かつ安全に活動できない状況であればその活動をやめるという今回の南スーダンにおける実施計画の閣議決定、これも立法政策上行われた重要な配慮であるというふうに認識をいたしております。
 この平和安全法制は既に施行されているわけですが、御承知のとおり、いわゆる新三要件のもと、集団的自衛権の一部が容認をされたわけでございます。実は、全ての国連加盟国は国連憲章に従いまして個別的自衛権とともに集団的自衛権を持っている。しかし、それが使えないんだというふうな解釈をしていた国は、世界広しといえども我が国のみであることは御承知のとおりでございます。
 例えば、永世中立国のスイスも、スイスに行かれるとわかるとおり、十メーター置きに各国から招集をされた義勇兵が機関銃を持って国境線で守っているわけでございます。また、かつて非武装中立と言っていたインドも、集団的自衛権の行使については、アグニミサイルの開発に見られるとおり、中国とインドの国境紛争に対応して集団的自衛権の行使をフルレンジで認めております。
 実は、本年の四月、北朝鮮のミサイル発射事案がありました。その兆候が生じたときに、私の地元の呉市に米軍が管理をしておりますミサイルの弾薬庫がございます。黄幡弾薬庫というふうに言っております。そこから、米軍が管理をしている地対空防衛ミサイルを、輸送艦「おおすみ」、これは呉に所属をいたします海上自衛隊の艦船、輸送艦でありますが、「おおすみ」でもって宮古島に搬送した。米軍のミサイルであります。
 もしミサイルが我が国の領海、領空域に飛来をしていたのであれば、破壊措置命令を発動して地対空防衛ミサイルでもって迎撃をすることは、もちろん法的にも、また実際の行為としてもなされていたでありましょう。幸い、ミサイルはそこに至るまでの間に着弾をし、我が国の領海、領域内には侵入をしなかったわけでございます。
 また、北朝鮮がミサイルを三発発射して、我が国の排他的経済水域に着弾をしたという事案もございました。残念ながら、排他的経済水域においては破壊措置命令を今現在の法制では出すことができないわけでございます。これも、世界標準から見ますと、相当抑制的かつ謙抑的に破壊措置命令については現在措置をされているということでございます。
 今回、平和安全法制の一環としてPKO法の改正も行われまして、国際平和協力業務の実施または物資協力の対象として、新たに国際連携平和安全活動という類型、カテゴリーが追加をされました。いわゆる駆けつけ警護も法的にその一環として付与されたわけでございます。宿営地の共同防護の方は既にPKO法の中で授権をされていたわけでございますが、こうした活動もようやくできるようになった。
 実は、これは派遣をされていた現場の隊員からも極めて強い要望として出されていた事項でございます。自衛隊が誇りを持って現地で活動できる、そして、いわゆる世界標準に至らなくても、少しでもそれに近づいて、ともに新しい南スーダンの国家建設、そして平和的な運営に積極的に関与したいという隊員みずからの希望も極めて大きかった分野であることは御承知のとおりでございます。
 また、今回の平和安全法制では、武力攻撃事態における我が国の平和と独立及び国民の安全の確保に関する法律も一部を改正され、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したときに、我が国の平和と安全、そして国民の生命あるいは幸福追求権が根底から覆される明白な事態に立ち至ったときにおいて、限定的な形でもって自衛権の行使というものが認められるわけでございます。
 仮にこういった事態に自衛権の行使を否定すれば、憲法十三条で定めるところの幸福追求権、あるいは憲法二十五条で定めるところの生存権など、憲法上の国民の権利も否定をされることになるということも認識をいたさなければなりません。
 ちょうど九年前、第一次安倍内閣のときでございました。私も当時、衆議院の当委員会に属して、最初の再編特措法の審議が行われ、本会議で賛成討論を行わせていただきましたが、時あたかも、昭和二十六年の戦後における我が国の独立の回復、これはサンフランシスコ講和条約の調印でありました。それとともに、同時に日米安保条約に調印をいたし、この日米同盟のもと、我が国が我が国の安全保障体制を確立していくという基軸を確立したわけでございます。
 現在、米軍再編はまだその途上でございます。トランスフォーメーションからリバランスへと移り、そして今、ベストポリシーミックスという、米軍再編もオンゴーイングでありますが、さらに進化をした形でもって再編が行われている中で、我が国の自衛隊の位置づけ、役割、これも当然変わってこなければなりません。
 そこで、防衛大臣にお伺いをいたしますが、我が国の自衛隊、今のような変遷も踏まえて、自衛隊の今後のあるべき姿についての抱負をお伺いいたしたいと思います。

発言情報

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発言者: 寺田稔

speaker_id: 21403

日付: 2016-11-25

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会