郡和子の発言 (厚生労働委員会)
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○郡委員 民進党の郡和子でございます。
臨床研究法の国会審議、延び延びになっていまして、ようやく、きょうこうして成立に向けた議論ができるということ、私自身うれしく思っております。
改めて、本法案が提案をされたという背景、これを確認させていただきたいと思うんですけれども、製薬企業と研究者との不適切な金銭関係による科学的な不正問題、それからまた、薬の有効性、安全性と関連した一連の論文の改ざん事件、これらを受けまして、成立、広く国民に望まれているところだというふうに思います。
なかなか議論の場をつくれずに、昨年の通常国会、そして臨時国会、そして今回の通常国会と、三つの国会にわたったということになりますけれども、またいでしまいましたが、私としても、我が党としても、成立に向けて努力をさせていただきたいというふうに思っているわけであります。
そして、きのう、この立法の背景にありますディオバン事件で東京地裁の判決が出ました。製薬大手ノバルティスの治療薬に関する論文不正事件で、東京地裁、きのう、無罪判決を言い渡したということでございます。データの改ざんを元社員がしたということを認める一方で、罪には問えないというふうにされたわけで、何となく納得がいかないなというような気持ちを持ち、だからこそ、そういう意味でも立法は大切なんだ、それに対応できるようにしておかなくちゃいけないという意識も強く持ったわけです。
年間一億円以上の売り上げを誇るこの大手製薬企業の主力商品であった薬のデータの改ざん、問題となった臨床研究の責任者には、ノバルティスに奨学寄附金を求めていて、年間三千万円の提供があったというふうなこともあったわけです。製薬企業からの資金提供を受けたり、未承認の薬を使ったりするこの臨床研究、これはどういうふうに枠をつくっていくのか、とても大切なことだというふうに思っているわけです。
しかしながら、今回提案をされておりますこの法律案ですけれども、企業と研究者のお金の関係というのに強く関心が行ったということもあるのでしょうけれども、せっかくつくるわけですから、国際的に共通するような、そういう制度設計であるべきであろうというふうに思うんですね。
また、人を対象とする研究ですから、人間の尊厳ですとか被験者の保護の確保、こういうような観点はとても重要だということを思うわけでして、この視野に立ってみて、それでは世界に恥じないような立法になるのかということを鑑みて、質問をさせていただきたいというふうに思います。つまり、人を対象とする研究の場合に、どれほど被験者を保護して研究の信頼性を確保できるような、そういう制度設計になっているのかということであります。
まず、そもそものところを振り返らせていただいて、今さらながら言うことでもないのかもしれませんけれども、第二次世界大戦における悲惨な人体実験、これを二度と繰り返してはならないという国際社会の強い決意として締結された国際人権自由権規約、この第七条ですけれども、「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない。特に、何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けない。」これに基づいて人間の尊厳、被験者の権利というのを法律において確立すべきだということを、この間も同僚議員である川田龍平参議院議員からも問題提起をしていたというふうに承知をしております。
この法案、今回出ている臨床研究法ですけれども、この法案の検討をする委員会では、実はこの点について一度も検討がなされていない。検討されていないんです。
さらに、ハンセン病問題に関する検証会議、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会において被験者の権利の確立が求められて、「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて」、これは最終報告が出されているんですけれども、最終提言では、「治験以外の臨床試験と治験を一貫して管理する法制度の整備を視野に入れた検討を継続すべきである。その際、被験者の人権と安全が守られることは絶対条件であるため、被験者の権利を明確に規定すべきである。」というふうにされていたわけなんですけれども、なぜか、残念ながら、このことについて、本法案を検討してきた委員会では一度も議論になっておりません。それでよろしいですか。