磯田宏の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)
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○参考人(磯田宏君) 御質問ありがとうございます。
端的に申し上げますと、これは、経済学の手法を、どのような手法を用いるか、あるいは理論に依拠するかにかかわらず、ほとんどの経済学者、農業経済学者が認める貿易に関する原理として比較生産費説というものがございます。
これは、非常に短く申し上げますと、複数の国々で、非常に単純化するために農業と工業というふうに二つに分類しますけれども、相対的に見て生産性が高い分野が国際競争力、貿易では優位に立つと。そうすると、それぞれの国が農業と工業があって、両方の産業が同時に優位に立つことはできないということを、先ほど荒幡参考人がおっしゃられた穀物法論争の一端を成したデービッド・リカードが明らかにして、それはその後もいろんな形でソフィスティケートされているわけでございますけれども。
そういう観点で行きますと、完全に自由貿易をするということと、それから、それぞれの国々にある農業や工業、あるいは広範な産業が同時に繁栄するということは原理的に言って両立不可能であるというふうに考えておりまして、その例は、日本の過去の歴史、戦後の高度成長期以来今日までの歴史を見ても検証できますし、あるいはアメリカ合衆国、あるいは韓国、あるいは中国、アメリカの場合は農業が比較優位にありますが、製造業は比較劣位にありますから、製造業はどんどん全体としては衰退していると。韓国、中国、日本はその逆であるという現象が起きているということからも見て取れるというふうに思っております。