安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君)(続) そのようなことは厳に慎むべきであると考えます。
 一昨年のポートフォリオ変更は、デフレから脱却しつつある経済状況において、国内債券に偏ったポートフォリオでは長期的に必要な利回りを確保できないという考え方の下、GPIFでの専門的検討の結果、株式等への分散投資を更に進めたものです。短期的な評価損によって現在のポートフォリオを見直す必要が生じているとは考えておりません。
 なお、国内株式の運用に当たって、GPIFは二十の信託銀行等に投資判断を一任しており、その運用が市場をゆがめているとの御指摘は当たらないと考えます。
 児童扶養手当及び子供の貧困対策についてお尋ねがありました。
 子供の貧困への取組は極めて重要であります。子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはなりません。経済的にも様々な困難を抱えている一人親家庭や子供の多い世帯にはきめ細かな支援が必要です。このため、多子加算については、必要な財源を確保し、子供が二人以上の一人親家庭の加算額を倍額にする改正を行いました。
 第二子の加算額については約三十六年ぶり、第三子以降の加算額については約二十二年ぶりの引上げとなります。その際、特に経済的に厳しい状況にある御家庭に重点を置いて支援するため、所得に応じて支給額を調整する仕組みを設けました。
 民主党政権の三年三か月、二十二億円どころか、児童扶養手当はたったの一円も引き上がりませんでした。重要なことは、言葉を重ねることではありません、結果であります。百の言葉より一の結果であります。
 また、政府としては、NPO等との連携を視野に入れた施策はもちろん、総合的に施策を展開し、支援を必要とする子供たちにしっかりと支援を届けることに全力を尽くしています。政府と地方公共団体、そしてNPO等民間の団体、企業が力を合わせ、全ての子供たちが夢を持って成長していける社会を目指してまいります。今後とも、子供の貧困対策に全力で取り組んでまいります。
 年金生活者支援給付金についてのお尋ねがありました。
 来年四月に予定していた消費税率一〇%への引上げについては、平成三十一年十月まで延期することといたしました。年金生活者支援給付金は、社会保障・税一体改革において行うこととされた低年金受給者の生活を支援するための重要な施策と考えていますが、一方で、これを含めた社会保障の充実については、給付と負担のバランスを考えれば、消費税率の引上げを延期する以上、全てを行うことはできません。また、赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことは私たちはいたしません。
 しかし、安倍政権の子育て世帯を応援する決意は揺らぎません。消費税財源を活用して行う社会保障の充実のうち、待機児童ゼロや介護離職ゼロを目指した保育、介護の受皿整備は予定どおり着実に進めます。
 また、無年金の問題は喫緊の課題です。年金の受給資格期間の十年への短縮を実行します。
 さらに、保育士、介護職員などの処遇改善など、一億総活躍プランに関する施策については、アベノミクスの成果の活用を含め財源を確保し、優先して実施していきます。
 その他の施策についても、優先順位を付けながら、税収の動向や重点化、効率化の効果を見極めつつ、今後の予算編成過程の中で最大限努力をしてまいります。
 介護報酬改定と介護離職ゼロとの整合性についてお尋ねがありました。
 高齢者が増加する中、介護保険制度の持続可能性を確保しつつ、適切なサービスと人材を確保することは重要な課題です。このため、平成二十七年四月の介護報酬改定では、事業者の安定的な経営に配慮しつつ適正化するとともに、介護職員の確保を図るため、処遇改善加算を拡充し、要介護度の重い方を受け入れる場合の加算を設けるなど、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われる、めり張りのある改定を行いました。
 また、介護事業所の状況については、介護報酬改定後も介護報酬の請求事業所数は増加しています。現在、安定的に介護サービスが提供され、利用されているものと考えており、今回の介護報酬改定が介護離職ゼロと逆行しているとの御指摘は全く当たりません。
 介護保険制度の見直しについてお尋ねがありました。
 高齢化の進展に伴い介護給付費や保険料の上昇が見込まれる中で、持続可能な介護保険制度を構築していく必要があります。このため、介護保険制度においては、所得段階に応じた保険料を御負担いただくとともに、前回の制度改正において一定以上所得のある方の利用者負担の引上げを行ったところです。引き続き、利用者負担など、今後の介護保険の在り方については厚生労働省の審議会においてしっかり検討を行ってまいります。
 また、社会保障の充実については、給付と負担のバランスを考えれば、消費税率の引上げを延期する以上、全てを行うことはできません。私たちは赤字国債を財源に社会保障の充実を行うようなことはしないということは、先ほど申し上げたとおりであります。
 先ほども申し上げましたが、社会保障の充実に関する施策については、優先順位を付けながら、税収の動向や重点化、効率化の効果を見極めつつ、今後の予算編成過程の中で最大限努力をしてまいります。
 介護職員の処遇改善についてお尋ねがありました。
 大きな希望を持って介護の道を進んだ方々の高い使命感に私たちはしっかりと応えていかなければなりません。自公政権では、これまでも、財源を確保しつつ、介護職員の処遇改善を着実に行っており、民主党政権時代に比べてはるかに多くの処遇改善を行っています。平成二十一年度の介護報酬改定でプラス九千円、平成二十一年度補正予算でプラス一万五千円、そして平成二十七年度の介護報酬改定でプラス一万三千円と、合計三万七千円相当の処遇改善を図ってまいりました。一方、民主党政権での処遇改善の効果は、平成二十四年度の介護報酬改定で処遇改善加算をつくった際のプラス六千円相当にすぎません。
 さらに、平成二十九年度には、ニッポン一億総活躍プランに基づき介護報酬を改定し、技能や経験に応じた給料アップの仕組みを構築し、月額平均一万円相当の処遇の改善に取り組みます。そのための予算措置については、本年八月の経済対策に基づき来年度当初予算に計上することとしており、アベノミクスの果実の活用を含め財源を確保し、優先して実施してまいります。
 保育士の処遇改善についてお尋ねがありました。
 高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々に仕事を続けていただくためには、処遇を改善するだけではなく、保育士資格を持つ方の就職支援や事務負担の軽減による離職の防止などに総合的に取り組む必要があります。
 御指摘の法案については、恒久的な財源の確保策が明らかになっておらず、人材確保のために必要な総合的な対策となっていない点が問題であると考えています。
 安倍政権では、政権交代直後、保育士等の処遇を二・八五%改善し、以降、毎年度改善に取り組み、これまで七%改善してまいりました。安倍政権は全く改善をしていないという御指摘は当たりません。
 一方、民進党は、あの三年三か月、保育士の処遇改善を何一つ行ってこられませんでした。それどころか、給与は何とマイナス一・二%、下がったのであります。
 民主党政権で減少傾向にあった保育士給与は、平成二十五年度を底に上昇に転じ、その後、着実に上昇をしております。来年度は、さらに二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士としての技能、経験を積んだ職員について四万円程度の追加的な処遇改善を実施することとしており、継続して実施すべく、予算編成過程でしっかりと検討してまいります。
 築地市場の移転についてお尋ねがありました。
 豊洲市場における食の安全性の確保については、まずもって市場開設者である東京都が責任を持って対応することが必要です。その上で、中央卸売市場の位置を変更する際には、卸売市場法に基づき農林水産大臣の認可が必要となります。具体的には、生鮮食料品の卸売の中核的な拠点として適切な場所か、食の安全を含めた各種法令に適合しているか等の基準に照らし、認可の判断をすることとなります。
 豊洲市場への移転についても、東京都から認可申請が行われた場合、農林水産大臣が認可の是非を判断することとなりますが、その際、法令に基づき厳正な審査を行い、適切に認可の判断を行っていくとの方針に従来より違いはないものと考えております。
 米のSBSについてお尋ねがありました。
 TPP交渉においては、米が我が国最大のセンシティブ品目であることを踏まえ、国会決議を後ろ盾にぎりぎりの交渉を行いました。その結果、国家貿易制度の維持など多くの例外措置を獲得することができたことから、輸入の大幅な増大は見込み難いと考えております。
 また、新たに設立される米国、豪州向けのSBSの国別枠において輸入される米については、輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることにより、国内の需給及び価格に与える影響を遮断することとしております。TPPの影響試算はこのことを前提としたものであり、政府の説明が有名無実化するとの指摘は当たらず、やり直しの必要はないと考えております。
 なお、一部で報道されているSBSの入札参加事業者間の金銭のやり取りについては、そのような実態があるとすれば、民間事業者間の問題とはいえ、米農家に不信感を生じさせるとの問題も指摘されています。このため、農林水産省において、事業者のヒアリング調査や価格動向の分析などを鋭意進めており、可能な限り速やかに公表したいと考えております。
 東京大会の経費についてお尋ねがありました。
 政府としては、昨年十一月に閣議決定した基本方針において、政府が実施する関連施策のコストをできるだけ抑制することを掲げており、国民の理解を得るためにもコストの抑制は欠かせないと考えています。
 一方、東京都が負担する経費については、東京都の責任の下、支出されることとなりますが、いずれにせよ、東京大会が国民から祝福される大会となるよう関係者と連携しながら取り組んでまいります。
 所信表明演説における女性活躍への言及についてお尋ねがありました。
 全ての女性が輝く社会の実現は安倍政権の変わらぬ大方針であります。演説をよく読んでいただければお分かりいただけると思いますが、女性が活躍できる社会づくりは、安倍内閣の最大のチャレンジであり、一億総活躍を目指す上で中核となる課題です。そのため、演説でも、女性も男性も生きがいを感じられる社会を目指すと明記しました。
 加えて、今回の演説では、介護福祉士を目指す学生の小金栞さん、パラリンピックの代表選手、佐藤真海さん、新規農業者の工藤ひかりさんなど、現在、社会で活躍している女性たちの具体例にたくさん言及したところであります。政策面でも介護や保育の充実、働き方改革に多くの分量を割きましたが、これらは女性活躍を推進する上で欠かせないものであります。
 ただスローガンを重ねるだけでは社会を変えることはできません。具体的な政策なくしてそのスローガンを現実のものとすることはできません。安倍内閣は、これからも全ての女性が輝く社会の実現を目指し、具体的な政策を提案し、実行し、そして結果を出していく決意であります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 119215254X00220160928_009

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2016-09-28

院: 参議院

会議名: 本会議