細野豪志の発言 (憲法審査会)

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○細野委員 民進党の細野豪志でございます。
 教育の無償化について今議論が闘わされておりますので、一言申し上げたいと思います。
 まず、民進党は、昨年、教育無償化についての法案を提出しておりまして、一歩一歩前進をしていくという立場で、まず法律から始めるという立場でございます。憲法にそれを書くかどうかについては党内でまさに議論中でございますので、きょうは私の個人的な意見ということで少し述べさせていただきたいと思います。
 まず、憲法二十六条の制定の経緯というのを共通認識として持つ必要があるというふうに思います。
 憲法二十六条については、義務教育について無償化が定められておりますけれども、当初、政府から示された原案というのは初等教育の無償化でありました、GHQの考え方ということもあるわけではありますが。ただ、初等教育というのは小学校だけですから、それでは十分でないという当時の帝国議会の議論があって、最終的には義務教育の無償化となったわけであります。
 これは、当時からすると、日本の財政も非常に厳しく、さらには、当然、家庭は非常に貧しいという状況でしたから、相当先進的な条文と言えるのではないかというふうに思っております。
 それから七十年以上が経過をいたしまして、教育をめぐる環境は一変をいたしました。
 例えば、幼稚園、保育園なんですけれども、制定当時は、世の中にはほとんど幼稚園というのは存在をしておりませんし、保育園も全くありません。割合を調べてみますと、幼稚園に就園している子供の割合は七・三%、十四人に一人。保育園はほぼゼロでしょう。今どうなっているかと申し上げますと、幼稚園、保育園を足し合わせますと、ほぼ全ての子供が幼児教育を受けているという現状にあります。
 これだけ状況が大きく変化をし、そして、幼稚園、保育園の子供たちの親というのは小学校、中学校と比較をすると所得が低いケースが多いわけですから、そこについて無償化をするというのは十分合理的な理由があるし、これだけ時代も変わってきているわけですから、二十一世紀の教育を、国民的な議論をしてここをやるのであれば、憲法に書くというのは十分検討に値するというふうに思います。
 同じく高校も、憲法ができた当初というのは半分を下回っておりましたが、今は九七%程度となっておりますので、同様に検討に値すると考えます。
 一方で、高等教育なんですが、問題は非常にたくさんあります。
 具体的に私が一番問題だと感じていますのは、生活保護家庭の子供については、世帯にとどまる限り、大学進学、専門学校についても認められておりません。先進国としては非常に恥ずかしいことだというふうに思います。そういったことについて状況を変えるということについては、私は、国民的な合意ができるのであれば、憲法改正も検討すべきだと思います。
 ただし、全て無償化するかということについては、それこそ工業高校などを出て立派に働いて税金を納めている若者もたくさんおりますので、そういったことを考えると、そこは私は、全て無償化するということではなくて、経済的な状況による差をなくすということに重点を置くべきではないかというふうに考えております。
 なお、教育の無償化について明確にすべきは、公の性格を有する教育について無償化ということを二十六条の中に書くべきだというふうに思います。そして、それをすることによって、八十九条の公の支配に属しない慈善、教育もしくは博愛の事業に対し公金を支出することはできないとなっている、この条文の今私が読み上げた部分については削除するのが、憲法上の疑義をなくすという意味で私は必要だというふうに考えているということをつけ加えたいと思います。
 最後に、中谷委員がお帰りになりましたので、簡潔に、先週の議論について改めて。
 中谷委員の方からは、憲法改正が必要な理由として、私権制限について幾つか例示がありました。結論から申し上げると、全て現行憲法上可能でありますし、現行法上も可能です。
 まず第一点ですが、自衛隊が緊急に道路をつくる場合に、瓦れきをどかせるとか車をどかせるというのは、災対法の七十六条の六で既にできるようになっています。
 次に、家の中に入り込んで家を解体するということについては、災害救助法の四条及び九条で可能になっています。
 そして、地方自治体ができない場合、国ができるようにするべきだということについては、既に自衛隊の自主派遣がありますから、既にできるようになっています。
 言わずもがなですが、中谷大臣は有事法制のときの当初の提案者ですから、武力攻撃事態国民保護法制についてはもちろん全て可能になっていますから、全て現行法上可能です。
 なお、それでもできないことがあるのであれば、憲法上は公共の福祉による制約ができていますから、現行法をさらに変えれば全て対応できるということをぜひ御理解をいただいて、もし反論があれば、ぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 以上です。

発言情報

speech_id: 119304183X00620170525_020

発言者: 細野豪志

speaker_id: 7754

日付: 2017-05-25

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会