麻生太郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(麻生太郎君) 宮本先生から十問いただいております。
 消費税率引き上げについてのお尋ねがありました。
 安倍内閣において、平成二十六年四月に消費税率を八%に引き上げましたが、三本の矢等の政策により、有効求人倍率は二十四年ぶりの高水準となり、また、三年連続して賃上げが行われるなど、雇用・所得環境は大きく改善をしており、消費増税路線が破綻しているとの御指摘は当たらないと考えております。
 また、消費税率の一〇%への引き上げは、国民の安心を支えます社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために極めて必要な問題であり、断念することはあり得ません。
 政府としては、経済財政運営に万全を期し、平成三十一年十月の確実な引き上げに向けて力を尽くしてまいりたいと考えております。
 大企業の法人税負担率についてのお尋ねがありました。
 安倍政権のもとで、平成二十七年度、二十八年度税制改正において取り組んだ法人税改革は、課税ベースの拡大により、財源をしっかりと確保しつつ税率を引き下げたものでありますが、課税ベースの拡大に当たりましては、外形標準課税について中小企業を引き続き対象外とするなど、中小企業には十分な配慮を行っておると考えております。
 なお、御指摘の受取配当金の益金不算入制度は、子会社の段階との法人税の二重課税を避けるため、諸外国においては一般的に導入されている制度であります。こうした制度の影響を捉えて、大企業の法人税の負担割合を低いと単純に結論づけることは、妥当ではないと考えております。
 研究開発税制についてのお尋ねもありました。
 研究開発税制などの租特につきましては、特定の政策目的を実現するために有効な政策手段となり得る一方で、税負担のゆがみを生じさせる面があることから、政府税調の提言のとおり、真に必要なものに限定していくことが必要と考えております。
 研究開発税制につきましても、今年度末に期限が到来いたします増加型や高水準型のほか、総額型も含めた制度全般にわたり、研究開発投資に向けた有効なインセンティブとなっているかといった観点からもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
 次に、法人実効税率の引き下げについてのお尋ねがありました。
 企業の内部留保につきましては、三百七十兆円を超えるまで積み上がりました。現預金もふえておるのが現状であります。経済界がマインドを変え、投資拡大等に取り組んでいくことが何より重要な局面になってきていると考えております。
 平成二十七年度、二十八年度税制改正において取り組んだ法人税改革は、単なる税率の引き下げだけではなくて、法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、企業の収益力拡大に向けた前向きな投資等を促すためのものであります。したがって、これを見直すということを考えてはおりません。
 株式譲渡益や配当に対する課税についてのお尋ねがあっております。
 金融所得に係る分離課税の税率に関しましては、平成二十六年度から、一〇%の軽減税率を廃止し、二〇%の本則税率としたところです。これによりまして、高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向が見られ、所得再配分機能の回復に一定の効果があったのではないかと考えております。
 今後の税率の水準につきましては、こうした改正の効果も見きわめるとともに、景気情勢や市場の動向、税制や社会保障制度によります所得再分配の状況等々、税制全体のあり方の中での金融所得の課税の位置づけなどを勘案して検討する必要があるものと考えております。
 所得税の控除の見直しについてもお尋ねがありました。
 所得再分配機能の回復を図る観点から、近年の税制改正におきましては、ただいま申し上げた金融所得課税の見直しに加え、所得税の最高税率を四〇%から四五%に引き上げ、給与所得控除が頭打ちとなる収入を一千五百万円から一千万円まで引き下げるといった取り組みを行ってきたところであります。
 まずは、こうした見直しが与える影響を注視しつつ、政府税制調査会における議論を踏まえ、所得税の各種控除のあり方について検討を行ってまいりたいと考えております。
 いわゆるパナマ文書についてのお尋ねがありました。
 国税当局におきましては、一般論として申し上げれば、引き続き、租税条約等に基づく情報交換や国外送金等調書などの資料情報を積極的に活用するほか、今後は、金融口座情報の自動的交換により外国当局から得られる預金等の情報も活用し、より有効な資料情報の収集、分析を行うこととしていますが、御指摘のパナマ文書など個別資料の入手の有無については言及しないことといたしておりますことを御承知おき願いたいと存じます。
 いずれにしても、国税当局におきましては、あらゆる機会を通じて情報収集を行い、その上で、課税上問題のある取引が認められれば税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めているものと承知をいたしておるところであります。
 国際的租税回避への対応についてのお尋ねがありました。
 外国子会社合算制度、いわゆるタックスヘイブン対策税制につきましては、平成二十八年度与党税制改正大綱を踏まえ、租税回避の防止という本税制の趣旨、日本の産業競争力や経済への影響、適正な執行の確保などに留意しつつ、トリガー税率も含めまして、総合的な検討を行っているところであります。
 その際、外国子会社配当益金不算入制度によって、資産や事業を形式的に外国子会社へと移転し、得られた所得を配当として日本に戻すことで課税を逃れる行為が助長され得る点についても留意しつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。
 海外財産に対する相続税等の課税範囲につきましては、平成二十五年度改正において見直しを行ったところでありますが、引き続き、意図的な課税逃れが発生していないかといった課税の実態や諸外国の実例等も踏まえ、検討していきたいと考えております。
 税逃れへの対応と消費税、社会保障の取り扱いについてのお尋ねもあっております。
 政府としては、適正、公平な課税の実現に向けて、国際的な租税回避等をめぐる近年の動きを踏まえつつ、制度、執行の両面から不断に取り組んでいるところであります。
 消費税の一〇%への引き上げは、高齢化の進展を背景に社会保障費の伸びが引き続き見込まれる中、国民の安心を支えます社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために不可欠なものと考えております。
 また、持続可能な社会保障制度を構築する上では、社会保障分野の歳出改革も避けて通れない課題と考えます。負担の公平性の確保や公的保険給付の適正化など、社会保障の効率化や制度改革に不断に取り組むことが必要と考えており、こうした取り組みが間違っているとの御指摘は当たらないと考えております。
 最後に、企業献金と税制の関係についてのお尋ねがありました。
 安倍内閣の経済政策が、政治献金によって影響を受けているということはありません。
 このことは、税制についても同様であり、例えば、平成二十七年度、二十八年度税制改正において取り組んだ法人税改革は、大企業を優遇するためのものではなく、企業に対して、収益力拡大に向けた前向きな投資や、継続的、積極的な賃金引き上げが可能な体質への転換を促す観点から、法人税の構造改革を行ったものであります。(拍手)
    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

発言情報

speech_id: 119205254X00520161018_022

発言者: 麻生太郎

speaker_id: 17218

日付: 2016-10-18

院: 衆議院

会議名: 本会議