中川雅治の発言 (憲法審査会)

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○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 憲法とは、いかなる政党が政権に就いたとしても守らなければならない共通のルールを定めた国家の基本であり、したがいまして、憲法論議は、各政党が選挙で政権を目指し、政策を推進する活動、すなわち政局とは本質が異なるものであります。
 このような考え方から、これまで国会の憲法審査会及びこれに先立つ憲法調査会における議論も、各党の意見表明や委員同士の自由討議を中心にするとともに、少数会派等にも十分に時間配分を行って議論を尽くし、憲法改正に必要な三分の二以上の幅広い合意形成を目指すとの基本理念に基づいて行われてきたと私は認識いたしております。そして、このような憲法調査会及び憲法審査会での議論の積み重ねが、平成十九年の憲法改正国民投票法の制定や一昨年のいわゆる三つの宿題の解決といった成果に結び付いたものと考えます。
 自由民主党は、昭和三十年の結党以来、憲法論議を積み重ねてまいりました。その間、我が党は、日本国憲法の国民主権、平和主義、基本的人権の尊重といった基本原理を堅持することを明確にした上で、一貫してその基本を大切に、自主的な憲法改正に向けて努力を重ね、平成十七年の新憲法草案、平成二十四年の日本国憲法改正草案といった党の公式文書を公表してまいりました。
 しかし、平成二十四年草案公表以降、議院の構成も変わり、内外から多くの意見も出されておりまして、党内で今後とも議論を重ねて憲法改正の考え方を更に整理する必要があると考えております。このような状況の下、私は、今回改めて憲法改正の必要性に関しまして、以下の点を指摘したいと思います。
 第一は、現行憲法には制定過程の問題があります。
 現行憲法は、連合国軍の占領下において同司令部が作成した草案を基に、その了解の範囲において制定されたものであります。しかしながら、GHQとの交渉過程において日本国政府による検討と修正も相当程度盛り込まれている、あるいは、衆議院、貴族院両院における審議過程で相当程度の修正がなされた、さらに、憲法は制定以来国民の間に定着しているといったこと等からGHQが関与した事実ばかりを強調すべきではないとの意見も多いことは承知しておりますが、現行憲法は日本国の主権が制限された中で制定され、国民の自由な意思が十分に反映されたとは言い難いことは事実であると考えます。
 第二は、現行憲法の内容自体に多くの問題があるということであります。
 前文に関しては様々な問題が指摘されております。憲法第九条の規定では自衛隊の位置付けが明確でなく、自衛権の否定とも取られかねないと言われております。また、緊急事態に対処する規定の新設の必要性も指摘されています。このほかにも環境保全の責務、犯罪被害者等への配慮など新しい人権、財政の健全性、選挙制度、地方自治、私学助成など、改正すべき条文、新たに設ける必要のある条文があること等、多くの課題が指摘されております。
 第三は、国民の意識、民意の変化であります。
 自民党は、平成二十四年の日本国憲法改正草案発表後の総選挙で政権に返り咲き、翌平成二十五年夏の参議院通常選挙においても第一党の地位を回復いたしました。さらに、一昨年の衆議院選挙、本年の参議院選挙の結果、憲法改正を是とする立場の方がそれぞれ両院の総議員の三分の二を超えるに至っております。
 このような選挙結果の背景には、不安定な国際社会や東日本大震災など国内外の情勢の激動による国民意識の変化があるのではないかと思います。国民は、今のままの憲法では自分自身や自分の家族、地域や国家を十分に守ることができないのではないかと考え始めているのではないでしょうか。このような国民の民意に応えることこそ、国会議員の責務と考えます。
 以上、現行憲法の制定過程の問題、不十分な現行憲法の内容、民意の変化の三点から、私は自主的な憲法改正はまさに国政の重要な課題となっていると考えます。
 安倍総理大臣も、今国会の所信表明において、憲法改正案を国民に提示することは国会議員の責任であると指摘されました。参議院憲法審査会も、この重要な課題に応えるべく審議を加速させていくべきであると考えます。そして、その際、何よりも重要なことは、当然のことでありますが、国民の広範な合意形成であり、国会は国民の意向に即した分かりやすく明快な発議をすることが必要であると考えます。
 そのため、本審査会において、各党各会派が意見を持ち寄って、現憲法の足らざる点や改めるべき点など憲法改正の必要性とその内容について熟議を重ね、我が国初めての憲法改正が世界の国々にも理解されるよう丁寧な合意形成を図ってまいりたいと考えております。
 以上、自主的な憲法改正の必要性につきまして意見を申し述べさせていただきました。

発言情報

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発言者: 中川雅治

speaker_id: 13569

日付: 2016-11-16

院: 参議院

会議名: 憲法審査会