山下芳生の発言 (本会議)
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○山下芳生君 日本共産党を代表して、関係大臣に質問します。
地方自治体が住民福祉の増進を図るという本来の役割を果たすためには、地方税や地方交付税など必要な財源が保障されなければなりません。ところが、地方の財源不足が二十一年間も続いています。その原因はどこにあるでしょうか。まず、総務大臣に認識を伺います。
元々、我が国では、国と地方を合わせた行政サービスの六割を地方自治体が担っているにもかかわらず、国、地方を合わせた税収の四割しか地方に配分されないというギャップがあります。その上に、この間の自民党政治が地方財政を悪化させる要因となったことを指摘しなければなりません。
一つは、バブル経済崩壊後、政府が景気対策として地方自治体に単独で公共事業を増やすよう主導、誘導したことです。これにより、バブルが破綻したにもかかわらず、全国各地で大型公共事業が新たに着手され、結果、その多くが失敗し、多額の借金が地方に積み上がることになりました。
もう一つは、消費税の増税が景気を冷え込ませ、地方財政にも大きな打撃となったことです。九七年、消費税が五%へと増税されたとき地方消費税が創設されましたが、消費税増税による景気悪化によって他の税収が減少したために、都道府県、市町村の税収総額は逆にマイナスとなりました。一昨年の消費税八%への増税後も、地方消費税の恩恵のない市町村の税収総額はマイナスとなっています。
さらに、小泉政権の三位一体改革によって、国から地方への税源移譲をはるかに上回る国庫補助負担金と地方交付税の削減が行われ、地方自治体の財政危機を一層深刻にしたことも重大です。
このように、歴代自民党政権の政策が長年にわたって地方財政を悪化させてきた根本要因だという自覚と反省はありますか。高市総務大臣、そして、三位一体改革当時の総務大臣だった麻生財務大臣の答弁を求めます。
法案は、消費税一〇%への増税を再延期するものですが、消費税増税が景気悪化と格差拡大を招き、地方財政をも悪化させた事実を直視するなら、増税は延期ではなくきっぱり断念すべきではありませんか。総務大臣、断念しないのなら、三年後、消費税を増税しても地方財政が悪化しない保証はどこにあるのですか、お答えください。
歴代政権がもたらした自治体財政の悪化、自治体リストラの強要は、結局、住民へのしわ寄せとなって現れました。
例えば保育の問題です。三位一体改革による地方交付税の削減は、自治体の保育予算縮減に直結し、都道府県が実施していた障害児保育を促進するための補助、あるいは公立保育所と同水準の保育を民間保育所でも維持するための補助などの廃止、見直しをもたらしました。さらに、公立保育所に対する国の運営費補助などが一般財源化されたことにより、全国で公立保育所の削減と保育士の非正規化が加速しました。
国の政策が保育の量と質の低下をもたらし、今日の保育所不足を招く土台となったことをどう認識していますか。総務大臣と塩崎厚生労働大臣、それぞれに見解を求めます。
歴代の自民党政権が地方財政を悪化させた上に、安倍政権によって地方自治体に新たな負担が押し付けられていることは看過できません。
介護保険制度の見直しにより、要支援一、二の訪問介護、通所介護が保険給付から外され、市町村の事業に移管されることとなりました。しかし、多くの自治体が、住民ボランティアに頼ることへの戸惑い、報酬引下げによる事業者の相次ぐ撤退などの困難に直面し、要支援向けのサービスが提供できない心配が生まれています。
政府は制度の持続可能性を高めるためと言いますが、これまで持続してきたサービスを断ち切っているのが実態ではありませんか。厚生労働大臣、こうした実態をどう把握し、どう対応するつもりですか。社会保障の給付削減、自治体への財源保障なき事業押し付けはやめるべきではありませんか。
安倍政権が今年度から地方交付税制度に導入したトップランナー方式も大きな問題です。
地方交付税制度は、本来、自治体が行政サービスを標準的に行う場合の経費を基準に、地方税などの収入で賄い切れない不足分について、どの自治体にも財源保障する制度です。ところが、トップランナー方式は、民間委託や民営化などでコストカットを進めた自治体の低い経費を基準に地方交付税が算定されるもので、地方交付税の削減につながります。
来年度、図書館や博物館などで指定管理者制度を前提とした算定基準の引下げが検討されていますが、既に指定管理者制度を導入した施設では、子供への読み聞かせに熱心な館長の雇い止めや地域の図書館同士の連携の後退など様々な問題が起きています。
総務大臣、地域の文化や住民サービスの後退を招き、地方交付税制度本来の趣旨に根本から反するトップランナー方式は抜本的に見直すべきではありませんか。そして、財源不足が続いたときは地方交付税の法定率を引き上げるとしている地方交付税法の原則に従って、今こそ法定率を引き上げるべきではありませんか。
日本共産党は、大企業や富裕層に対する優遇税制を是正し、能力に応じて負担する公平公正な税制への改革で国、地方の財源を確保すること、そして自治体が住民福祉の増進という本来の役割を果たせるよう、地方交付税を拡充することを強く求めます。
厳しい財政の下でも独自の努力を行っている自治体は少なくありません。
例えば、東日本大震災の被災地では、多くの被災自治体が、被災住民の住宅再建支援や医療費の窓口負担免除など独自の支援を行ってきました。熊本地震や鳥取地震でも、一部損壊に対する独自の支援の具体化が始まっています。
これらの支援は被災者を大きく励ましています。国は、こうした自治体の努力を積極的に支えるべきだと考えますが、総務大臣、いかがですか。
子育て世代への支援を強める自治体も広がっています。子供医療費の無料化を含む助成制度は、今や全国全ての都道府県、市町村で実施され、子供の健やかな成長に大きな役割を果たしています。
子育て世代の願いと自治体の努力に応え、子供医療費助成制度を国の制度とすべきではありませんか。少なくとも、全自治体が実施している下では到底通用しない国庫の公平な配分などという理由で、実施自治体に対し国保の国庫負担金を減額するなどペナルティーを科すやり方は直ちにやめるべきではありませんか。厚生労働大臣、お答えください。
今年は、憲法公布七十年であるとともに、地方自治制度施行七十年でもあります。その年に、度重なる選挙で示された沖縄県民の意思をじゅうりんし、辺野古、高江、伊江島で米軍基地の建設を強行するなど断じて許されません。地域の在り方は地域に住む住民の意思によって決める、真の地方自治の確立を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕