桜井智恵子の発言 (文教科学委員会)
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○参考人(桜井智恵子君) 国が行う調査研究です。
調査で効果を検証するということが、現在の教育現場を劣化させています。法案では、必要な措置を、知事及び教育委員会などで構成する協議会を組織するように示されていますが、多忙化は教育委員会も同様で、夜遅くまで仕事に追われています。教職員の精神疾患や過労死ケースも目立ちます。それは何が原因でしょうか。
今月で改正十年目を迎える教育基本法は、十七条で教育振興基本計画を求め、PDCAサイクルに基づく進捗管理で効果の検証が現場で細かく行われるようになりました。学校でのアンケート業務の増大による多忙化は、効果の検証が元凶です。
教育振興基本計画第二期では、十分なPDCAサイクルの不足が指摘、平成二十五年以降、各自治体の基本計画では効果検証が増強されてしまいました。この増強により、教育現場が子供たちより効果検証を重視するようになっています。調査による実態把握が教育をブラック化させているのです。
文科省には、アンケートの対応が現場の自己規制を招き、学校の不自由さを生み出している点をお示ししておきたいと思います。
二点目は、本法案では、不登校の子供の学習活動と心身の状況の継続的な把握が記されています。
不登校児童生徒への支援に関する最終報告では、重点方策の最初に教育支援シートを活用する支援が挙げられています。子供が学校以外の場に撤退し、何とか生きているときもシートで管理し、当事者の知らぬ間に情報共有されるおそれがあります。私が関わった公的第三者機関では、当事者子供の了解なしに、基本的にほかの関係機関との情報共有はいたしませんでした。さらに、シートによる管理により、当事者が精神的に休むことができなくなります。
本法案による多様な分離は、子供に社会への不適合を自認させ、その社会を改善する道筋を閉ざしていきます。障害のある子供が去りつつあるように、学級は不登校の子供が去り、均質化が強化されます。法案で生きづらさが短期的に改善されても、子供や保護者が緊張し、人々が緩やかに暮らせる地域に向かうことはありません。学校教育が人々を分け続ける状況が続くと、均質化による無気力が広がり、物言わぬ無関心な市民が育ち、民主主義国家としては機能不全になっていくと思われます。
法案は通さず、学力調査を含む調査の問題性に気付くことを強くお勧めいたします。
以上です。