磯田宏の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)
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○参考人(磯田宏君) 私も、仮に関税という形での国境措置が長期的にであれ、あるいは、私が申し上げたような危惧が当たって、もっと前倒しにどんどん撤廃されていくということになるようなことになったとすれば、その下で、じゃ、国内農業をどうするかということを考える場合には、既に御指摘ありましたように、直接支払型の、特に、単なる直接支払でなくて不足払い的な要素、すなわち一定のコストなりというものを基準にして、先ほど荒幡参考人も言っておられたような、担い手の経営体がきちっと経営が存立できるような一定の基準というものに対して不足部分を補填していくようなそういうタイプの直接支払、アメリカの二〇一四年農業法も実はそういう内容になっているわけですけれども、そういうものが必要であるというふうに考えます。
それからもう一点、国内の消費者を味方に付けるためのいろいろな施策あるいは輸出を進める施策、これも私は重要性を否定するものでは全くありません。ただ、その場合に、一つは先ほど申し上げた国際貿易上の原理から、もう一つは消費者の側の二極分化ということが国内でも国際的にも起きております。
端的に言うと、格差社会化の進行に歯止めが止まらずに、比較的高い、安全、安心、そして栄養価も高い、出どころもはっきりしている、こういうものを消費できる購買力を持った消費者とそうでない消費者に残念ながら二極化していく流れに歯止めが掛かっていないと。
そういう国内外の消費市場の状況を見ますと、国内農業で伸ばしていけるものは、やはりどうしてもそういうプレミアム的な部分に限定されてくるのではないかと。その部分については当然後押しをするということはやっていくべきだと思うんですが、そうならない部分については、冒頭に申し上げたように、しっかり、仮に国境措置ができなくなるんだとすれば、不足払い的な要素を込めた直接支払ということをかなり強力にやっていく必要があるというふうに考えております。