武田勉の発言 (経済産業委員会)

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○武田参考人 おはようございます。株式会社エネットの武田でございます。
 本日は、このような機会を賜り、まことにありがとうございます。
 まずは、意見陳述に先立ちまして、弊社の簡単な御紹介をさせていただきたいと思います。お手元の資料の一番最後のページ、六ページ目をごらんください。
 弊社は、二〇〇〇年の小売の自由化と同時に、NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスの三社により設立されました。
 事業内容としましては、全国約二百カ所の発電所からの余剰電力や日本卸電力取引所からの電力を購入し、特別高圧・高圧のお客様におかれましては全国約二万三千件、昨年四月に自由化された低圧分野におきましては全国約一万七千件のお客様に電力を供給しております。
 本日は、今回の改正法案が提出されました背景の一つであります、電力システム改革の進展を促す仕組みの具体化に向けて昨年に設置されました電力システム改革貫徹のための政策小委員会での議論に沿いまして、少し広範になりますが、意見を述べさせていただきたいと思います。
 それでは、一ページ目にお戻りいただけますでしょうか。
 初めに、電力システム改革に向けた弊社の基本的な考え方について説明いたします。
 昨年の九月に貫徹委員会が設置されました。そこでは、安定供給、電気料金の最大限の抑制、事業者の事業機会及び需要家の選択肢の拡大を目的として、さらなる競争活性化の方策と自由化のもとでの公益課題への対応策について広範な検討が行われました。
 図に示しますように、貫徹小委の下には二つのワーキングが設置され、市場整備に関する論点と財務会計に関する論点に分けて議論がされました。ことしの二月の中間取りまとめで、全体のパッケージとして取りまとめたものであります。
 その結果、新たな制度の導入についての方向性が示されましたが、今後の詳細設計に当たっては、そこに書かれておりますとおり、特に、需要家メリットを享受できる制度とする視点と、旧一般電気事業者と私ども新電力との競争を阻害しない、不公平にならない制度とする視点が重要であると考えます。
 続きまして、二ページ目をごらんください。
 まずは、財務会計関連の論点につきまして意見を述べさせていただきます。
 通常炉の廃炉費用と原子力損害賠償費用についてですが、これらの費用につきましては、新電力のお客様を含め、託送料金で回収することとしています。通常炉の廃炉費用や原子力損害賠償費用の過去分は、本来、原子力事業者が発電コストに含めてみずから最大限の努力で回収すべき費用であると思いますので、託送料金によりこれらの費用を回収するということは、電力システム改革の制度の趣旨と照らして慎重であるべきと考えます。
 また、託送料金によりこれらの費用を回収するのであれば、託送料金で回収する理由や回収する費用の計算方法、さらには回収状況等について十分に情報公開を行うなど、需要家に対して丁寧に説明していただき、需要家が負担について理解できる仕組みとすることが必要であると考えます。
 加えて、原子力につきましては、公益電源として位置づけることも長期的には検討が必要ではないかと考えます。
 次に、事故炉の廃炉費用についてですが、こちらにつきましては、事故当事者の負担とすると整理されており、基本的には賛成いたします。
 また、東京電力の送配電事業の合理化分を事故炉の廃炉費用に充当することとなっていますが、それによって、東電エリアの託送料金が高どまりし、他のエリアと比較して需要家の負担が過大となってしまうことや、設備投資の不足により送電事業の信頼性が低下したりするなどの問題が生じないよう、チェックや監視が必要であると考えます。
 次に、三ページ目をごらんください。市場整備関連の論点でございます。
 まず、ベースロード電源市場ですが、現在、石炭火力や大型水力、原子力などの安価なベースロード電源については、旧一般電気事業者等が大部分を保有している状態であり、我々新規参入者によるアクセスは極めて限定的であります。
 このため、ベースロード電源市場の創設が、新規参入者によるベースロード電源へのアクセスを容易にし、新規参入者の電源調達環境が改善されるとともに、電気料金の低下や需要家の選択肢拡大につながるものとして大いに期待しております。
 一方で、ベースロード電源市場が競争活性化に資する制度として実効的に機能するためには、旧一般電気事業者の、電源を所有する事業者に対して、十分な量、適切な価格での電源供出を求める仕組みが必要であると考えます。
 次に非化石価値取引市場ですが、再生可能エネルギーの環境価値を提供する手段として、非化石価値取引市場の創設に期待しております。また、エネルギー供給構造高度化法の義務履行の観点からは、原子力や大型水力を保有している旧一般電気事業者と、それらの電源を保有していない新電力とのイコールフッティングが重要であり、二〇三〇年に一律四四%の義務を課す現行の目標の考え方の見直しを含め、旧一般電気事業者の競争優位とならない制度設計が必要と考えています。
 三点目、容量メカニズムについてです。
 電源の新陳代謝が市場原理を通じて適切に行われることによって、より効率的に中長期的に必要な供給力を確保するという観点からは、高効率の新規電源建設を促す仕組みとすべきであると考えます。
 最後になります。四点目です。
 連系線の利用ルールについてですが、公正な競争環境のもとで送電線を利用するという観点から、現行の先着優先ルールを見直し、間接オークションに移行することに賛成いたします。
 最後に、四ページ目をごらんください。本日のまとめとして、三点意見を述べさせていただきます。
 まず一点目、原子力の廃炉費用や損害賠償費用の過去分についてでございます。
 今回新たに需要家に負担を求めることになったもので、国による広報活動などを通じて需要家に丁寧に説明していただき、需要家の理解を得ることが重要だと考えます。
 次に、二点目です。
 託送料金の仕組みで、既に、電源開発促進税並びに使用済み燃料再処理費用、いわゆるバックエンド費用が回収されています。今回、それらに加えて、通常炉の廃炉費用や損害賠償費用の過去分が追加されるため、今後、容易にこのような仕組みが追加されることのないよう、託送料金による回収について、今後の考え方を明確に整理する必要があると考えます。
 最後になります。
 今回の電力システム改革では、さらなる競争活性化のためとして、ベースロード市場の創設や連系線利用ルールの見直しと、公的課題への対応のためとして、容量メカニズムの導入、非化石市場の創設、さらには、自由化のもとでの財務会計に関する措置等、広範な制度の見直しが行われています。
 競争が真に活性化するためには、各制度が個々に機能するだけではなく、総合的に機能することが重要であるとともに、監視機関が制度の導入後に適切なタイミングで評価し、継続的にモニタリング等を実施する役割を果たしていただくことを期待しています。
 私からのプレゼンは以上になります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 武田勉

speaker_id: 23126

日付: 2017-04-07

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会