岸本薫の発言 (経済産業委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○岸本参考人 おはようございます。電力総連の岸本でございます。
本日は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法改正法案の審議に際しまして、電力関連産業に働く者の立場から御意見を述べさせていただくこうした機会を賜りました。まことにありがとうございます。
私ども電力総連は、発電から送配電、設備や部材、部品の製造、建設から保守メンテナンス、保安、お客様サービスに至るまで、電力関連産業に携わる労働者約二十一万人で組織をする労働組合でございまして、加盟組合数は約二百三十組合でございます。
さて、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故から六年が経過をいたしました。この間、電力関連産業の現場第一線におきましては、原子力安全の向上に向けました不断の努力はもとより、原子力施設の新規制基準への対応や福島第一原子力発電所の廃止措置などに向けた取り組み、フル稼働を続ける火力電源などの脱落リスクや太陽光発電などの自然変動電源の急速な拡大に伴います諸課題等々、電力需給環境下のもとでの安定供給の確保、経営基盤強化を目的としました聖域なき経営効率化への対応、そして、近年相次ぐ大規模自然災害からの早期復旧など多くの課題に対しまして、グループ会社、協力会社を含めまして、同じ電力関連産業で働く者全体が、お互いを支え合いながら、与えられた社会的な使命を全うし続けているところでございます。
福島における廃炉、復興に向けましては、国の方針のもと、東京電力グループや協力会社、プラントメーカーなどの皆様を初めとする関係者によります昼夜を分かたぬ懸命な努力を積み重ね、安全かつ円滑な廃止措置等に向けた取り組みを続けているところでございます。
また、福島第一原子力発電所の周辺を含む福島におきましては、住民の皆様の、帰還に向けた除染活動や復興活動も継続しているところでございます。
福島第一原子力発電所の廃止措置等につきましては、燃料デブリの取り出しを経て、全号機の燃料デブリ取り出し終了、その後の廃止措置終了までには三十年から四十年を要するという中長期ロードマップや技術戦略のプランが示されているところであります。
これらを達成するためには、国が主体的にかかわりつつ新しい技術開発などを行いながら、現場第一線で働く者の安全衛生の確保を第一義とした上で、着実な廃炉作業を進めていく必要がございます。
先ほど廣瀬参考人の方からございましたように、労働環境面に関しましては、今日的には、全面マスクを着用せずに作業できる場所が徐々に拡大をしてきている状況、また、そこで働く者の意見、要望を踏まえていただきまして、発電所の近くで休憩、休息をとることができる大型休憩所の運用開始であったり、コンビニエンスストアの開設、温かい食事が提供できるようになったことに加えまして、昨年十月からは新事務本館が運用開始をしましたし、本年二月二十日からは新事務棟へ協力企業の方々が順次移転をいただきまして、これによって、協力企業と東京電力が密着した場所で執務をすることができることになったわけでございまして、発電所全体が一体となって廃炉作業に取り組める環境になってきているところでございます。
このように、少しずつではございますが、福島第一原子力発電所で作業に従事をする方々が安心して働けるよう、労働環境の改善が進んでいる状況にございます。
本日は、こうした現場の実情も踏まえた上で、御審議をされます原子力損害賠償・廃炉等支援機構法改正法案につきまして、働く者の立場から、二点につきまして私どもの考え方を申し上げます。
まず一点目でございますが、今般の積立金制度の創設につきましては、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の安全かつ着実な実施におきまして、東京電力が廃炉の責任を果たしていくという原則を維持し、国として、長期にわたる巨額の資金需要にも対応するための制度を整備、廃炉の実施をより確実なものとしていく必要があるということから、事故炉の廃炉を行う原子力事業者に対して積み立てることを義務づけるなどの措置を講ずるものであるというふうに承知をいたします。
今後、原子力損害賠償・廃炉等支援機構におきましては、原子力事業者から納付をされます一般負担金と、東京電力が積み立てを行います福島第一原子力発電所の廃炉等積立金の両者を管理をしていくということになるわけでございますが、被災者の救済の原資であります一般負担金と廃炉等積立金を明確に区分をし、適切な管理がされますよう、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に対するガバナンスを強化をしていくべきであるというふうに考えるところであります。
つきましては、貫徹小委員会の中間まとめに対する意見募集の結果におきましても、福島第一原子力発電所の廃炉の資金管理、確保のあり方については、国の考え方といたしまして、両者は区分整理をすることで適切に管理をしていきたいと考えているとの考え方が示されているところでございますので、この場で改めてお願いを申し上げます。
二点目は、働く者の労働安全、労働環境の確保と、人材、技術の維持、継承についてであります。
福島第一原子力発電所の廃止措置につきましては、前例のない挑戦の連続であります。かつ、長期にわたる取り組みに相なるわけでございますから、放射線健康管理を含む安全衛生の確保を初めといたしまして、健康で働きやすい労働環境の整備、並びに、廃止措置を支える人材の確保や技術基盤の維持発展が必要不可欠であるというふうに考えています。
加えて、福島第一原子力発電所のみならず、全国で働く原子力関連産業におきましても、働く者の安全衛生の確保、やりがい、働きがいを保ち続けることができる労働環境の整備、人材と現場力の維持、継承が、電力の今後の安全・安定供給に何よりも不可欠であるというふうに考えますので、ぜひとも御配意をお願い申し上げる次第でございます。
最後になりますが、申し上げるまでもなく、いついかなるときも、電力の安全・安定供給は、二十四時間、三百六十五日、現場第一線で働く、人の営みによって成り立っているところであります。
今般の法案の審議に際しまして、現場で働く者の実情をぜひお酌み取りをいただき進めていただきますようお願いを申し上げまして、私からの陳述といたします。
ありがとうございました。(拍手)