安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 橋本聖子議員にお答えをいたします。
台風等に備えた事前の防災対策についてお尋ねがありました。
まず、改めて、一連の台風災害でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表し、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。
近年、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している中、台風等に備えた事前の防災対策は災害発生時の被害を大きく軽減できることから、我が国にとってまさに焦眉の急であると認識しております。このため、水害の危険性が高い箇所について、堤防整備等を今後五か年で優先的に実施していくなど、効率的、効果的な防災対策を実施してまいります。
我が国は、場所を問わず様々な災害が発生しやすい環境にあります。ハードとソフトの対策を適切に組み合わせ、今後とも政府一体となって事前の防災対策に全力で取り組んでまいります。
リオ大会についての感想と東京大会に向けた抱負、準備方針についてお尋ねがありました。
世界中の人々が注目するひのき舞台で、大きな期待を背負いながら懸命に立ち向かっていく選手の姿に日本全体が感動しました。夢はかなうことを日本中に見せてくれたと思います。
リオでの日本選手団の健闘は、東京大会へのスタートとなりました。政府としても、東京都や関係機関との連携を密にし、オープンなプロセスによる意思決定を行うとともに、コストをできるだけ抑制し、限られた予算と時間で最高の大会となるよう着実に準備を進めてまいります。
二〇二〇年の東京大会では、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、全世界に向けて夢と感動、そして平和を発信できるよう、政府一丸となって取り組んでまいります。
北朝鮮の核・ミサイル問題についてお尋ねがありました。
北朝鮮の核実験及び弾道ミサイルの発射は許し難い暴挙であり、断じて容認できません。今回の核実験は相次ぐ弾道ミサイル発射と相まって新たな段階の脅威であり、これに対する対応も全く異なるものでなければなりません。北朝鮮に対して、このまま核やミサイルの開発を続けていけばますます国際社会から孤立し、その将来を切り開くことはできないということを理解させなければなりません。我が国は、非常任理事国として、新たな安保理決議の採択に向け、米国、韓国、中国、ロシア等と緊密に連携しながらリーダーシップを発揮してまいります。
御指摘の対北朝鮮措置の強化に関する要望も踏まえ、北朝鮮への人、物資、資金の流れを厳しく規制する新たな安保理決議、そして我が国独自の措置により断固たる対応を取っていく決意であります。核、ミサイル、そして引き続き最重要課題である拉致問題に関し、北朝鮮が問題の解決に向け具体的行動を取るよう強く求めてまいります。
北方領土問題と日ロの経済協力の進め方についてお尋ねがありました。
戦後七十年以上を経てもなお平和条約が締結されていない異常な状態を打開するため、首脳同士の信頼関係の下に解決策を見出していく必要があります。
プーチン大統領との間では、五月のソチにおける首脳会談で、これまで停滞してきた交渉に突破口を開くため、未来志向の考えに立って、今までの発想にとらわれない新しいアプローチで交渉を精力的に進めていくことで一致しました。そして、今月のウラジオストクにて行った通算十四回目となる首脳会談では、二人で突っ込んだ議論を行い、交渉を具体的に進めていく道筋が見えてくるような手応えを強く感じました。
経済分野では、先般の首脳会談においては、八項目の協力プランの具体化を含む日ロ協力の現状や今後の見通し等について意見交換を行ったところです。経済分野を含め幅広い分野で日ロ関係を国益に資するような形で進めていく中で、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく、引き続きロシア側との間で粘り強く交渉に取り組んでいく考えであります。
十二月に予定する山口県での日ロ首脳会談では、こうした考えに基づき、静かな雰囲気の中で率直に議論し、平和条約締結交渉を前進させてまいります。先般、元島民代表の方々とお会いし、元島民の皆様が高齢化しているとの切実な声をお伺いしました。このお気持ちをしっかり胸に刻んで交渉してまいります。
地方創生の現状と今後の方針についてお尋ねがありました。
日本の地方には、豊かな自然、固有の歴史、文化、特色ある農林水産物などの魅力があふれています。地方創生は、このような魅力を生かし、若者を引き付ける個性豊かな地方をつくり上げていく挑戦です。
国の支援は御質問のような交付金を出すことにとどまるものではありません。地域経済分析システムによって、観光客などの人の流れ、企業の雇用や付加価値など官民のビッグデータを分析し、自治体のどのような取組が高い効果を生むかを見極める情報面での支援、地方の活性化に情熱と知見を有する国家公務員等の人材を市町村に派遣し、また、地方創生の様々な担い手を育成するなどの人材面の支援など、あらゆる手段によって支援します。国と地方がまさに共に考え、行動し、精力的に取り組んでまいります。
農林水産物の輸出についてお尋ねがありました。
昨年の農林水産物・食品の輸出は約七千五百億円、安倍内閣においては三年連続で過去最高額を更新し、本年も昨年を上回るペースで伸びています。このような状況やTPP参加国の関税が撤廃されることを踏まえ、輸出一兆円目標を一年前倒しして、平成三十一年の達成を目指すことといたしました。
本年五月には農林水産業の輸出力強化戦略を決定しており、目標の達成に向けて、民間の意欲的な取組を支援するための多様な施策を積極的に展開してまいります。また、今回の補正予算では、輸出基地、輸出対応型施設の整備、国際競争力のある産地の形成などを支援することとしております。
私自身、先般、ニューヨークやケニアにおいて、世界各国の要人に自ら日本食のPRを行いました。輸出額一兆円目標の早期達成に向けて、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。おいしくて安全な日本の農林水産物を世界に売り込んでまいります。
一億総活躍社会におけるスポーツの役割、働き方改革や子育て、介護の環境整備についてのお尋ねがありました。
スポーツには、人々を夢中にさせ感動させる魅力があるとともに、地域、経済の活性化や国民の健康増進、さらには活力のある長寿社会の実現など、様々な分野の課題を解決し、我が国の未来を切り開いていく可能性を秘めています。スポーツが持つ潜在能力を発揮していくことが一億総活躍社会の礎の一つとなるものと考えています。
また、一億総活躍社会の実現に向けた最大の鍵は、働き方改革です。働く人の立場に立った改革を進め、意欲ある方々に多様なチャンスを生み出す労働制度の大胆な改革を進めます。
多様なライフスタイルと仕事を両立させるため、長時間労働の慣行を断ち切るとともに、テレワークなど柔軟な働き方を広げていきます。同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃します。各般にわたる労働制度の改革プラン、働き方改革実行計画を今年度内にまとめ、可能なものからスピード感を持って実行していきます。
また、介護離職ゼロを目指し、五十万人分の介護の受皿を前倒しで整備します。さらに、保育の受皿整備を加速し、子育てと仕事の両立を進めるなど子育て支援を拡充し、希望出生率一・八に向かって歩みを進めてまいります。
高齢化社会を迎えた我が国におけるスポーツ医学から学ぶ点についてのお尋ねがありました。
団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向け、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が切れ目なく包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築を進めているところです。
こうした取組を進める上で、スポーツ医学のようなチーム医療や予防医療、予防医学の実践は、適切な医療や介護、高齢者の健康づくりの取組を進め、高齢者がいつまでも生き生きと生活を送る社会をつくる上で大切な視点と考えています。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕