塩崎恭久の発言 (厚生労働委員会)

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○塩崎国務大臣 厚生労働委員会の開催に当たりまして、御挨拶を申し上げます。
 国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すために、そして我が国の経済社会の発展に寄与するために、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。
 本年六月、ニッポン一億総活躍プランが閣議決定をされました。まずは、五十年後も人口一億人を維持し、その一人一人の人生を豊かにしていくことを目指し、男性も女性も、高齢者も若者も、障害者や難病のある方も、一度失敗を経験した方も、あらゆる方がそれぞれ活躍できる包摂的な社会の実現に取り組んでまいります。そして、回り始めた経済の好循環をさらに加速化させ、経済成長の成果を子育てや介護などの社会保障分野に分配し、さらに成長につなげる成長と分配の好循環を構築します。
 働き方改革は、一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題であり、最大のチャレンジです。日本の企業や暮らし方の文化を変えるものでもあり、働き方改革実行計画の年度内の取りまとめに向けて、働き方改革担当大臣ともしっかり連携して確実に取り組みます。
 労働基準法等の一部を改正する法律案は、長時間労働を抑制し、多様な働き方を実現することにより、働き方改革を前進させていくものであり、早期の成立をお願いいたします。また、実効ある時間外労働規制のあり方については、働き方改革実現会議において精力的に議論を進めます。
 我が国では、グローバル化や少子高齢化の急速な進行、技術革新等により、多様な働き方をする方が増加しています。非正社員の待遇改善など、一人一人の働き方が適正に評価されるようにすることは、待ったなしの重要課題です。雇用形態にかかわらない同一労働同一賃金の実現に向けて取り組みます。不合理な待遇差を是正するため、新たなガイドラインを年内をめどに策定し、必要な法改正に向けて、ちゅうちょなく準備を進めます。
 最低賃金については、本年、全国加重平均で二十五円引き上げ、時給換算になって過去最大の上げ幅となりました。その環境整備として、生産性向上に向けて、中小企業等への支援措置を推進、拡充します。
 高齢者の就労促進については、六十五歳以降の定年延長や継続雇用制度の導入を行う企業に対する支援や、再就職支援の実施等により、高齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保を図ります。
 年金制度については、中小企業の短時間労働者への被用者保険の選択的適用拡大、年金額の改定ルールの見直し、より安全で効率的な年金積立金の管理や運用を行うための年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し、日本年金機構の国庫納付規定の整備などを内容とする法案を前通常国会に提出しています。制度の持続可能性を高め、将来世代の給付水準の確保を図るため、早期の成立をお願いいたします。
 年金受給資格期間を二十五年から十年に短縮することについて、平成二十九年度中に確実に実施できるよう、その施行期日を改正する法案を今国会に提出しましたので、あわせて早期の成立をお願いいたします。
 平成二十九年一月から加入範囲が大幅に拡大される個人型確定拠出年金制度を初め、私的年金の一層の普及に取り組みます。
 年金事業運営については、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進、情報セキュリティー対策などに着実に取り組みます。
 団塊の世代が全員七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築を進めます。
 各都道府県で策定される地域医療構想を達成するため、地域医療介護総合確保基金による支援や地域医療連携推進法人の活用を促進します。
 医師の確保については、実効ある地域や診療科偏在対策を年末に向けて検討します。あわせて、我が国の医療を取り巻く状況の変化に対応した新たな医療のあり方を踏まえた医師、看護師等の働き方などについて幅広く検討します。
 医療保険制度については、国民皆保険を今後とも堅持するとともに、予防、健康づくりの取り組みや医療の質を向上させていくことが重要です。このため、ICTとビッグデータ等を活用して保険者機能を格段に強化するとともに、データヘルスの先進的な事例の横展開を加速させていきます。
 後発医薬品の使用促進や、革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組んでいきます。あわせて、医療系ベンチャーが活発に生まれ育ち、イノベーションを次々と起こしていけるよう、具体的な施策を実施します。
 臨床研究法案については、適正な臨床研究の実施を推進するため、早期の成立をお願いいたします。
 国民の健康の確保はもとより、保健分野は国の発展や安全保障にかかわる分野であり、外交においても重要です。ことしはG7議長国であったことから、昨年末から、UHC会議、アジアAMR東京閣僚会議、G7伊勢志摩サミット、TICAD6、G7神戸保健大臣会合、国連総会と、国際保健分野の議論を日本がリードしてきました。
 引き続き、公衆衛生危機への備えと対応、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、超高齢社会への対応、薬剤耐性菌対策等のグローバルな課題に対応していきます。
 がん対策については、がんに終止符を打つため、日米韓を初めとする国際連携を通じ、ゲノム情報等に基づく個人に最適化されたがん治療の実現、免疫療法やゲノム医療、人工知能の活用を含むがん研究へのさらなる支援、予防、検診の推進、データの標準化と共有化等に取り組みます。
 今般の化血研における事案を契機として明らかになった、ワクチンと血液製剤の安定的な供給に関する課題に対処するため、これらの産業のあり方や、法令遵守を徹底するための企業ガバナンスの強化等を検討します。
 食品の安全性については、輸入監視体制の強化等、その確保に取り組みます。また、生活衛生関係営業の振興、いわゆる民泊サービスに係る規制改革、老朽化した水道施設の計画的更新や耐震化等を推進します。
 安全、安心に妊娠、出産、子育てができるよう、総合的子育て支援を推進します。待機児童の解消に向け、質の確保を図りつつ保育の受け皿をさらに整備します。保育人材を確保するため、保育士等の離職防止や再就職支援に取り組み、技能や経験に応じた給料アップの仕組みをつくるなど保育人材の処遇改善を進めます。妊娠期から子育て期を切れ目なく支援する子育て世代包括支援センターを全国展開し、不妊治療への支援なども進めます。また、改正育児・介護休業法の施行等により、仕事と家庭の両立支援に取り組みます。
 児童福祉法については、子供の権利を初めて法律上明確に位置づけるなど、制定以来の抜本的な改正をさきの国会で行いました。全ての子供には、適切な養育を受け、健全に育つ権利があり、その自立が保障されるよう、改正法の着実な施行に取り組みます。平成二十三年の「社会的養護の課題と将来像」を全面的に見直し、その結果を踏まえ、都道府県計画の見直しを進めます。
 児童虐待防止対策については、今年度から厚生労働省が総合調整を担うこととなったことから、関係省庁と連携して、発生予防から自立支援までの一連の対策に取り組むとともに、司法関与のあり方など、早急に検討すべき課題についても精力的に検討します。
 一人親家庭を支援し、子供の貧困に対応するため、児童扶養手当による経済的支援に加え、子供の生活習慣の習得や学習の支援等に総合的に取り組みます。
 介護については、介護を必要とする高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築に引き続き取り組みます。
 さらに、高齢者に限らず、障害者、子供、生活困窮者、難病のある方などを含めた丸ごとの支援に深化させるとともに、住民が我が事のこととして地域づくりに参画する仕組みを構築し、国民一人一人の暮らしと生きがいをともにつくり、高め合う地域共生社会の実現を目指します。来年の介護保険制度の改正を皮切りに改革を進め、生活困窮者支援制度についても、このような観点に立って、より包括的な相談支援や就労支援等となるよう、見直しを検討します。
 介護人材の確保に向けて、技能、経験に応じた処遇の改善に取り組むとともに、一旦仕事を離れた人が再就職する場合の再就職準備金貸付制度を拡充します。
 障害者の皆さんがみずからの望む地域生活を営むことができるよう、生活や就労に対する支援を充実させるほか、グループホームの整備などに取り組みます。相模原市の障害者支援施設で起こった殺傷事件に関しては、実効ある再発防止策を早急に検討します。
 今年度から厚生労働省が総合調整を担うことになった自殺対策については、自殺総合対策大綱の見直しを検討します。
 生活保護については、必要とする人には確実に保護を実施するという基本的な考えのもと、受給者の自立に向けた就労支援や医療扶助の適正化に取り組みます。
 外国人技能実習制度については、実習の適正な実施や実習生の保護を図るための法案が衆議院において継続審議となっていますが、関係省庁と共同して管理監督体制の抜本的な強化に取り組みます。
 援護施策については、本年三月に成立した戦没者遺骨収集推進法に基づき、戦没者の遺骨収集事業の促進を図るとともに、慰霊事業に着実に取り組みます。また、戦傷病者や戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策を、引き続き、きめ細かく実施いたします。
 東日本大震災の発生から五年半がたちましたが、避難生活が長期化している被災者の方々も多くいらっしゃいます。引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識のもと、被災者の心に寄り添い、復興に向けた取り組みを進めます。
 全国各地での災害対応についても、復旧復興の加速に向けて全力を尽くします。
 以上、厚生労働行政の当面の主な課題と対応について説明をさせていただきました。
 委員長、理事を初め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 塩崎恭久

speaker_id: 34685

日付: 2016-10-19

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会