藤垣裕子の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○藤垣参考人 今の御質問を受けまして、一つ議論を紹介したいと思います。
福島原発事故は果たして日本固有の災害かという議論がございまして、ノーの立場の人とイエスの立場の人に分かれました。
ノーの立場の方は、今回の事故は技術的に発達したハイテク国家日本で起きた事故であって、同様の事故が原子力発電所を持つどんな国でも起こり得る可能性があるから対処しなくてはいけない。
皆様御存じのように、ドイツでは、そういう、今回の事故がハイテク大国日本で起きたことを重視して、日本の事故によって、大規模な原子力事故がドイツでは起こり得ないという確信を持てなくなったので、原発事故は原発を保有するほかのどのような国でも起こり得るという認識を持ってドイツの政策を決めていった。
つまり、この立場は、日本固有の災害かという問いに対してはノーと答えて、事故を一般化することによって今回の事故の教訓を世界の人々と共有することができます。
それに対して、イエスの立場をとりますと、今おっしゃったように、日本固有の災害としてしまって、先ほどおっしゃった隠蔽体質が招いたとしますと、テクノオリエンタリズム、オリエンタリズムというのは日本、アジアをさげすむために使うものにテクノがついてしまう。あの事故は、グローバルなハイテク国で起きた事故というよりも、日本固有のことであってということにしてしまう。そうすると、欧米諸国は自分たちには関係ないこととして片づけることが可能になってしまいます。
今御発言のあった、その規制、日本の隠蔽体質がもし問題だとして、規制基準も日本独自という言葉には非常なる政治性がございますので、隠蔽体質を、むしろ、世界標準である公開性と透明性をきちんと担保するような方向へ持っていくというふうに立論していった方が実はいいのではないかと考えております。