吉野正芳の発言 (東日本大震災復興特別委員会)

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○吉野委員長 これより会議を開きます。
 東日本大震災復興の総合的対策に関する件について調査を進めます。
 去る十一月二十一日、東日本大震災の復旧・復興状況等調査のため、福島県に視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。
 当日の参加委員は、理事島田佳和君、谷公一君、橋本英教君、藤原崇君、金子恵美さん、郡和子さん、高木美智代さん、委員菅家一郎君、高橋千鶴子さん、木下智彦君、そして、私、吉野正芳の十一名であります。
 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。
 まず、復興庁福島復興局より福島の状況と復興の加速に向けた取り組みについて説明を聴取しました。
 福島の避難者数は約八万四千人と震災直後の約半数となり、県内における避難者は減少してきているものの、県外への避難者は帰還しない傾向にあるとのことであります。
 政府が目標とする来年三月の帰還困難区域を除く避難指示区域の解除に当たっては、県、市町村、住民との十分な協議が要件の一つとなっており、除染を初め放射性物質の除去等に取り組んでいるとの説明がありました。
 その後、富岡町において、夜ノ森地区及び廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟の建設予定地等を視察し、宮本町長より説明を聴取しました。富岡町では、町が目標とする平成二十九年四月の避難指示解除に向け、災害公営住宅等の整備が進められておりました。桜の名所として知られる夜ノ森地区では、帰還住民の安心確保のため、居住制限区域に隣接する帰還困難区域の一部で先行除染が開始されておりました。
 次に、楢葉町にて、松本町長より復興の現状と課題について説明を聴取しました。昨年九月に避難指示が解除された楢葉町は、平成二十九年春を帰町目標と定め、来年度より町内で学校を再開する等、町民受け入れの最終段階に来ているとのことであります。一方で、里山の除染や定住人口の回復が今後の課題であるとの説明がありました。
 意見交換の場では、児童生徒の帰還に向けた魅力ある学校づくりについて、参加委員から、教育特区制度の利用や小中連携の教育、さらには認定こども園との連携といったアイデアが出されました。
 次に、浪江町で、馬場町長の案内により本年十月に開業した仮設商店街まち・なみ・まるしぇを視察しました。同施設は町民の生活利便性向上と地域コミュニティーの維持を目的としたもので、準備宿泊で一時帰宅している町民の方々に喜ばれているそうであります。
 次に、双葉町の帰還困難区域に入り、JR双葉駅において、伊沢町長より駅周辺の生活拠点整備に関する基本構想を聴取しました。町長より、町内の九六%が帰還困難区域に指定されている双葉町にとって復興期間内における復興の達成は難しく長期的支援が必要であること、政府は復興拠点を設定、整備する方針を打ち出したが帰還困難区域全体の取り組みを早急に示してもらいたいこと等の要望がありました。
 次に、大熊町に入り、除染土壌等の保管場、ストックヤード及び中間貯蔵施設建設予定地を視察し、環境省福島環境再生事務所より説明を聴取しました。中間貯蔵施設は十一月十五日から本格的な施設整備に着手したということですが、用地取得率は全体の約一割とのことであります。その後、居住制限区域にある大川原地区を視察しました。同地区では、平成二十七年の福島復興再生特別措置法の改正により創設された一団地の復興再生拠点整備制度の活用により三十九ヘクタールの復興拠点の整備を進め、農地転用の手続が行われているところであります。一方で、大熊町議会の鈴木議長より、復興拠点外の地区の農地についても転用を進めたいため、復興特区制度等の柔軟な運用を検討してほしい旨の要望がございました。
 次に、広野町において、JR常磐線広野駅東側開発整備事業の進捗状況を視察し、遠藤町長より説明を聴取しました。町は、福島再生加速化交付金を活用した広野みらいオフィスの建設など、駅東側を核とした新しいまちづくりを目指しているとのことであります。
 その後、昨年四月に広野町に開校した福島県立ふたば未来学園高等学校を視察し、丹野校長より説明を聴取しました。同校は、原発事故による転校やいじめといった心の痛手を受けた生徒が少なくないため、生徒の心のケアが教職員にとって重要な役割の一つであること、各界の有志による教育復興応援団が授業に協力していること、生徒みずからが課題の解決に向けた研究や実践学習を行うことにより福島の復興に寄与するグローバルリーダーの育成を目指していることなどの説明がございました。
 以上が調査の概要であります。
 今般視察を行った双葉郡の各町からは一様に、原子力災害という困難な状況に置かれた地域にとって復興・創生期間後も政府の支援が不可欠である、また、部分的な復興拠点の整備だけでは復興は成り立たず、復興拠点外地区も含めた全域の再生が町民の強い要望であるとの声が聞かれました。
 震災から五年八カ月余りを経て、福島では避難の長期化による震災関連死の増加といった課題も生じており、また、視察の翌日には福島県沖を震源とする地震とそれによる津波が発生し、被災地では今なお不安な日々が続いております。福島の復興再生への取り組みは、被災地の声に真摯に耳を傾け、継続的な支援を行うことが重要であると強く再認識いたしました。
 最後になりましたが、今回の調査に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。
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発言情報

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発言者: 吉野正芳

speaker_id: 661

日付: 2016-12-08

院: 衆議院

会議名: 東日本大震災復興特別委員会