茂木敏充の発言 (予算委員会)

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○茂木委員 デフレからの脱却速度を上げていく、そして、民需主導の持続的な経済成長、一億総活躍の着実な実現、つまり、今回の補正予算は、アベノミクスの一層の加速、それが基本的な目的なんだと考えております。
 そこで、アベノミクスのこれまでの成果と残された課題について簡単に整理をしてみたいと思います。
 この三年半で、アベノミクスの推進によりまして、デフレは確実に解消に向かい、日本経済にはさまざまな改善が見られるところであります。経済がよくなっているかどうか、さまざまな議論はもちろんあるところでありますが、これを端的にあらわす指標は二つだと思っております。一つは、やはり経済が全体的に拡大して企業の収益が上がっている。そしてもう一つは、仕事がふえて雇用情勢がよくなっているということだと思っております。この二つのポイント。
 まず、マクロの経済、企業レベルでいいますと、日本の名目GDPは、三年半で三十三兆円増加して、五百兆円台を回復いたしております。さらに、図一、お手元にお配りしてございますが、この図の一のように、企業収益も大幅に改善をして、二〇一五年度は六十八・二兆円、過去最高を更新いたしました。
 次のパネルもごらんください。
 雇用情勢についても、図二のように、有効求人倍率は一・三七、過去二十五年で最も高い水準であります。さらに、史上初めて四十七都道府県全てで有効求人倍率が一・〇倍を超えております。
 ただし、分野別に見ますと、企業の投資活動、そして個人消費、イノベーションなど、十分な進展が見られない部分、改善の余地が大きい部分もあると考えております。
 そこで、今後の重点課題を企業のレベル、雇用、個人のレベルに分けて、もう一度確認をしてみたいと思います。
 図三をごらんください。今後の重点課題を整理いたしております。
 まず、企業のレベルでは、大企業と中小企業で収益や生産性に依然として違いがあり、中小企業の生産性は十分改善していないという問題であります。この生産性の改善に向けてはIT投資が重要な鍵を握るわけでありますが、日本のIT投資は残念ながらまだ伸び悩んでおります。
 そして、せっかく改善している企業の収益、内部留保も、国内向けの投資よりは海外子会社向けの投資などに回っておりまして、今のところ、経済の好循環を回すエンジンにはなっておりません。
 さらに、エネルギー、農業、医療、介護など、今後成長がされる分野でも、確かにさまざまな制度改革、私も経済産業大臣時代、電力システム改革、こういった問題にも取り組んでまいりました、制度改革は進んでおりますが、民間実態の動きはまだ不十分で、構造改革も道半ば、このように言えると考えております。
 一方、個人、雇用のレベルでいいますと、個人消費がまだ残念ながら力強さに欠けている状況であります。
 そして、個人所得の面では、消費性向が高い低所得層、例えば非正規であったり若年層、そして共働きの世帯など、この層の所得が伸び悩んでおりまして、これが、消費性向が高いわけですから、個人消費が改善しない大きな原因の一つとなっております。
 さらに、人材の成長も、人材がなかなか成長分野に移動が進まない。全体の雇用情勢は間違いなく改善をいたしておりますが、雇用のミスマッチは依然として続いております。労働生産性も伸び悩みが見られるわけであります。
 さらに、日本は人口減少社会という構造問題に直面をしております。ここに来て確かに、それは四年前と比べた場合に、高齢者そして女性の雇用は圧倒的に、政府の働きかけもあり、進んでおりますが、より柔軟で多様な働き方への環境整備はまだ不十分だと考えております。
 これらの問題は、いわば、日本のこれまでの産業構造そして労働形態を転換する、経済構造改革と働き方改革にかかわる問題であります。その意味で、経済構造改革と働き方改革、これはアベノミクスの目標達成への車の両輪である、このようにも言えると思っております。
 もちろん、政府の側でもこの二つのテーマは検討を進めていただいているわけでありますが、今回、自民党におきましても特命委員会、経済再生そしてまたこの働き方改革について設置をいたしまして、私が委員長となってこれから検討を深めていきたい、政府に対してもこれから具体的な提言をさせていただきたい、こんなふうに思っているところであります。
 そこで、二つの大きなテーマの一つ、経済構造改革について議論を進めたいと思います。
 図の四をごらんください。
 先ほども指摘したように、大企業と中小企業では生産性に大きな開きがありまして、この三年で見ても、中小企業の生産性、確かに改善はしておりますけれども、その伸びは十分とは言えません。
 今こそ、アベノミクス推進のエンジンを大企業から全国各地の中核企業、中小企業に拡大していくべきと考えております。テレビのドラマの「下町ロケット」でいいますと、帝国重工だけではなくて、下町の中小企業、佃製作所にもロケットの基幹部品をつくってもらう、こういったことが必要なんだと考えております。
 そして、その一番大きな鍵を握るのがITシステム投資であります。図の五に示しましたように、IT投資によって中小企業の業績は間違いなく大きく改善をするわけであります。
 では、政府として、今後、この中核企業、中小企業の生産性向上に向け具体的にどのような取り組みをしていくのか、世耕経済産業大臣にお聞きをいたします。

発言情報

speech_id: 119205261X00220160930_010

発言者: 茂木敏充

speaker_id: 5551

日付: 2016-09-30

院: 衆議院

会議名: 予算委員会