太田昭宏の発言 (憲法審査会)

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○太田(昭)委員 第八章に四条しか地方自治がなく、抽象度が高い、そのために国がどうしても優先してしまうという憲法になっているということであるのは、指摘のとおりだと思います。
 本旨とは一体何であるかとか、あるいは条例制定権ということについても財源についても、また道州制や東京一極集中というものをどうするかということについて、きょうも論議がされていて、余り違和感は私はありません。
 ただ、今、緊急の課題というか、一番困っているというのは、東京一極集中とともに、全国の人口減少、過疎化の進行ということの中で、過疎の町はどう生きていくのか、地方というのがどうやって生き抜いていくのかということだと私は思います。
 人口減少、超高齢社会、そして災害が非常に多くて、地方自治体はそのことで本当に悩み、苦しみ、そしてそれに対応する人がいない、こういう状況にあろうというふうに思いますし、グローバリゼーションの進行の中で、世界の都市間競争が激しくなってくるということにどうするかということが一番大事なことだし、またICTの加速度的な進展ということも現在大きな課題であろうというふうに思います。
 その中で、距離は死に、位置が重要となる。ICTの進展を初めとして、今、世界の中での、グローバリゼーションの中での競争とともに、この日本という社会の中で距離が短くなり、距離は死に、位置が重要となるという言葉があります。私は全くそのとおりだと思います。
 ICTの振興ということもあります。それから、国が、安保や金融や外交ということもありますけれども、経済という点でも一体化する。マスコミということの中で、日本国民が意識としても一体化をし始めてきて、情報というものが境界を取り払ってきているということがあろうと思います。
 そこで、距離は死に、位置が重要ということの位置というのは、地方にとりましては個性ということだと思います。それぞれの地方の都市が個性をどう発揮するかということが実は大事で、そのことを背景にして、国交大臣のときに私は、二〇五〇年を目指しての、日本の「国土のグランドデザイン二〇五〇 対流促進型国土の形成」ということを言いました。
 そして、個性ある都市というものをそれぞれコンパクトシティーで目指しながら、お互いに個性が見つけられて発揮されるがゆえに、そこに物理学で言う対流現象というものが起きてくる、連携革命ということになってくるということをして、それぞれの地方創生がどういう形で展開されていくかということをビジョンを示したわけであります。
 その中で、経済の一体化とか意識の一体化の中で、私は、道州制ということについては、進めてきた、先頭に立ってきたうちの一人でありますけれども、その前段として、あるいは憲法上だけではなくて、制度としてそういうことを志向するということは大事であるけれども、それぞれの、道州なら州ということになった場合でも、そこに、経済というものを牽引する中核都市、あるいは都道府県における中核都市というものが牽引するに足るようなものになるかどうかというのが実は大事で、それがしっかり行われた上でしか、道州制というものは恐らく形だけに終わってしまうということは、私は大きな問題だ。
 だから、今大事なのは、それぞれの地方において、道州なら道州ということを想定した上で、あるいは都道府県という中で、経済的に、あるいは文化的に、観光という面でも牽引できる都市というものをどうつくるかというところに全力で集中していくということが、私は、その仕組みをつくる前に、緊急事態であろうというふうに思っています。
 そういうことでは、五十年前に新幹線が走ったときに、新幹線はなぜ速いかということをよく言ったわけでありますけれども、先頭の車両が引っ張るだけでなく、それぞれの車両にエンジンがあるからこそ新幹線が速い、こういうことを言ったわけであります。道州制とかさまざまなことを想定する前提として、牽引するエンジンとしての地方都市というものがなければ、それは絵に描いた餅にすぎない、今注力すべきはその一点にあるということを申し上げて、論述を終わります。

発言情報

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発言者: 太田昭宏

speaker_id: 28125

日付: 2017-05-18

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会