岩井茂樹の発言 (経済産業委員会)

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○岩井茂樹君 ただいま、生産性向上のためにはITの導入とかバックオフィスの効率化等々、様々な施策をされているというお答えをいただきました。一方で、先ほどお話ししたとおり、我が国の人口は歴史上類を見ない急激な減少局面に突入をしております。これを考えますと、今までの延長線上の考え方ではなかなか太刀打ちができないのではないかと。革新的な技術とか製品、そしてサービス、まさにイノベーションが私は必要だと考えます。
 生産性向上のためのイノベーションにはどんなものがあるのか。私は、そのヒントの一つに暗黙知の伝承ということがあると考えております。我が国の競争力の源泉となっているまさにこの暗黙知をデータ化することができれば、より短期間で、かつ広範囲に円滑な技術の伝承が進み、生産性の向上が図られると考えます。
 近年、製造業の物づくりの現場におけるベテラン人材の不足とか技術の伝承がなかなかできないというような課題が生じております。人口減少が進む中で、暗黙知となっている熟練技能を要する作業をデータで見える化をし、ロボットによる代替作業を可能とするなどによりまして、物づくり分野の競争力維持や生産性向上を図っていくことが大変重要ですし、実は、先ほどの資料で見ても分かるように、生産性の低いサービス産業こそ、個人が持つ暗黙知であるノウハウをどうやって形式知にしていくかというのが大変鍵になってくると考えます。
 暗黙知の形式知化の成功例として、次の資料を御覧ください。
 これは、篤農家、篤農家というのは研究熱心でこだわりのある農家さんのことをいいますが、この篤農家の方に例えばこの写真にあるようにアイカメラを装着をしていただき、農作業において、なぜそこを見て、何をどう評価して、どう行動したのか、そのような農家の方のノウハウや思いのデータを集めて収集、分析してアプリにする、そしてそのアプリで新規就農者の皆さんが学んでいく、こんなシステムがもう既にできていると伺っております。
 宮崎県に完熟マンゴー、太陽のタマゴという地域ブランドにもなっているマンゴーがありますけれども、これとても高価で、なおかつ栽培するのが非常に難しいそうです。作ったとしてもなかなか品質が一定にいかなくて、ブランドとして認定されるのが非常に難しい。栽培に慣れた農家の方が作ったとしても認定率が一五%、少し知らない方がやるとほとんど認定されないというような状況だそうです。
 しかし、このアプリによって新規就業者の方が簡単にノウハウを学ぶことができて、ブランド認定されることができるようになったという話も聞こえてまいります。高価な農作物が多く収穫されれば、農家の皆さんの収入も上がるし、地域ブランドとして競争力も付く。まさに、これぞ生産性の向上につながっていくのではないでしょうか。
 先ほどの資料で生産性が低かったサービス産業、中でも観光産業においても、例えばおもてなしの心や気配り、フェース・ツー・フェースで相手の表情を読んでいく、そんな技術というのは、これなかなか経験値が必要であります。このような個人の持つノウハウなどの暗黙知を形式知に変えることにより、従業員がノウハウを習得し、対応できるお客さんの数が増え、生産性が向上する。まさに、製造業やサービス産業といった業態を問わず、暗黙知の形式知化はイノベーションだと考えますけれども、この辺り、御見解をお聞かせください。

発言情報

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発言者: 岩井茂樹

speaker_id: 17305

日付: 2016-10-20

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会