予算委員会

2016-09-30 衆議院 全368発言

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会議録情報#0
平成二十八年九月三十日(金曜日)
    午前八時五十九分開議
 出席委員
   委員長 浜田 靖一君
   理事 石田 真敏君 理事 菅原 一秀君
   理事 西村 康稔君 理事 葉梨 康弘君
   理事 宮下 一郎君 理事 武藤 容治君
   理事 大西 健介君 理事 長妻  昭君
   理事 赤羽 一嘉君
      赤枝 恒雄君    秋本 真利君
      伊藤 達也君    石崎  徹君
      石破  茂君    岩屋  毅君
      江藤  拓君    衛藤征士郎君
      小倉 將信君    大岡 敏孝君
      大串 正樹君    奥野 信亮君
      神谷  昇君    木内  均君
      黄川田仁志君    國場幸之助君
      佐田玄一郎君    鈴木 俊一君
      武部  新君  とかしきなおみ君
      長坂 康正君    根本  匠君
      野田  毅君    野中  厚君
      橋本 英教君    原田 義昭君
      平口  洋君    福山  守君
      星野 剛士君    宮川 典子君
      宮崎 政久君    茂木 敏充君
      八木 哲也君    保岡 興治君
      山下 貴司君    渡辺 博道君
      青柳陽一郎君    井坂 信彦君
      江田 憲司君    小川 淳也君
      緒方林太郎君    後藤 祐一君
      玉木雄一郎君    辻元 清美君
      初鹿 明博君    福島 伸享君
      細野 豪志君    前原 誠司君
      升田世喜男君    伊藤  渉君
      石田 祝稔君    國重  徹君
      真山 祐一君    赤嶺 政賢君
      池内さおり君    斉藤 和子君
      高橋千鶴子君    宮本  徹君
      井上 英孝君    伊東 信久君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君
   法務大臣         金田 勝年君
   外務大臣         岸田 文雄君
   文部科学大臣       松野 博一君
   厚生労働大臣       塩崎 恭久君
   農林水産大臣       山本 有二君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    山本 公一君
   防衛大臣         稲田 朋美君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       今村 雅弘君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (消費者及び食品安全担当)
   (防災担当)       松本  純君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (クールジャパン戦略担当)
   (知的財産戦略担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     鶴保 庸介君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君
   国務大臣
   (働き方改革担当)
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)
   (まち・ひと・しごと創生担当)          山本 幸三君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       丸川 珠代君
   内閣官房副長官      萩生田光一君
   財務副大臣        木原  稔君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   加藤 久喜君
   政府参考人
   (内閣府国際平和協力本部事務局長)        宮島 昭夫君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 水嶋 光一君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 柄澤  彰君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房衛生監) 塚原 太郎君
   政府参考人
   (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   予算委員会専門員     柏  尚志君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月三十日
 辞任         補欠選任
  石破  茂君     八木 哲也君
  岩屋  毅君     宮川 典子君
  門  博文君     神谷  昇君
  國場幸之助君     とかしきなおみ君
  鈴木 俊一君     橋本 英教君
  長坂 康正君     茂木 敏充君
  根本  匠君     大岡 敏孝君
  星野 剛士君     宮崎 政久君
  井坂 信彦君     青柳陽一郎君
  小川 淳也君     細野 豪志君
  後藤 祐一君     升田世喜男君
  玉木雄一郎君     江田 憲司君
  伊藤  渉君     石田 祝稔君
  赤嶺 政賢君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  大岡 敏孝君     根本  匠君
  神谷  昇君     秋本 真利君
  とかしきなおみ君   國場幸之助君
  橋本 英教君     鈴木 俊一君
  宮川 典子君     岩屋  毅君
  宮崎 政久君     武部  新君
  茂木 敏充君     長坂 康正君
  八木 哲也君     福山  守君
  青柳陽一郎君     井坂 信彦君
  江田 憲司君     玉木雄一郎君
  細野 豪志君     小川 淳也君
  升田世喜男君     後藤 祐一君
  石田 祝稔君     伊藤  渉君
  宮本  徹君     斉藤 和子君
同日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     木内  均君
  武部  新君     赤枝 恒雄君
  福山  守君     石破  茂君
  斉藤 和子君     池内さおり君
同日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     星野 剛士君
  木内  均君     門  博文君
  池内さおり君     赤嶺 政賢君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)
 平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ――――◇―――――
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浜田靖一#1
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官加藤久喜君、内閣府国際平和協力本部事務局長宮島昭夫君、外務省大臣官房審議官水嶋光一君、農林水産省政策統括官柄澤彰君、国土交通省道路局長石川雄一君、防衛省大臣官房衛生監塚原太郎君、防衛省統合幕僚監部総括官辰己昌良君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浜田靖一#2
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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浜田靖一#3
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。茂木敏充君。
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茂木敏充#4
○茂木委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会の茂木敏充です。
 きょうは、六十分の時間の中で、今回の補正予算について、そして今後の経済対策や働き方改革について質問をさせていただきます。
 その前に、まず、総理が積極的に展開する外交について二点お伺いいたします。北朝鮮の問題とロシアの関係であります。
 北朝鮮は、今月の九日に通算五回目となる核実験を強行したほか、ことしに入ってから二十一発の弾道ミサイルを発射しています。こうした北朝鮮の挑発行為は、関連する安保理決議そして六者会合の共同声明等の明白な違反であるばかりか、我が国の安全に対する脅威がこれまでとは異なる次元の、より深刻かつ現実のものとなっていることを示すものであります。
 国際社会は、北朝鮮に対して断固たる対応をとり、このまま挑発行為を続けても孤立の道を歩むだけであることを知らしめ、核、ミサイル発射を放棄させる必要があります。そのためには、まず、日米同盟の抑止力を強化するとともに、日米韓三カ国の安全保障協力を強化していくことが喫緊の課題であると考えております。
 また、国際社会は、安保理決議に基づく制裁の強化に向けた外交努力に注力をする必要があります。ここで重要な点は、北朝鮮の貿易量の九割を占める中国をいかに説得し、北朝鮮への圧力、これを強化させるかであります。
 総理は先般、国連総会で、米国のオバマ大統領のみならず、中国の李克強首相とも連携を確認されたと承知をいたしております。日本は国連の安保理非常任理事国として、強化された制裁を含む新たな安保理決議などに向けてどのように取り組んでいかれるのか、総理のお考えをお聞きいたします。
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安倍晋三#5
○安倍内閣総理大臣 北朝鮮の弾道ミサイルの発射は、前回の発射においては三発の弾道ミサイルを同時に発射し、三発とも我が国のEEZ内に着弾をさせました。そして、核実験においては、北朝鮮は核弾頭を爆発させた、このように発表しているわけでありまして、許しがたい暴挙であり、断じて容認できません。そして、今回の核実験は相次ぐ弾道ミサイル発射と相まって新たな段階の脅威であり、これに対する対応も全く異なるものでなければならないと考えております。
 北朝鮮に対して、このまま核やミサイルの開発を続けていけば、ますます国際社会から孤立をし、その将来を切り開くことができないということを理解させなければなりません。
 我が国は、非常任理事国として、各国による安保理決議の厳格な履行の確保及び新たな安保理決議の採択に向け、米国、韓国、中国、ロシア等と緊密に連携しながら、リーダーシップを発揮していく考えであります。
 ミサイル発射につきましては、ちょうどG20が杭州で開催をされていたときに発射されたわけでございまして、私は直ちにオバマ大統領また朴槿恵大統領と連携をとりまして、そして三カ国でしっかりと緊密に連携をとりながら新しい決議を求めていこうという話をしたところでございます。また、国連総会に出席した際には、李克強首相とも、この北朝鮮の核実験に対して連携して対応していこうということを申し合わせたところでございます。
 北朝鮮への人、物資、資金の流れを厳しく規制する新たな安保理決議、そして我が国独自の措置により、断固たる対応をとっていく決意であります。
 また、核、ミサイル、そして引き続き最重要課題である拉致問題に関し、北朝鮮が問題の解決に向け具体的な行動をとるように強く促していく。国際社会に対して北朝鮮が正しい対応をとらなければ北朝鮮はみずからの未来を描いていくことができないということを理解させなければならない、このように考えております。
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茂木敏充#6
○茂木委員 北東アジアにおきましては、この北朝鮮の問題や中国の台頭に見られるように、安全保障環境の不透明さが増しているわけであります。その中で日本とロシアの関係を考えると、この地域の平和と発展を確保することは日本とロシア両国の国益に資するものであり、日ロ関係を強固に発展させてこそ、緊張感を増している東アジアにおける我が国の安全保障が確保されると言っても過言ではありません。
 そのために欠けている重要なもの、東アジアの平和と安定という難しいジグソーパズルを完成させるのに必要不可欠なワンピース、それが日ロの平和条約だと考えております。
 安倍総理とプーチン大統領は、ことし五月にロシアのソチで行われた首脳会談で、双方に受け入れ可能な解決策の作成に向けて、今までの発想にとらわれない新しいアプローチで交渉を進めていくことで一致されました。また、今月初めのウラジオストクでの総理とプーチン大統領によります実に十四回目となる首脳会談でも、この新しいアプローチに基づく交渉を具体的に進めていく議論が進展をした、そのように承知をいたしております。
 では、この新しいアプローチ、これは具体的にどのようなものなのか。また、来る十二月に総理の御地元山口で開催予定の日ロ首脳会談では、総理は、北方領土問題そして平和条約に関し、どのような交渉を行い、何を達成されようとしているのか。総理のお考えをお伺いいたします。
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安倍晋三#7
○安倍内閣総理大臣 ロシアは、我が国の隣国であり、そして同時に大国でもあります。そのロシアと、戦後七十年以上たっても平和条約が締結をされていない。この異常な状態を打開し、そして、その異常な状態に終止符を打たなければなりません。そのためにも、首脳同士の信頼関係のもとに解決策を見出していかなければならないと考えています。
 プーチン大統領との間では、五月のソチにおける首脳会談で、これまで停滞をしてきた交渉に突破口を開くため、未来志向の考え方に立って、今までの発想にとらわれない新しいアプローチで交渉を精力的に進めていくことで一致をしたところであります。
 そして、今月ウラジオストクにおいて行った通算十四回目となる首脳会談では、二人で突っ込んだ議論を行いました。全体会合と五十五分の二人だけでの議論もあったわけでございますが、交渉を具体的に進めていく道筋が見えてくるような手応えを強く感じることができました。
 また、先般の首脳会談においては、八項目の協力プランの具体化を初めとする経済や、安全保障分野を含む日ロ協力の現状や今後の見通し等について意見交換を行ったところであります。
 経済分野を含め、幅広い分野で日ロ関係を国益に資するような形で進めていく中で、四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結すべく、引き続きロシア側との間で粘り強く交渉に取り組んでいく考えでございます。もちろん、七十年間解決することができなかった問題でありますから、そう簡単なことではないわけでありますが、全力を尽くしていきたいと思います。
 十二月に予定する山口県での日ロ首脳会談では、こうした考え方に基づきまして、静かな雰囲気の中で率直に議論をし、平和条約締結交渉を前進させていく考えであります。
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茂木敏充#8
○茂木委員 この日ロの問題、総理おっしゃるように、幅広い、さまざまな日本とロシアの協力関係の中で解決策を見出し、そして、先ほど申し上げたように、東アジア全体を俯瞰した外交、こういう観点から交渉をぜひ推し進め、そして、最後のワンピース、ジグソーパズルのワンピースを必ずその場に置いていただきたい、そのように考えているところであります。
 一昨年末の総選挙、そしてことし夏の参議院選挙で国民から与えられた政権の安定こそが、国内で大胆な改革を進め、そしてまた外交面でも日本のプレゼンスを高め、難しい外交交渉を進める何よりのエンジンだ、このように考えております。総理の強いリーダーシップに期待をいたします。
 自民党は、この夏の参議院選で、アベノミクスを力強く前に進めるべきという大きな御支持をいただきました。きょうはテレビ中継が入っております。
 そこで、きょうは、今後アベノミクスをどう具体的に前に進めるのか、国民の皆さんの前で基本的な認識を確認する場にもしていきたいと考えているところであります。
 進化とは、進歩ではない、多様性を生んだドラマである。これは、進化論で有名なダーウィンの言葉であります。
 アベノミクスも、最初に打ち放った三本の矢、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略から、現在は、一億総活躍社会そして働き方改革と、その政策目標、そして政策手段もある意味進化をしてきております。
 では、これらは政策課題のどのような変化に対応するものなのか議論をしてみたい、このように考えております。
 その入り口として、まず、今回の補正予算について財務大臣に質問をいたします。
 政府は、先日、事業規模二十八兆円を超える経済対策、未来への投資を実現する経済対策を取りまとめました。この経済対策を予算として具体化したのが今回の補正予算でありますが、まず、今回の補正予算について、改めて、その目的と政策効果、経済効果についてどのようにお考えか、お答えください。
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麻生太郎#9
○麻生国務大臣 御存じのように、今回の資産のデフレーションによって長く続いたこの資産デフレ不況というものにつきましては、これを完全に脱却し、しっかりとした成長に導いていく。デフレから脱却ということになりますけれども、またもとに戻らないという保証はありませんので、デフレ不況が問題なので、そういった意味では、しっかりとした経済成長に道筋をつけていくためのものということを考えております。
 したがって、需要の喚起だけにとどまらないで、民間の需要というもの、民需主導によってきちんとしたものになっていかないかぬというところだと思っておりますので、経済成長と一億総活躍社会というものの着実な実現につながる取り組みというものを中心にまず考えております。
 その上で、具体的には、保育所等々、今問題になっております、働くために、いわゆる保育所の整備等々の前倒し、また、保育士の人材確保等々の拡充、子育ての環境整備を行う。具体的にはまずそれからであります。
 また、外国人の観光客が、安倍内閣が始まります前は一千万人を切っていたと思いますけれども、今それが約二千万人。やがてこれが四千万ということを目指しておりますので、当然、今、私どもの博多がありますが、港はもう全く満杯でありますので、これはクルーズ船等々の到着に対応できていない、CIQができていないというのはもちろんのことですけれども。そういった意味で、いわゆる入国待ち三時間とかいうことになっておるのが現実ですので、羽田空港等々、そういった機能強化を高めるというのも大事なことだと思っております。
 また、今、低金利、超低金利で、十年国債は〇・〇幾つという話ですから、財政投融資等々にこれを活用することによって、いわゆる公共工事というものは、基本的には投資した金に対して、かかります経費を上回るリターンがあれば、それはそれでそれなりにきちんと回っていくということになりますので、そういった意味では、リニアの中央新幹線等々の全線開通前倒しとか、いろいろ新聞に出ておりますような未来への投資を実現するものの一端というふうにしていきたいと思っております。
 また、この補正予算によって、いわゆる内需を力強く支えるとともに、いわゆるアベノミクスというものを一層加速して、資産のデフレーションによる不況というものからの脱出速度を最大限まで引き上げてまいりたいというのが基本です。
 また、内閣府によれば、本経済対策に基づいて、予算の措置によって短期的にあらわれると考えられる実質GDPの押し上げ効果はおおむね一・三%というように見込まれておると思いますので、私どもも、それをきちんと達成できるものまでに効果を上げてまいりたいと考えております。
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茂木敏充#10
○茂木委員 デフレからの脱却速度を上げていく、そして、民需主導の持続的な経済成長、一億総活躍の着実な実現、つまり、今回の補正予算は、アベノミクスの一層の加速、それが基本的な目的なんだと考えております。
 そこで、アベノミクスのこれまでの成果と残された課題について簡単に整理をしてみたいと思います。
 この三年半で、アベノミクスの推進によりまして、デフレは確実に解消に向かい、日本経済にはさまざまな改善が見られるところであります。経済がよくなっているかどうか、さまざまな議論はもちろんあるところでありますが、これを端的にあらわす指標は二つだと思っております。一つは、やはり経済が全体的に拡大して企業の収益が上がっている。そしてもう一つは、仕事がふえて雇用情勢がよくなっているということだと思っております。この二つのポイント。
 まず、マクロの経済、企業レベルでいいますと、日本の名目GDPは、三年半で三十三兆円増加して、五百兆円台を回復いたしております。さらに、図一、お手元にお配りしてございますが、この図の一のように、企業収益も大幅に改善をして、二〇一五年度は六十八・二兆円、過去最高を更新いたしました。
 次のパネルもごらんください。
 雇用情勢についても、図二のように、有効求人倍率は一・三七、過去二十五年で最も高い水準であります。さらに、史上初めて四十七都道府県全てで有効求人倍率が一・〇倍を超えております。
 ただし、分野別に見ますと、企業の投資活動、そして個人消費、イノベーションなど、十分な進展が見られない部分、改善の余地が大きい部分もあると考えております。
 そこで、今後の重点課題を企業のレベル、雇用、個人のレベルに分けて、もう一度確認をしてみたいと思います。
 図三をごらんください。今後の重点課題を整理いたしております。
 まず、企業のレベルでは、大企業と中小企業で収益や生産性に依然として違いがあり、中小企業の生産性は十分改善していないという問題であります。この生産性の改善に向けてはIT投資が重要な鍵を握るわけでありますが、日本のIT投資は残念ながらまだ伸び悩んでおります。
 そして、せっかく改善している企業の収益、内部留保も、国内向けの投資よりは海外子会社向けの投資などに回っておりまして、今のところ、経済の好循環を回すエンジンにはなっておりません。
 さらに、エネルギー、農業、医療、介護など、今後成長がされる分野でも、確かにさまざまな制度改革、私も経済産業大臣時代、電力システム改革、こういった問題にも取り組んでまいりました、制度改革は進んでおりますが、民間実態の動きはまだ不十分で、構造改革も道半ば、このように言えると考えております。
 一方、個人、雇用のレベルでいいますと、個人消費がまだ残念ながら力強さに欠けている状況であります。
 そして、個人所得の面では、消費性向が高い低所得層、例えば非正規であったり若年層、そして共働きの世帯など、この層の所得が伸び悩んでおりまして、これが、消費性向が高いわけですから、個人消費が改善しない大きな原因の一つとなっております。
 さらに、人材の成長も、人材がなかなか成長分野に移動が進まない。全体の雇用情勢は間違いなく改善をいたしておりますが、雇用のミスマッチは依然として続いております。労働生産性も伸び悩みが見られるわけであります。
 さらに、日本は人口減少社会という構造問題に直面をしております。ここに来て確かに、それは四年前と比べた場合に、高齢者そして女性の雇用は圧倒的に、政府の働きかけもあり、進んでおりますが、より柔軟で多様な働き方への環境整備はまだ不十分だと考えております。
 これらの問題は、いわば、日本のこれまでの産業構造そして労働形態を転換する、経済構造改革と働き方改革にかかわる問題であります。その意味で、経済構造改革と働き方改革、これはアベノミクスの目標達成への車の両輪である、このようにも言えると思っております。
 もちろん、政府の側でもこの二つのテーマは検討を進めていただいているわけでありますが、今回、自民党におきましても特命委員会、経済再生そしてまたこの働き方改革について設置をいたしまして、私が委員長となってこれから検討を深めていきたい、政府に対してもこれから具体的な提言をさせていただきたい、こんなふうに思っているところであります。
 そこで、二つの大きなテーマの一つ、経済構造改革について議論を進めたいと思います。
 図の四をごらんください。
 先ほども指摘したように、大企業と中小企業では生産性に大きな開きがありまして、この三年で見ても、中小企業の生産性、確かに改善はしておりますけれども、その伸びは十分とは言えません。
 今こそ、アベノミクス推進のエンジンを大企業から全国各地の中核企業、中小企業に拡大していくべきと考えております。テレビのドラマの「下町ロケット」でいいますと、帝国重工だけではなくて、下町の中小企業、佃製作所にもロケットの基幹部品をつくってもらう、こういったことが必要なんだと考えております。
 そして、その一番大きな鍵を握るのがITシステム投資であります。図の五に示しましたように、IT投資によって中小企業の業績は間違いなく大きく改善をするわけであります。
 では、政府として、今後、この中核企業、中小企業の生産性向上に向け具体的にどのような取り組みをしていくのか、世耕経済産業大臣にお聞きをいたします。
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世耕弘成#11
○世耕国務大臣 お答えいたします。
 今御指摘がありましたように、大企業と中小企業では非常に生産性に開きがある、そしてその原因がIT投資のおくれではないか、その分析は私も全く共有をするところであります。
 まず、IT投資も含めた設備投資全体ということになりますが、ことし七月に中小企業等経営強化法というのを施行いたしました。中堅・中小企業の業種の特性に応じた生産性向上の指針の策定をいたしまして、この指針に沿って行う設備投資に対する固定資産税の減税など、中小企業者の生産性向上に向けた投資促進の支援策を抜本的に拡充いたしました。
 また、特にITに関しましては、今回の補正予算におきまして、中小企業が行うIT投資の促進や、あるいはIoTやロボットなどを活用した革新的な物づくり、サービスの開発支援という目的で、業務の効率化、生産性の向上につながるITツールの導入支援や、中小事業者にアドバイスなどを行うIT専門家の派遣、そしてIT利活用の取り組み事例の紹介や相談会の開催などの取り組みを集中的に実施してまいります。
 このように、きめ細やかな取り組みを通じて、IT投資を通じた中小事業者の生産性向上を集中的に支援してまいりたいというふうに考えております。
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茂木敏充#12
○茂木委員 恐らく、端的に申し上げると、やるべきことは私は三つじゃないかなと思っております。
 若干分野を分けて言いますと、一つは、やはり物づくり中小企業のIT、そしてロボットの武装化を進めるということであります。
 そして二つ目は、やはり生産性といいますと、サービス産業の問題になってきます。サービス産業それぞれの業種によって違いがあるわけでありますから、その生産性を改善する分野別のプログラムを策定して実行していく。
 さらに三番目は、地域の経済を引っ張っていく。これからは中核企業です。恐らく全国に二万五千社ぐらいあるこの中核企業の投資を促進する。一兆円の投資で大体五兆円の経済効果、こういったものが見込まれると思います。
 この三つをやっていくことだ、そのように考えております。
 対象企業を明確にして、期限も、だらだらとではなくて、三年から五年、こういう期限を区切って、予算、税、金融、あらゆる政策手段を総動員する。そのために、私は、新しい法律、仮称でありますが、未来投資生産性向上支援法、これを早急に制定すべきだと考えておりますが、世耕大臣のお考えをお聞かせください。
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世耕弘成#13
○世耕国務大臣 今、茂木先生から御指摘いただいた三つの点、非常にどれも重要だというふうに思っております。
 まず、IT、ロボットの導入については、ロボットの未活用領域でのロボット導入支援や、中小製造事業者がIoTの導入ノウハウなどを相談できる拠点整備を行っているところであります。
 二点目のサービス産業の分野別生産性向上に向けた取り組みにつきましては、先ほど申し上げました中小企業等経営強化法に基づいて、関係省庁と連携をしながら、卸、小売などの流通、そして旅館、医療などサービス業を中心に生産性向上策をまとめた指針を十一業種について策定したところであります。この指針の内容の充実を今後進めるなど、全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
 また、御指摘のように、一社で個別に投資をするのではなくて、地域の中核企業を軸に複数の企業に波及をさせていく、より効果的な投資を次々と生み出していくことが重要だというふうに思います。
 茂木先生が経済産業大臣を務めておられたときに、地域を牽引する中核企業を軸とした地域戦略を構築されたというふうに伺っております。私としては、そのお考えをさらに具体化して進めてまいりたいというふうに思います。
 例えば、IoT、ビッグデータなど、地域で蓄積されるデータを新たな地域資源として見て、こうしたデータを利活用する新たなビジネスに投資をしていくこと。あるいは、技術、資源、人材など、その地域が固有に持っている強みを生かして地域経済を牽引する地域中核企業による投資など、波及効果の高い投資に着目した取り組みが重要だと考えております。
 経産省としましては、このような地域の未来を支える投資や生産性向上への取り組みを促進するため、あらゆる政策を総動員すべく、今御指摘の新たな法的枠組みも含めて、さまざまな施策を検討してまいりたいというふうに思っております。
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茂木敏充#14
○茂木委員 ありがとうございます。
 ぜひ新法を鋭意検討していただきたい、このように考えているところであります。
 成長戦略に関連して、もう一つ質問いたします。
 政府では、これまでの産業競争力会議と未来投資に向けた官民対話を発展的に統合し、新たな司令塔として未来投資会議を創設いたしました。
 石原経済再生担当大臣に、この未来投資会議の創設の狙いについてお伺いいたします。
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石原伸晃#15
○石原国務大臣 茂木政調会長も産業競争力会議をおつくりになられて、先ほども御開陳されていましたけれども、エネルギー分野、ここの岩盤規制の見直しなど、私はすごく成果を出してきたと思います。そして、その延長線で、これは税制調査会で議論されたわけですけれども、高いと言われている法人税の減税についても実現して、六重苦と言われている経済的な困難というものに日本の企業が立ち向かう環境を整備していただいた、大変有意義な会議であったと思っております。
 そして、経済の好循環が、先ほど雇用と所得の関係でお示しされたように、回るようになってきた。そんな中で、一つの節目を私は今迎えているような気がいたします。
 今、世耕大臣との議論の中でのITへの投資、このIT分野のイノベーションというものが、我々が予想しているよりも非常に早く動いている。そんなこともありまして、このイノベーションをしっかりとキャッチアップできるように、これまでありました会議を発展的に解消させていただきまして、スピードアップとパワーアップ、この二つを図る上で、さらには構造改革ですね。この構造改革はいろいろなことを、茂木政調会長が経産大臣時代にも、エネルギーの話もありました、農協改革もありました、いろいろな分野でやってきましたけれども、総ざらいして、イノベーションをさらに加速化して、それを社会にどういうふうに実装していくか、こういうことを進めていきたいと考えてこの会議を設置させていただいたわけでございます。
 くどいようですけれども、イノベーションの起こるスピードにおくれをとらないように、そして民間部門で一体何が足りていないからできないのか、また、何がイノベーションの社会実装にとって障害があるのかないのか、こういう深掘りの議論を進めていきまして、成長戦略に責任を持つ担当大臣といたしまして、構造改革を力強く進めていく、そういう会議にさせていただければと考えております。
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茂木敏充#16
○茂木委員 この分野はスピード感のアップが極めて重要だと思っております。三百七十兆円に上ります企業の内部留保、そして一千七百兆円の個人の金融資産、これを未来への投資に向かわせる。そのためには、日本の国内で新たな有望市場を創出することが極めて重要だと考えております。
 そして、その牽引車となりますのが、今、石原大臣そして世耕大臣の方からもお話のありました、IoTであったり人工知能、自動走行、ロボット、こういった第四次産業革命だと考えております。
 ただ、第四次産業革命による新たな市場創出、こう言っても、テレビの前の皆さんも何となくイメージが湧きにくい、こういう部分があると思います。
 そこで、この問題を、先日リオで日本選手が大活躍をしましたオリンピック・パラリンピックに例えてみたいと思います。
 図の六をごらんください。新たな成長市場の創出には、三つの取り組みが必要だと考えております。
 まず一つは、第四次産業革命をする重点分野、自動走行、ロボット、IoTなどの強化であります。
 この中で、自動走行は、確かに高速道路の走行や渋滞の解消にも活用できますが、将来、やはり私は、地方の高齢者向けが最も有望な市場ではないかと考えております。近所の八百屋さんがなくなってしまった、何キロか先のスーパーに買い物に行かなきゃならない、運転に苦労されているお年寄りも多いと思います。これが自動走行によって地方でも高齢者の足が安全に確保される。団塊の世代はもう六十五歳に入っているわけでありますから、この分野の潜在市場というのは極めて大きいと考えております。
 これは、オリンピックでいいますと、日本がメダルがとれる種目、これの強化ということになってくると思います。
 そして二つ目に、第四次産業革命のさまざまな技術革新、こういったものを波及させることによって、巨大な潜在市場、例えば医療、介護であったりエネルギー、農業、こういった巨大な潜在市場を開拓していくということでありまして、介護ロボット、さらにはよりスマートなエネルギーマネジメントなど、応用分野は限りなくあると考えております。市場開拓の余地も非常に大きいと思うわけであります。
 こちらは、どちらかといいますと、競技人口の多い分野の底上げと言えると考えております。
 そして三つ目、今お話しした成長分野の創出、拡大のためには、その基盤整備も重要になってまいります。例えば、人工知能に関するグローバル研究拠点の整備、そこに先端の人材を集めていく。
 これは経済版のナショナルトレーニングセンターの整備ということに、やはりナショナルトレーニングセンターがある種目が強いというのは明らかなんだろうと思っております。
 一千七百兆円の個人の金融資産を活用して、ファンドから資金提供する、こういった仕組みも資金面での基盤整備に当たってくると考えております。いいスポンサーというよりも、より多くのスポンサーの応援、こういうイメージで考えていただければと思っております。
 また、もう一つの基盤整備、資金と同時にビッグデータなどの情報の利活用の促進のための環境整備も重要であります。この利活用促進のため、この臨時国会に官民データ活用推進基本法を議員立法で提出する予定であります。これは経済界からも非常に期待されている法律でありまして、早期の成立を目指していきたいと思います。
 そこで、総理にお尋ねをいたします。
 日本は、リオ・オリンピックでも史上最高のメダル四十一個を獲得し、四年後の東京ではさらに多くのメダルを目指すことになると思います。
 お聞きするのは、東京でのメダルの目標数ではございません。今説明したように、経済の分野でもパネルのようなメダルがとれる取り組みが必要ではないかと考えております。そして、新設をしました未来投資会議も、単なるペーパーの取りまとめ、これでは意味がないんだと思います。
 先ほど提案をいたしました未来投資生産性向上支援法とあわせて、具体的な制度改正や予算措置、これで新たな高みに臨む政府の本気度を示すことが極めて重要だと考えておりますが、総理の御見解をお聞かせください。
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安倍晋三#17
○安倍内閣総理大臣 ただいま茂木議員から、大変わかりやすく、我々の成長戦略についての性格づけを説明していただいたのではないかと思います。
 まず、自動車、ロボットなど日本企業が高い競争力を有している分野に重点的に取り組んでいきます。
 これはまさに議員御指摘の日本がメダルをとれる種目に当たるわけでありまして、自動走行については、昨年私が関係閣僚に対し、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックまでに必要な制度やインフラを整備するよう指示をいたしました。
 実現時期の見通しが立つことに、企業が呼応し始めています。例えば、ロボットタクシーの実験が藤沢市で始まりました。そして、自動運転機能を国内で初搭載したミニバン車が八月に発売されました。こうした企業の動きを加速するため、具体的な目標時期を設定して規制改革を進めてまいります。
 次に、医療、介護。市場規模が大きく、かつ拡大していく分野の市場を重点的に整備していく。
 これは議員が御指摘の競技人口の多い分野に当たるわけでありますが、例えば、センサー技術を活用した見守りシステムが、介護を受けている方がベッドから落下しそうな状況を察知して介護職員の端末に通報することで、介護職員がずっと見ていなくても通報によってその対応をすることができるということになれば、負担が軽減されるということになります。
 今後、こうした技術投入によって介護現場の負担がどのくらい軽減するかを検証して、その結果を介護報酬や介護施設の人員、設備基準の見直しなどにつなげていく考えであります。
 さらに、議員が経済版ナショナルトレーニングセンターと表現をいたしました切磋琢磨の場をつくっていきます。例えば、国内の優秀な研究者が医療分野などの実データを効果的に解析できる人工知能を開発する研究拠点を、大学と公的研究機関の連携のもとで整備していきます。
 第四次産業革命の実現を通じて、国民生活を豊かにしながら、企業の生産性を向上させるため、必要な改革をちゅうちょなく断行していく決意であります。
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茂木敏充#18
○茂木委員 これらの取り組みをオール・ジャパンで進めることによってメダルは確実に二桁ふえる、このように考えているところであります。
 自民党は、自動走行でもロボットでも、最初から二番じゃだめなんですか、こんなことは決して言いません。一番をとる、こういう思いで取り組みをしていきたいと考えております。
 さて、もう一つの大きなテーマ、働き方改革に入りたいと思います。
 総理は、所信表明演説で、労働制度の大胆な改革を進める、非正規という言葉をこの国から一掃する、このように訴えかけられました。
 そこで、まず改めて、働き方改革に取り組む総理の意気込み、そして、この分野で何が最重点課題だとお考えなのか、お聞かせください。
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安倍晋三#19
○安倍内閣総理大臣 誰もがその能力を存分に発揮することができる社会をつくっていく、それが一億総活躍社会でありますが、その一億総活躍社会の未来を切り開いていく鍵は働き方改革であると思っています。
 働き方改革のポイントは、働く方によりよい将来の展望を持っていただくことでありまして、第三の矢、構造改革の柱となる改革であります。
 長時間労働を是正すれば、女性、高齢者も仕事につきやすくなります。経営者はどのように働いてもらうかに関心を高め、労働生産性が向上します。そして、働き方改革こそが労働生産性を改善するための最良の手段であると思います。
 また、同一労働同一賃金を実現いたしまして、正規と非正規の労働者の格差を埋めて、若者が将来に明るい希望が持てるようにすることによって、中間層が厚みを増し、より多く消費することにつながっていくと思います。
 働き方改革は、社会問題であるだけではなくて、経済問題であります。ロボットからビッグデータ、AIまで、デジタル技術の活用が進む中で、働き方も間違いなく変わっていくわけであります。大切なことは、スピードと実行であります。もはや先送りは許されないわけでありまして、必ずややり遂げるという強い意思を持って臨んでいきたいと思います。
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茂木敏充#20
○茂木委員 日本には現在、大企業と中小企業の賃金の差、そしてまた正規と非正規の賃金の差が大きいという問題があります。全体の四分の一の雇用者が時給千円未満の状況、短時間労働者におきましては実に六〇%以上が時給千円未満という形であります。
 図七をごらんください。
 フルタイム労働者に対するパートタイム労働者の賃金水準、ヨーロッパ諸国では七割から八割なのに対して、日本は六割以下の水準であります。
 この改善のためには、先ほど指摘をしました中小企業の生産性を高めると同時に、特に大企業における非正規雇用の処遇改善が最優先の課題になってくると考えております。同一労働同一賃金の法整備、パートタイム労働法、労働契約法、派遣法の改正を進める必要があると考えております。
 もちろん、正規の方の賃金を下げて同一賃金にしろ、こう言っているわけではありません。生産性の向上、さらには、より柔軟な働き方で非正規から正規にしていく、こういったことも含め処遇改善を図るというのが基本的な政策であると思っております。
 そして、今申し上げた法改正、スムーズな導入が極めて大切であります。このために、法整備に先行して、どのような処遇の格差が不適正なのか、同一労働同一賃金の円滑な実施に向けた、具体的でわかりやすい雇い主向けのガイドライン、これを早期に策定する必要があると考えております。
 政府でも、総理のもと、働き方改革実現会議を設置して検討に入っているようでありますが、加藤働き方改革担当大臣に、今お話を申し上げた法改正の必要性をどう考えているか、また雇い主向けのガイドラインの策定のめど、これをお聞かせください。
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加藤勝信#21
○加藤国務大臣 今委員御指摘のように、我が国においては、パートタイム労働者の賃金水準は、欧州諸国に比べて、正規労働者に比べると、欧州諸国は二割低いのに対して、日本は四割を超えるという状況でありますし、また、五十歳から五十四歳の年齢層について見ても、企業規模五人から九人の小規模でも一・五倍、さらに企業規模千人以上の大企業ではその差が三倍、こういうことになっております。
 こうした状況を克服するには、同一労働同一賃金を実現していくこと、そして、御指摘のように、それは非正規の方々の待遇を改善する中で正規と非正規の方の労働者の格差を埋めていく、それによって、先ほど総理が言われたように、若者が将来に明るい希望を持てるようにしていかなければならないと思っております。
 そういう意味で、今御指摘がありましたガイドラインについては、まず、どのような賃金差が正当ではないかを具体的に示していく。これは年内を目途に策定をしていきたいと思っております。その上で、賃金差について裁判で争われるということも当然考えられるわけでありますが、そうした場合、裁判所の判断の根拠となるものをしっかりとしておかなきゃならない。そういったことを含めて、法改正についてもちゅうちょなく行っていきたい、こう考えております。
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茂木敏充#22
○茂木委員 ガイドラインを年内に策定する、そしてそれに引き続いてちゅうちょなく法整備を進める、明快な御答弁をいただいたところであります。
 それでは次に、長時間労働の是正の問題に入ります。
 図の八のように、日本は欧米に比べて時間外の労働時間の構成割合が高くなっておりまして、パネルでいいますと赤地になっておりますが、週四十九時間以上働く長時間労働者の割合がほかの国と比べて極めて高い状況であります。
 長時間労働の是正、これは長年の慣習もあって、また業種や企業によって時間外労働を必要とするそれぞれの事情があるのも確かだと思います。しかし、グローバル経済の中で、もう、日本だけ特別、こうは言っていられないんだと思います。
 では、企業の実態は今どうなっているか。
 図の九をごらんいただきたいと思うんですが、これは、労働基準法でのいわゆる三六協定、この協定によりまして、労使協定によって時間外労働の上限を超えられるようにしている制度でありますが、この三六協定の締結状況を示しております。
 現状、三六協定を締結している企業は全体の五五%、ブルーの部分であります。その中で、厚労省が時間外労働の上限のめどとしている月四十五時間を超える時間外を認める特別条項つきの三六協定を締結している事業場が二二%あります。特に大企業では、三六協定を締結している企業が全体の九四%、医学的に健康に被害が及ぶ、このように言われている八十時間以上を認める条項を締結している企業の割合も一五%に及んでおります。
 このような状況で、各企業の自主性に任せる、これはやはり私は限界があるんだと思います。一定の法的基準を立法化することが必要だと考えておりまして、三六協定について、例えば月何時間まで、こういった時間外の上限を新たに規定すべきだ、このように考えておりますが、加藤大臣の見解をお聞かせください。
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加藤勝信#23
○加藤国務大臣 委員の御指摘のように、我が国における長時間労働というのは大変大きな問題ということであります。また、今委員からもお話がありましたが、我が国の労働基準法では、週四十時間を超えて労働させてはならないというのが基本として規定されており、その上で、同法三十六条において、その例外として、これは同法三十六条をとっていわゆる三六協定ということが、労使が締結をすると時間外労働ができる。そして、それは今、実態については委員から御指摘があったところでございます。
 こうした実情を踏まえて、労使のトップ、また有識者の方々に集まっていただいております働き方改革実現会議、先般第一回の会合を開かせていただきましたけれども、議員御指摘の時間外労働の上限を規定していく、こういう案も含めて、時間外労働の上限規制の労働基準法のあり方について、総理からも御指示いただいておりますが、働く人の立場、視点に立った議論を進めて、これは年度内に具体的な働き方改革実現計画という形で取りまとめていきたいと考えております。
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茂木敏充#24
○茂木委員 この問題につきましては、党の方でも検討を進めまして、党の側からも具体的な提案もさせていただきたい、こんなふうに考えておるところであります。
 そこで、三番目、働き方に中立的な税制や社会保障制度をいかに構築していくか、こういう議論に入りたいと思います。
 ここで最初の課題と言われておりますのが、パート労働者のいわゆる百三万円の壁を除去する税制改正であります。
 図の十をごらんください。
 図の上にある現在の配偶者控除は、御案内のとおり、百三万円から控除が減る仕組みでありますが、これから、図の下のように、パート収入の上限がない夫婦控除に移行していくべきだ、このように考えております。政府税調でも、夫婦控除を導入すべき、こういう意見が出ていると聞いております。
 企業の現場でも、もっと働きたいのに年末になるとこの百三万円の壁でパートの人たちが時間の調整に入ってしまう。スーパーの方も、せっかくなれてきて仕事をよくしてくれる人がいるのに、その人が来ないで、新しい人を探さなきゃならない、こういう問題が起こっているわけであります。会社にとっても、そしてパートさんにとっても本意ではないと思います。
 そこで、麻生財務大臣に、この配偶者控除から夫婦控除への移行について、もちろん税収中立、そういった課題もあるのは承知をいたしておりますが、基本的な方向性、どうお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
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麻生太郎#25
○麻生国務大臣 多様な働き方に中立的な税制の構築ということにつきましては、これは総理の方からも指示のあった重要な課題と考えております。
 まず、御指摘のありました配偶者控除については、配偶者の就労を抑制している、百三万とか百三十万とか、いろいろの例がありますけれども、そういった面も考えて、抑制する意味の悪い意味での効果があるではないかという指摘がある一方、他方では、家族の助け合いとか、家庭の中における子育てに対する配偶者の貢献というものも積極的に評価すべきではないかという御指摘もあって、これはさまざまな立場から議論がなされてきております。
 夫婦控除への移行という御指摘も今、茂木先生からあっておりますけれども、現時点で具体的な案が決まっているわけではありません。
 この課題は今後の家族のあり方、働き方に関する国民的な価値観とでもいうべき大きな話になってこようと思いますので、幅広く丁寧な国民的論議が必要だということを考えております。政府税調でもその点を指摘して、この間第一回の会合をスタートしておりますけれども、政府・与党におきましても、政府でも与党においても、この議論を踏まえつつ、今後しっかりした議論を踏まえていかないと、今の時代の変化で女性の労働参加等々が非常に大きな問題になっているのは間違いありませんけれども、傍ら、今の点もちょっと考えておかぬと、日本の国の国体、国の体質にかかわる問題でもあろうと思いますので、丁寧な論議を進めて結論を得たいと思っております。
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茂木敏充#26
○茂木委員 ありがとうございます。
 私が今指摘しているのは、こういった夫婦控除への移行。家族の価値観などについて、基本的に評価を与えるものではありません。
 つまり、共働き世帯と独身者、専業主婦を比べて、どっちがいい、どっちが悪い、こういう問題ではなくて、現状の問題点、例えば、世帯主が三百万円の収入、奥さんが家計を助けるためにパートに出る、働きたい、そういう思いなんですけれども、百三万円の壁でぶつかってしまって、そこで時間調整に入ってしまう、抑制をされてしまう、こういう現在の状況を改善したい。誰もが働きたければもっと働ける、こういう環境整備を進めたいと考えているところであります。
 それと、もう一点。これは今後の検討課題ということになってくると思うんですが、控除の仕方自体も、働き方に中立的で、中低所得者により負担のない制度にしていくことが望ましい、このように考えております。
 確かに、税制中立、これをいかに保っていくか、こういった課題もあって、ステップを踏んでやっていく必要はあると思っておりますが、現在の所得控除中心、こういったものから、税額控除方式を取り入れるなど、控除の仕組みの検討も今後の課題として、時間があればまた議論をさせていただきたいと思うんですが、指摘をさせていただきたいと思っております。
 さて、雇用のミスマッチに移りたいと思います。塩崎大臣にお尋ねをしたいと思っております。
 冒頭申し上げたように、今、雇用の情勢は改善をしてきております。有効求人倍率、冒頭申し上げたように一・三七、二十五年で最も高い水準でありますが、一方で、雇用のミスマッチ、これは三・三〇%、依然続いているわけでありまして、これでは、せっかくの経済の好転、雇用情勢の改善も、個人所得の本格的な向上にはつながっていかないのではないかなと考えております。
 そこで、私は、現在の雇用のミスマッチ解消に向けて、人材の育成、職業訓練であったりとか、資格の取得であったりとか、社会人の学び直し、こういったことに雇用保険の積立金を活用すべきではないかなと考えております。
 図の十一をごらんください。
 実は、雇用保険の積立金、十年前には積立金の残高が一兆円前後でありましたが、これが、最近の雇用情勢の改善によりまして残高は今、六兆円を超える、こういう状態でありますし、これに加えて、雇用保険の二事業、雇用安定事業、能力開発事業の資金残高も一兆円以上ある、このように考えております。
 雇用保険は、もちろん雇用や生活の安定を目的とする公的な保険でありますが、いつもリーマン・ショック級の経済変動に備えて、多額の積立金をいつも六兆円とか七兆円とか持っている必要はないんじゃないかなと思います。
 もちろん保険料の引き下げ、こういったことを図っていかなきゃなりませんが、それと同時に、今後は、単に失業手当を支給するだけではなくて、雇用のミスマッチを改善する職業訓練等にも活用すれば、より積極的な雇用、生活の安定につながっていくと考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
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塩崎恭久#27
○塩崎国務大臣 問題意識は全く共有するところでございます。
 雇用保険の制度につきましては、今般の経済対策でも、「雇用保険料や国庫負担の時限的な引下げ等について、必要な検討を経て、成案を得、平成二十九年度から実現する。」というふうになっておりまして、財政面も含めた制度全般について労政審で検討を行っていくこととなっております。
 今、人材育成について御指摘をいただきました。
 仕事を探している方が就職に必要な能力を身につけられるような公的職業訓練によって支援をするとともに、仕事についている方についても、教育訓練給付によって自発的な能力開発を支援する、こういう取り組みを行っているわけでありますけれども、今御指摘のような働き方改革を進めていく中で、人材育成について、雇用のミスマッチ解消とか生産性向上のためにも重要であると考えておりますので、今後、働き方改革実現会議や与党の御議論も踏まえながら、この特会の資金についても、どういう活用の仕方があるのか。
 私ども、助成金改革というのを、全面的に今見直しておりますので、今先生御指摘のような目的、つまり人材育成、ミスマッチの解消、こういったことのためにより有効に使っていけるような手だてを考えていきたいというふうに考えております。
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茂木敏充#28
○茂木委員 恐らく厚生労働省は、来年度に向けた機構改革、この中で人材開発局を新設される。組織だけつくっても、大切なことでありますけれども、予算措置であったりとか制度改革、こういったものが伴わなければ実効性は上がりません。ぜひ大臣のリーダーシップに期待をしたいと思っております。
 最後、五つ目の課題として、女性活躍の促進、こういう観点からも、受け皿を拡大することになった保育園などの施設整備に加えて、介護の人材不足の解消、これが極めて重要だと思っております。
 先ほど総理の方からは、センサーを使った見守り、こういう話もありました。そういった技術革新も使っていく。そして同時に、どこから人材を確保していくか、こういったことも考えなければならないと思っておりまして、外国人材の受け入れのあり方、これについても検討が必要だと思っております。
 必要な分野に着目をして、例えば日本とどこかの国、二カ国間で協定を結ぶ、こういった枠組みなど、具体的な制度設計を進めるべきタイミングに来ていると思っておりまして、この点につきましても、また党でも政府の方でも議論を進められれば、このように考えているところであります。
 さて、ここまで議論してきました働き方改革の主要な政策課題、最後の図十二にまとめてみました。五つのポイントがあります。
 一つは、非正規雇用の処遇改善。同一労働同一賃金の話であります。そして二つ目に、長時間労働の是正の問題です。三つ目は、より柔軟な働き方への環境整備。この中には、先ほど申し上げた配偶者控除から夫婦控除への移行、こういった問題も含まれてまいります。そして四つ目に、希望する分野への就労に向けた人材育成。先ほど塩崎大臣に質問させていただきました。さらには、ここでは奨学金の問題。誰もが、学びたい、そう思ったら学ぶ機会が与えられるような奨学金、給付型奨学金の導入のことも検討する必要があると思っております。そして最後に、育児や介護の人材不足の解消、そして外国人材の受け入れ。この五つぐらいをメーンテーマにこれから議論をしていくことになると思っております。
 これらの課題は、これまでも問題と言われながらなかなか改革が進まなかった課題でもあります。国民の多くは、この働き方改革を最優先課題とする安倍政権で具体的結果を出してほしい、このように期待していると思います。改めて、総理の決意をお伺いいたします。
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安倍晋三#29
○安倍内閣総理大臣 ただいま、この働き方改革の主要政策課題について、茂木委員の方から五つにまとめていただきましたが、先般行われました第一回の働き方改革実現会議におきまして、私から、今後本会議で取り上げるテーマについて九つ発言をいたしました。
 具体的には、一番目に同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、そして二番目に賃金引き上げと労働生産性の向上、三番目に時間外労働の上限規制のあり方など長時間労働の是正、そして四番目に雇用のミスマッチ解消に向けた転職、再就職支援、職業訓練などの人材育成、そして格差を固定化させない教育、五番目にテレワーク、副業、兼業といった柔軟な働き方、六番目に働き方に中立的な社会保障制度、税制など女性、若者が活躍しやすい環境整備、そして七番目に高齢者の就業促進、そして八番目に病気の治療や子育て、介護と仕事の両立、九番目に外国人材の受け入れの問題でありまして、委員が御指摘になられたように、幅広く検討していくこととしております。
 今年度内に具体的な実行計画を取りまとめた上で、スピード感を持って国会に関連法案を提出する決意であります。
 多くの方が、働き方改革を進めることは人々のワーク・ライフ・バランスにとっても生産性にとってもいいことであると考えます。これまでできなかったことでありますが、いいことだと思いながらもなかなかこれができなかったのも事実でありまして、具体的な結果を出していきたい、このように思っております。
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