宮崎政久の発言 (憲法審査会)
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○宮崎(政)委員 私は、現行憲法のもとにおいても、投票価値の平等という憲法上の要請は、必ずしも、衆議院において議員一人当たりの人口が最高選挙区と最低選挙区の間で二対一未満、つまり二倍未満であること及び参議院において都道府県をまたいだ合区という制度をつくることまでは要請をしていないということを意見として申し上げて、現行憲法でもそれは速やかに行われるべきでありますが、必要であれば憲法の改正、もしくは立法措置がとられて、不適切な選挙の運用がなされないようにするべきであるという意見を申し述べるものであります。
まず、その理由の第一としては、選挙権、また投票価値の平等というものが重要であるというふうに語られているのは、これは民主制の過程を支えるものであって、民主主義の成立の過程から重要であると語られているわけであります。
そうしますと、民主制の過程として、有権者が現実社会の中で具体的に投票行動という場で政治過程にアクセスできることが絶対的に必要でありまして、こういった現実を無視した形での選挙制度、区割りをつくることはできないと考えております。
二番目に、平等というものも価値的概念であるということを指摘したいと思います。平等もあわせて価値的概念であることから、判例も変遷をしてきたわけであります。
そうしますと、しばしば言われております、憲法を私たちの暮らしの中に生かす、生活の中に生かしていくといった場合には、参政権を充実させるに当たっては、過疎対策という考え方ではなくて、今、私たちの国が置かれている少子高齢化社会への対応と東京一極集中を是正することによって、活力のある地域を今後もこの国としてつくっていく、この国の将来を切り開いていくという意味で、国民の生活の実態にも合わせて政治参加のあり方をつくっていくことが必須だと考えているからであります。
次に、もう一点指摘をいたしますと、投票率の問題があると思います。
既に指摘をされているとおり、都市部と地方の間では格差があることは、本日配付されている資料にも記載があります。投票率の低い都市部のみで大多数の議員が選出されるということになれば、政治の空洞化が起きるわけでありまして、憲法の三大原理である国民主権が形骸化することになるわけであります。もちろん政治の側の役割も重要であるわけでありますけれども、議員定数の配分という場面においてもこのことは考慮されるべきだと考えております。
以上のような次第で、私は、憲法の第八章地方自治の現在の記載がどうであるか、今の記載の状況のままであったとしても、衆議院における二倍未満及び参議院で合区をしなければいけないということは、必ずしも投票価値の平等としては要請されていないと考えております。憲法を守って国滅ぶと言ったら言い過ぎかもしれません。国民の生活が置き去りになってしまうということはあってはならないと思っております。
明治以来、歴史的にも形成されている都道府県制度、この国の国柄がどうやってつくられてきたのか、そしてまた、現実における、国民の暮らしにおける意識や生活の実態、こういったものを前提とした場合には、やはり都道府県制度というものの果たしている機能を生かした上で投票価値の平等を生み出さなければならないと思っております。
なお、例えば選挙の区割りで道州制その他の制度を採用するというようなことを前提とした形のものであるとすれば、これは改めての立法措置が必須になってくると考えているところであります。
以上です。