内田聖子の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会公聴会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○公述人(内田聖子君) 御質問ありがとうございます。
 私は、自由貿易の行き詰まりがアメリカやイギリスの政治的な選択というふうに出ているというふうに申し上げました。
 実際に、世界規模で格差というものが広がっています。これは先進国においても広がっています。これは先ほど萩原さんからもおっしゃっていたように、グローバル経済というものが推し進められた結果です。つまり、自由貿易が最大限世界に広がった。
 当初はこれ、グローバル経済が広がれば、いわゆるトリクルダウンといって、上の方の豊かな人が、大企業や投資家、富裕層ですね、こういう人たちが豊かになっていくわけですね、まず先に。そうすれば、中間層そして最低のラインにいる貧困層にまで富が循環して下に落ちていって、やがて底上げができると、こういう経済理論が八〇年代当初は信じられていたわけですね、理論としても。それで推進されてきた。
 しかし、この三十年の壮大な実験といいましょうか経験の中で、そういうことは実際起こらなかった。むしろ格差は広がっていると。これは国内的にもそうですし、国際的にもそうですが、やはり大企業や投資家、富裕層というのは、例えば内部留保であったり、それから、先ほど申し上げましたが、タックスヘイブンのような、これは一応合法ですが、そういう租税回避の仕組みを使って利潤をためていくというような現象が起こるから下にはこぼれ落ちないということなんですね。
 ですから、今は、私は企業が利潤を上げるということ自体はもちろん否定いたしませんが、問題は、それが再分配をきちんと国内的にもされない、それから法人税の安いところへ、税金を払わなくて済むと。つまり、拠点のある国には税金を納めていないわけですね。そうすれば、当然その国の国民の社会保障とか公的なサービスに回るお金は少なくなる、税収が減るわけですから、そういう問題が世界的な課題になっていると。これはどの国でも、先進国、途上国を問わず共通認識としてあると。
 ですから、これをどう是正していくかということが問題であって、企業に全部もうけさせるのを禁止せよとか、そういう乱暴な議論をしているわけでは決してないということです。

発言情報

speech_id: 119214012X00120161125_018

発言者: 内田聖子

speaker_id: 132

日付: 2016-11-25

院: 参議院

会議名: 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会公聴会