麻生太郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(麻生太郎君) 木内先生から六問頂戴をいたしております。
 消費税率引き上げ延期の判断についてのお尋ねがありました。
 現下の日本経済は、雇用・所得環境が大きく改善するなど、確実に経済再生に向けた成果があらわれております。
 他方、個人消費は力強さを欠く状況にあるほか、世界経済は、新興国経済の陰りなど、需要の低迷、成長の減速リスクが懸念されておりますのは御存じのとおりです。
 今般の消費税率引き上げ延期は、こうした状況を十分に踏まえ、経済再生、デフレ不況からの脱却に向けた取り組みに万全を期すため、構造改革の加速など、総合的かつ大胆な経済対策を講じることとあわせて判断をしたものであります。
 したがって、現実を直視しないとの御指摘は当たらないと考えております。
 白紙領収書に関する税務上の処理についてのお尋ねがありました。
 領収書の要件につきましては、法人税法及び所得税法上、特段の定めはありませんが、適正な申告を確保する観点から、領収書を含めた帳簿の保存義務が設けられております。
 仮に、御質問のような、白紙に金額を書き込んだ領収書があり、その内容に疑義が生じた場合は、他の帳簿書類を含め、帳簿書類全体として、金銭の支払いといった事実関係の適正性が総合的に判断されるものと承知をいたしております。
 なお、御指摘の高市総務大臣の答弁につきましては、政府としても、本日、一定の前提のもとに述べたものであり、誤りであり訂正すべきものとは考えていない旨、答弁書を決定いたしております。
 消費税率引き上げの景気判断条項についてのお尋ねもあっております。
 消費税率の一〇%への引き上げは、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために極めて必要なものであり、二〇一九年十月には引き上げを実施いたします。
 政府としては、二〇二〇年度にプライマリーバランス黒字化を実現するという財政健全化目標も堅持いたします。
 その実現に向け、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、民需主導の経済の好循環を確実なものとすることを通じて、二〇一九年十月の消費税率の一〇%への引き上げが可能な環境を確実に整えるべく、経済財政運営に万全を期してまいります。
 このため、今般の法律には、御指摘の景気判断条項は盛り込んでおりません。
 簡素な給付措置や所得、資産の把握についてのお尋ねがありました。
 御指摘のように、簡素な給付措置は、給付つき税額控除と同様に、消費者にとりまして、買い物の都度、消費税負担に係る痛税感の緩和を実感できるものではありませんが、税制抜本改革法に基づき、消費税率引き上げによる影響を緩和するための暫定的及び臨時的な措置として実施しているものであります。
 また、所得把握の問題につきましては、マイナンバー制度の導入によって、導入以前よりも正確な所得把握が可能となっておりますが、他方で、例えば、導入から間もないことに加えまして、課税最低限以下の所得の方々についても、そもそも申告義務がないことから、その所得を把握できないなどの点も考慮する必要があると考えております。
 なお、御指摘の、給付つき税額控除と同様の所得減税を含む税制一般において、資産の多寡を要件の一つとするか否かについては、当該制度の趣旨、目的や仕組み次第であろうと考えております。
 福島第一原子力発電所事故に係る交付国債などについてのお尋ねがありました。
 福島第一原子力発電所事故の賠償、除染、中間貯蔵施設費用につきましては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に九兆円の交付国債を交付することにより、東京電力の資金繰りを支援いたしております。
 現時点での東京電力における賠償や除染等の費用の支払い総額は、約六兆三千億円となっております。また、現金化されていない交付公債の残高は二兆七千億円となっております。
 したがって、賠償等の費用は増加してきてはおりますが、直ちに支障が生じるわけではなく、今後、必要に応じ、賠償等の費用の見きわめを行うこととなろうと存じます。
 なお、交付公債の償還費用の回収については、期限が設けられているものではありませんが、原子力事業者の負担金を主な原資として着実に回収されることとなっております。
 最後に、行政改革等についてのお尋ねがありました。
 まず、行政事業レビューにつきましては、法定化はしていないものの、行政改革推進本部のもと、外部有識者によるチェック対象の重点化や、新たに基金シートを毎年公表するといった見直しが行われており、財務省としても、予算編成にしっかりと反映してまいりたいと考えております。
 次に、特別会計改革について御指摘がありましたが、外国為替資金特別会計につきましては、その保有する外貨資産を財源として活用することは、外貨から円貨への転換が必要となります。ドル売り・円買いということですが、ドル売り・円買い介入として金融為替市場に不測の影響を及ぼすおそれがあり、適切ではないと考えております。
 国債整理基金特別会計につきましては、その剰余金を財源として活用することは、余剰金の大宗が国債入札の偶発的な未達に備えているものであることから、適切ではないと考えております。
 労働保険特別会計については、その積立金を財源として活用することは、積立金の原資が労働者や雇用者が負担する保険料でありますことから、保険給付以外の財源として活用することは適切ではないと考えております。
 最後に、政府保有株式の売却につきましては、御指摘のNTT株式につきましては、電話サービスを全国あまねく適切に提供する、ユニバーサルサービスですが、責務を有する等の公共的役割を踏まえ、政府保有を維持する必要があろうと考えております。
 JT株式の政府保有は、国産葉たばこの全量買い取りを実質的に担保するなどの意義を有するものであり、その売却につきましては、現時点では慎重な検討が必要であろうと考えております。(拍手)
    〔国務大臣高市早苗君登壇〕

発言情報

speech_id: 119205254X00520161018_016

発言者: 麻生太郎

speaker_id: 17218

日付: 2016-10-18

院: 衆議院

会議名: 本会議