田中俊一の発言 (原子力問題調査特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○田中政府特別補佐人 原子力規制委員会委員長の田中俊一でございます。
衆議院原子力問題調査特別委員会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の活動状況について御説明申し上げます。
原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて人と環境を守るという使命を果たすため、さまざまな課題に取り組んでおります。
まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定された新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十六基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十の施設に係る申請が出されております。
これまでに、九州電力川内原子力発電所一号炉及び二号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉並びに四国電力伊方発電所三号炉の計八基に対して設置変更許可を行い、この中で、高浜発電所一号炉及び二号炉並びに美浜発電所三号炉について運転期間延長の認可を行いました。また、九州電力玄海原子力発電所一号炉、日本原子力発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉並びに中国電力島根原子力発電所一号炉の計五基について、廃止措置計画の認可申請に基づき審査を実施しております。
さらに、試験研究炉について、本年五月に設置変更承認及び許可を行った国立大学法人京都大学原子炉実験所の臨界実験装置及び近畿大学原子力研究所原子炉に続き、九月二十一日に国立大学法人京都大学原子炉実験所の研究用原子炉についても設置変更承認を行うなど、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。
第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組みの監視等について申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の早期かつ安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から、積極的な監視、指導を行うとともに、周辺地域のモニタリングに取り組んでおります。
東京電力福島第一原子力発電所においては、事故発生から五年が経過し、さまざまなトラブルに緊急的に対応していた事態対処型の状態から、現在は、廃棄物の管理や汚染水対策、廃炉に向けた対策全般について、計画を一つ一つ十分に検討し、着実に対策を進めることのできる計画的対処の状態に移行したと認識しています。
これらを踏まえ、安全上の観点から優先順位を明確にした中期的リスクの低減目標マップを改定し、完了した措置と引き続き監視が必要な措置を明示いたしました。
第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実について申し上げます。
原子力規制委員会では、昨年八月に改正した原子力災害対策指針に基づき原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めており、今年度も引き続き原子力災害拠点病院の指定促進に向けて支援を行っているところです。また、最新の国際的知見を積極的に取り入れるなど、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に最適なものになるよう、原子力災害対策指針の充実を図っております。
放射線モニタリングについては、地方放射線モニタリング対策官事務所における人員の増強等により、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所の事故に係るきめ細かな環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について、関係自治体、その他の国内外への情報発信にも努めています。
最後に、組織体制及び運営の継続的改善について申し上げます。
原子力規制委員会は、より実効性の高い規制の実現を目指して、国際原子力機関、IAEAによる総合規制評価サービス、IRRSにおいて明らかになった課題を踏まえ、原子力施設に係る検査制度及び放射性同位元素使用施設の規制等について見直しを行い、また、新たな規制を遂行できる組織体制を整備すべく検討を行っています。
以上、原子力規制委員会の活動状況について御説明いたしました。
我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、まだ道半ばにあります。原子力規制委員会では、与えられた職責を踏まえ、真の安全文化を構築し、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。