保岡興治の発言 (憲法審査会)

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○保岡委員 先ほど辻元幹事が御発言になったことにちょっと触発されてお話しします。
 私は、この平和国家日本が、戦争を終結して新しい第一歩を踏み出した、これは天皇陛下の御聖断あってのことと思っております。
 終戦間際にした広島、長崎に原爆が投下される中で、宮中の地下十メートルの十五坪ほどのお部屋で、総理大臣以下関係閣僚、そして陛下がそこで会議を持たれて、いわゆる御前会議です、これは二回にわたって行われている。一回は、ポツダム宣言を受諾するかどうか。国体を維持することを前提に受諾する旨伝えたが、なかなか返事が来ない。十四日になって、やっと第二回の、その返事をもとにする、これで国体維持ができるのかどうかという議論があって、意見が分かれる。戦争を継続する者が半分、戦争はやめるべきだという者が半分。まさに、鈴木貫太郎総理が陛下に御聖断を仰いだ。
 陛下は、とにかく、このまま日本民族が滅びてしまえば、日本という伝統ある国を将来につなぐことができない、ここは、戦争をやめて、将来の新しい日本の建設にみんなで取り組もうというような趣旨のお話をされ、それが世界の人類の幸せにもつながるとまで言われる。
 この記録は、別に議事録があるわけではないが、そのとき内閣の書記官長で、そこに一緒に同席した迫水久常、私の郷里の先輩の先生ですが、この方が記録したことを発表されて、それが残っておる。
 私にしてみれば、阿南陸軍大臣が、最後の一兵まで戦おう、玉砕してでも青史に日本民族の名を残そうと言うのに対して、東郷外務大臣を初め、海軍大臣も含めて、戦争を継続することをやめようと言う、大変対立する、二分するその中で決断をされたのが陛下だ。その思いは、日本国憲法の公布の日の勅語によくあらわれている。皆さん、この勅語を読まれたかどうか。
  この憲法は、帝国憲法を全面的に改正したものであつて、国家再建の基礎を人類普遍の原理に求め、自由に表明された国民の総意によつて確定されたのである。即ち、日本国民は、みづから進んで戦争を放棄し、全世界に、正義と秩序とを基調とする永遠の平和が実現することを念願し、常に基本的人権を尊重し、民主主義に基いて国政を運営することを、ここに、明らかに定めたのである。
  朕は、国民と共に、全力をあげ、相携へて、この憲法を正しく運用し、節度と責任とを重んじ、自由と平和とを愛する文化国家を建設するやうに努めたいと思ふ。
これが勅語です。
 私は、あの終戦の決断をされた後、一年余り、憲法公布の日にこの勅語を述べられた陛下の気持ちが今日の平和愛好国日本の出発点、そういうふうに思います。
 ですから、そういった意味で、総理が終戦七十年の談話を閣議決定した中にあるように、これからは実力で国の主張を切り開くことはしない、あの悲惨な戦争を二度と繰り返してはならない、平和愛好国としての道を、この国を子孫に渡していくんだということを安倍総理が閣議決定で決めて全世界に発しています。これが日本の行くべき道の基本だ、これが憲法の精神の一番大事なところだと私も思っております。
 したがって、先ほど九条についてどう議論すべきかという山下議員の発言もありましたが、そういうことを基礎に、日本がどういう形で平和を維持し、日本の存立を維持し、国民の平和と幸せを確保し、人類の平和や繁栄に貢献するか、まさに九条の議論をする中で、そのことを我々は大いに議論したらいいと思っております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 保岡興治

speaker_id: 16198

日付: 2017-06-08

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会