藤野保史の発言 (法務委員会)
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○藤野委員 いや、ちょっと、聞いているとトートロジーといいますか、私は具体例を含めて聞いているわけですが、実情に応じてということを実情に応じてと言われたにすぎない。これは解釈次第でどうにでもなるということだと思うんですね、法文上何の制限もありませんから。
一項の場合は、国は、「必要な情報の提供、指導及び助言」と、まず施策、「部落差別の解消に関する施策を講ずるとともに、」ということで、「ともに、」という後でいろいろ書いているんですが、二項の場合は、地方公共団体は、「その地域の実情に応じた施策を講ずる」、これだけですから、非常に、何の制限もない、ある意味、国以上に多様な施策を可能とする、そういう条文で、それを今そういう言葉でおっしゃったのかなと思いました。
深刻なのは、だからこそですけれども、だからこそ、今各地で、せっかくなくした、せっかくなくなった同和事業の復活になるんじゃないか、こういう懸念の声が広がっているんですね。
配付資料の一を見ていただければと思うんですが、私は北陸信越ブロックから選んでいただいておりまして、その一つ、長野県御代田町の茂木祐司町長のインタビューであります。
これによりますと、私は直接お話も聞いたんですけれども、一応活字ということで資料としては紹介しておりますが、御代田町は、茂木町長が就任する前には、部落解放同盟の一部幹部によって町と職員に対して異常な圧力やおどしというのが日常的に行われておりました。退職する方が出るとか、長期療養が四人出るとか、しかも、その中で、人権同和対策課長が自殺に追い込まれるという大変痛ましい事件まで起きたわけであります。この町の職員は、人事異動の季節になると、同和対策部署になるんじゃないかと戦々恐々としていたというふうに伺いました。これは遠い過去の話ではなくて、二〇〇〇年代初頭、つい最近までそういう状況だったという話であります。
それが、二〇〇七年二月に茂木町長が就任し、その年の六月議会で同和事業の完全な廃止を宣言する。住民からは、同和事業がなくなってほっとしたと圧倒的に歓迎される。約四千万円あった同和予算は医療、福祉に回すことになり、そして、同和対策担当の職員も福祉の部署に回ることができた。
何より私がなるほどと思いましたのは、同和の地域の方あるいはそういう関係者の方からも、町をおどしていた一部の解同幹部と同じように見られてきたことがつらかったんだという声が茂木町長に寄せられたということであります。
ところが、本案ができればどうなるのか、「その地域の実情に応じた施策」という名のもとに、せっかくなくした同和事業が復活するのではないか。これはもう当然の懸念であります。そして、民間団体などが自治体に新たな介入を行うきっかけ、足がかり、口実、これがその法案によってできてしまうのではないかと強い懸念が表明されております。
ここで、逢坂提案者にお聞きしたいんですが、同じく自治体の首長の経験をお持ちの逢坂委員として、どのようにお感じでしょうか。