太田和美の発言 (本会議)

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太田和美君 民進党の太田和美です。
 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました十四日間の会期延長につき、反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 十月十七日のTPP特別委員会において安倍総理は、我が党においては、結党以来、強行採決をしようと考えたことはないと答弁されました。
 しかし、現実には、今国会だけでも二度、TPP特別委員会と厚生労働委員会で強行採決が行われているのは明白な事実です。何よりも、自民党の竹下国対委員長がそれを明言したではありませんか。
 国会審議を軽視する政府・与党幹部の数々の暴言、職権濫用の強引な国会運営は、まさに数のおごりにほかなりません。
 政府・与党はみずからの姿勢を猛省し、今国会の延長を諦め、TPP関連法案と年金カット法案を廃案とすべきです。
 以下、具体的に反対理由を申し述べます。
 反対の理由の第一は、TPPはもはや成立させる理由が消滅したからであります。
 TPP協定については、米を初めとする重要五品目の全ての面で国益が守られなかったことが明らかになっています。その後、民間の調査により、売買同時入札、SBS方式で輸入されている輸入米が国産米よりも二割程度安く販売されている事実も明らかになりました。
 しかし、政府は、ずさんきわまりない調査を行うのみで、輸入米の価格は国産米と同水準で、国産米の価格への影響は認められないという答弁を繰り返すばかりでした。
 その上、協定訳文に十八カ所もの誤訳が判明し、食の安全の問題やISDSなど都合の悪い事実も次々と明らかになりました。こうしたことを覆い隠すかのように与党は強行採決という暴挙に踏み切ったのであります。
 しかし、TPP離脱を表明するトランプ氏がアメリカ大統領選挙に勝利し、協定発効が絶望的となった現在、会期延長をしてまで審議を続ける意味は全くありません。
 反対の第二の理由は、年金生活者の生活をさらに苦しくするだけでなく、将来世代の年金確保策としても不十分な年金カット法案を廃案にすべきだからです。
 新たな年金額改定ルールによると、物価が上がっても、賃金が下がった場合は年金が下がってしまいます。これでは日常生活に最低限必要な消費さえ年金で賄うことは困難となり、生活保護に頼らざるを得ない高齢者がさらに増加することは火を見るより明らかです。
 さらに、マクロ経済スライドによって、二〇四三年までに基礎年金は今より三割減ることになるため、政府・与党が主張する将来の年金確保も夢物語です。
 その上、法案は、ほかにもGPIF改革など重要な問題を含む五本の法律案を束ねたものでありながら、わずか十九時間の質疑で打ち切りました。過去の国民年金法改正がいずれも三十時間程度審議されているのに比べれば圧倒的に短く、審議が長引くことで法案の問題点が広く国民に知れ渡ることを恐れているのは明らかです。
 政府は、医療や介護の負担増ももくろんでいますが、今こそ年金財政の厳しさをはっきりと認め、医療や介護も含めた社会保障全体の抜本的な改革に取り組むべきです。
 反対の理由の第三は、数におごる政府・与党の国会軽視の姿勢が目に余るものであるからであります。
 今国会では、わずか二カ月の間に、政府・与党幹部による暴言が相次ぎました。
 開会直後、当時TPP特別委員会の理事であった自民党の福井照衆議院議員が、TPPを強行採決という形で実現すると発言し、理事を辞任いたしました。
 TPP審議の主要閣僚である山本有二農水大臣も強行採決に言及、委員会で謝罪しましたが、舌の根も乾かないうちに、冗談を言ったら首になりそうになったと述べ、与党内からも厳しく批判されました。
 あげくの果てには、萩生田官房副長官までも、国会審議を田舎のプロレス、茶番だと発言し、謝罪に追い込まれました。
 きわめつけは、安倍総理の、何時間やっても同じという発言です。言論の府である国会でここまで審議を軽んじる発言が続くのを許すことはできません。
 また、TPP特別委員会や厚生労働委員会では、委員長職権濫用による強権的な委員会運営が何度も繰り返されるなど、与党の横暴な国会運営も目に余るものがあります。
 政府・与党幹部の数々の暴言、強行採決や強権的な委員会運営がこのように何度も行われるのは、数の力におごる政府・与党の慢心があるからにほかなりません。
 政府・与党に猛省を促し、TPP関連法案と年金カット法案も廃案にすべきことを申し上げ、会期延長に対する私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 119205254X01520161129_037

発言者: 太田和美

speaker_id: 23597

日付: 2016-11-29

院: 衆議院

会議名: 本会議