長妻昭の発言 (厚生労働委員会)
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○長妻委員 長妻でございます。
質疑を聞いておりますと、塩崎大臣は行政府でありまして、この委員会に閣法としてこの法律を審議いただきたいということで出されている当事者なわけでありますので、どんな嫌な質問にもできるだけちゃんと質問の趣旨に沿った答弁をしていただかないと、これはまだ、GPIFから適用拡大から、いっぱい項目があるわけで、もう本当にセット販売で出てきているわけですから、ぜひそれをお願いいたします。
私どもが本当に申し上げたいのは、やはり、どんどんどんどんカットしていくと本当に年金としての役割が果たせなくなってしまうんじゃないのか、大丈夫なのか、これが根源的な問題の一つなんですね。
私自身も体感していますのは、御高齢の方からいろいろな御相談を受けるときに、とみに最近、今若い人、子供、給付型奨学金とか、いろいろ言われている、それももちろん必要なんだけれども、何か長生きするとお荷物になる、そんなような風潮が今感じられて、私なんかもう早く死んだ方がいいのかしら、こういうようなことをおっしゃる高齢者が非常にふえているというふうに実感しております。
何人かの方にお話を聞くと、私は、消極的自殺という言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、そんな感じを持つのは、やはり、お金がないので病院に行かずに、多分かなり重い病気なんだけれども、行かないで、死ぬのなら死んでいい、そんなようなひとり暮らしの高齢者が相当おられる、私も何人か相談を受けましたけれども、そういう実感を持っております。
今、御存じのように、先ほど柚木議員も紹介しましたけれども、「下流老人」という本、あるいはNHKスペシャルの本、「老後破産」、「老後親子破産」、「脱・貧困老後」、こういう本がもうベストセラーに次々になっている。
そして、その書籍には、一日に一度しか食事できない、生活の苦しさから万引き、医療費が払えないために病院に行けない。つまり、生活保護を受けていない、かつ、相当困窮されている方がふえている。あるいは、七十四歳の男性の例も出ていますけれども、月約九万円の年金から四万五千円のアパートの家賃と水光熱費を払うと、一回の食事にかけられる費用は二百円から三百円、三カ月前に前立腺がんとわかったのですが、治療する金がない、そもそも入院するには保証人が必要で、身寄りがないため無理。この保証人が必要というのは、相当高いハードルにもなっているわけであります。
そして、「下流老人」の著者、藤田さんは、独自の試算で、生活保護基準相当で暮らす高齢者及びそのおそれのある高齢者は推定六百万人から七百万人おられるのではないか、こんなような推定も出されているところでありまして、持ち家がない方がどんどん今ふえているんですけれども、もう、賃貸で、今の年金水準で、よほどもらっている方以外は、大変苦しいという現状があります。
将来世代、将来世代のためという議論を政府はよくおっしゃいますけれども、現在の世代が本当にバラ色の年金をもらっているのであればそういう議論もあるかもしれませんが、もう今の年金でも大変不十分な中、将来世代、将来世代。しかも、その将来世代というふうにおっしゃっている将来世代の年金も、本当に確かなものなのか。将来世代と言っているのは、若い人たちは自分のことだと思いきや、もっと先の将来世代。将来世代、将来世代と言って、逃げ水のようにずっと先の将来世代になる。こんなような、将来世代をも巻き込んだ、年金の非常に大きな問題がここでやはり議論されてしかるべきだというふうに思うわけであります。
まず、基礎年金の水準の考え方について、これは前回も大西議員が資料を配付したと思いますけれども、配付資料の一枚目に、かつて基礎年金ができたときの吉原年金局長の答弁があるんですね。当時は五万円ということでありましたけれども、この答弁は、何で五万円なんだという質問に対して、「基礎年金でもって老後生活の基礎的な部分というものを保障できるような水準にしよう」と。保障する、これが基本的な考え方なのであります。
当時は、下の図を見ていただきますと、「六十五歳以上の単身・無職世帯の衣食住に係る支出と基礎年金額」ということなんですが、昭和五十四年、平均支出、月額四万六百八十五円。ただ、この吉原局長は、物価にスライドさせてこの金額を、直近が五十四年の調査でありましたので、この答弁は五十九年でありますから、この五年間に物価が上がったので、それをこの後段の答弁で「衣食住を中心にした基礎的な消費額というのが四万七千六百円という数字が現実に出ているわけでございます。」と。この四万七千六百円というのは、四万六百八十五円を物価で割り戻して四万七千六百円。そして、基礎年金額、決めた五万円、この五万円の範疇におさまっている、こういう考え方で、当時、基礎年金というのは定義された。
一番直近の、同じ平仄を合わせるデータでいうと、一番近いものでは、今や単身でいうと七万四千四百六十四円になっている。そして、基礎年金の満額が六万四千四百円。これは一万円も差がある。賄い切れない。そして、しかもこれは満額なんですね。これだけ未納がふえると当時予想していたかどうかということもあるんですが、全体でいうと、平均額が五万四千四百九十七円なんですね、月額、基礎年金。これは二階建て部分の一階の基礎年金も入れた平均でありますが、では、基礎のみ、国民年金のみの平均でいうと五万四十円。これは、到底、生活を保障する、そういう年金とはほど遠くなっている。
これはもう、年金の抜本改革を今する時期に来ているんじゃないでしょうか。いかがですか。