玉木伸介の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(玉木伸介君) 今の問題提起に対して私の思うところを申し上げます。
今御指摘のように、平成十六年改正において大変大きな変革があったと思います。これにつきましては、今の制度は賦課方式でございますけれども、賦課方式が一つバージョンアップしたといいますか、賦課方式二・〇というものになったと言ってもいいぐらいかと思います。
その中で、結局私ども考えねばならないことは何であるかというと、毎年毎年実は平均寿命は延びております。それから、出生率が二・〇をずっと下回っているということもこれ事実でございます。そういった中にあって、日本国民全体が日本人らしいちゃんとした暮らしをすることができる、そういう年金制度をつくっていくにはどうしたらいいかということになります。
その場合に、どうしても物価の変動とか賃金の変動というのはあるわけでございまして、その場合に勤労している現役世代の賃金によって可能となる生活の水準と、それから高齢者の生活の水準、もはや勤労していない高齢者の生活の水準、これが相当程度何らかのバランスを取って推移していく、そういった仕組みをビルトインするものとしていろんなスライドの仕組みというのは大変うまく考えられたものだと思います。そこは、十六年改正の時点ではデフレが長く続くといったことは余り意識されていなかった、あるいは日本国民がデフレということも余り実感できなかったというのは事実だと思いますけれども、それが事実として起きてきている。
あるいは、これは私の学生たちに時々聞くんですけれども、彼女らは物の値段が上がったという経験をほとんどしておりません。生まれたときからずっと、例えば電車は何円、おにぎりは何円、全く変わらないです。それから、最近ちょっと人手不足とは言っていますけれども、アルバイト代が上がったという経験もほとんどしておりません。ちょっと我々とは違う感覚を持っていることは事実でございます。
そういった人々の感覚の変化、これは毎年毎年必ず起きているものでございますので、それとなるべく整合的な形でスライド制の間口を広げていく、こういったことは自然なことではないかと思います。
もう一つ私の思うところは、結局我々が、全世代がちゃんとした暮らしをしようと思うと、この国の経済力を高めていくということ以外に方法はありません。その上で、じゃ、年金制度は何ができるかというと、なるべく労働供給を促進的にするということです。これは、高齢者が若者になることはできませんが、高齢者が勤労者になることはできるわけでございます。なるべく働ける方が気持ちよく自然に働けるようなそういう仕組み、なるべくいろんな制度、年金制度を含めて、是非お考えいただきたいと思うところでございます。