郡和子の発言 (本会議)
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○郡和子君 民進党の郡和子です。
私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました厚生労働大臣塩崎恭久君不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。(拍手)
まず、決議案を朗読いたします。
本院は、厚生労働大臣塩崎恭久君を信任せず。
右決議する。
〔拍手〕
以上であります。
塩崎厚生労働大臣には、年金や労働、医療、介護、子育てなど、国民生活に直結する行政を所管する厚生労働省の長として、さまざまな改革に真摯に取り組むことが期待されておりました。しかし、塩崎君は、国民の期待を裏切り続けてきました。これ以上、塩崎君に厚生労働大臣の重責を任せるわけにはいきません。
以下、不信任の具体的な理由を申し述べます。
不信任の理由の第一は、国民生活に大打撃を与える可能性が高い年金カット法案を提出し、衆議院厚生労働委員会で可決させたことです。
年金カット法案には、物価が上がっても、賃金が下がれば、下がった賃金に合わせて年金を下げる年金カットの新ルールが盛り込まれています。新ルールが発動されるたびに、年金水準は物価からどんどん乖離し、高齢者の暮らしを直撃いたします。
影響を受けるのは高齢者だけではありません。新ルールは障害年金にも適用されるため、障害を持つ人々の生活にも多大な影響を与えます。
安倍総理が掲げる一億総活躍とは、年金はカット、だから高齢者も障害者も死ぬまで働けと言わんばかりに、冷たく突き放す意味があったのですね。
マクロ経済スライドで、将来世代の基礎年金の所得代替率は三割削減されます。今でも基礎年金だけで生活していくのは困難であり、三割削減されれば生活が立ち行かなくなることは、火を見るよりも明らかなことです。
最低保障機能を強化し、将来世代が生活できる年金を受け取れるようにするには、年金制度の抜本改革が必要不可欠です。しかし、塩崎大臣は年金制度の改革を避け続け、年金カット法案にも盛り込まれませんでした。年金カット法案が成立してしまえば、制度改革は放置され続けてしまいます。
塩崎大臣は、前代未聞の、強行開会の委員会で趣旨説明を行うという、入り口から真摯に議論を求める姿勢はありませんでした。
審議の前提となるまともな試算を最後まで出さなかったことも大問題であります。
同僚議員が、新ルールを過去十年間の物価と賃金の変動に当てはめると年金の水準が五・二%下がるとの試算を示しました。民進党が厚労省に対して試算を出すよう再三にわたって要求し、ようやく出てきた試算は極めてうさん臭いものでありました。
また、厚労省の試算では、新ルールで将来の年金水準は七%も上がるとしていますが、今後、賃金が上がり続け、年金カットの新ルールが永遠に発動しないという非現実的な財政検証のケースEを前提としています。国民に対して誤ったイメージを植えつけた塩崎大臣のやったことは、決して許されることではありません。
どういう前提を置くかによって数字は変わる、数字を具体的に申し上げるようなことはできないと塩崎厚生労働大臣は逃げの答弁を繰り返しましたが、厚労省が示した数字がいいかげんなものであるとの証左であります。
厚労省に対して、新ルールが発動される幾つかの経済シナリオに当てはめた場合の試算を出すよう繰り返し繰り返し要求いたしましたが、厚労省はかたくなにこれを拒み続けたのも、塩崎大臣が試算を出すことを認めなかったためでありましょう。
公的年金制度の最低保障機能の空洞化を顧みず、単に制度を残すために年金給付の抑制ばかりに固執すれば、かえって生活保護をふやして、若年層の年金制度への信頼を弱めることにつながりかねません。
年金収入が減るだけでなく、介護費や医療費の負担増加で支出がふえ続け、最低限の生活ができない下流老人の実態も見ず、国会でまともな審議を封じた塩崎君の国会軽視の姿勢は極めて問題であります。
不信任の理由の第二は、年金積立金の巨額の運用損を隠蔽したことであります。
二〇一四年十月、塩崎君は、年金積立金を運用する基本ポートフォリオを見直し、株式の比率を倍増させて五〇%に引き上げることを認可しました。
年金積立金は、専ら被保険者の利益のために、安全かつ効率的に運用すべきものです。アベノミクスへの評価を維持するために、年金積立金を株価対策に利用してリスクを高めることは、被保険者や年金生活者に対する背信行為であります。
その結果、塩崎大臣は多額の運用損を出しました。ことし七月二十九日に発表された二〇一五年度の運用損は五兆三千九十八億円。民進党が速やかに公表するよう求めたにもかかわらず、塩崎大臣は参議院選挙への悪影響を懸念して参議院選挙後に公表を先送りし、選挙のために隠蔽までした塩崎君に大臣の資格はありません。
不信任の理由の第三は、過重な長時間労働を促進しようとしていることです。
過労死が社会問題となり、長時間労働の是非が喫緊の課題になっています。二〇一四年には、旧民主党が主導して、全会一致で過労死等防止対策推進法を成立させることができました。
塩崎大臣は、この立法意思を踏みにじり、残業代支払いなどを適用除外にできる制度の創設や長時間労働の温床となっている裁量労働制の拡大を盛り込んだ残業代ゼロ法案で、過重な長時間労働を促進しようとしています。この法案は、残業代なしに長時間労働を強いるブラック企業をふやし、合法化する危険性すらあり、過労死推進法と言っても過言ではありません。
以上、申し述べたことが、本院が厚生労働大臣塩崎恭久君を信任せずとの理由であり、ここに塩崎恭久君不信任決議案を提出するものであります。
議員諸氏がその良心に従い、本決議案に御賛同いただくことを訴えて、趣旨説明といたします。
ありがとうございました。(拍手)
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