阿部知子の発言 (厚生労働委員会)
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○阿部委員 先ほど申しましたように、医療は、やった行為について報酬が払われるという基本的体系を待っております。
でも、考えようによっては、実は、ある方々の統計によれば、医療事故による死亡事故者数は四万人で、それは肺炎に次ぐ五番目の死因になる、そういう統計を出す方もおられます。すなわち、死亡に至らせない、有害事象を減らしていけば、死亡も減るし、ある意味、コスト、お金も正しく削減できるんだと思います、やみくもではなくて。
すなわち、これまで医療の問題は、常に、医療事故、被害、その後をどうするというふうに論じられてきた。患者さんの抱える悲しみと、そして病院サイドでは、やろうと思ってやったわけではない、だけれども不幸な結果を生んでしまった結果、非常にぎくしゃくしている。
私は、このたびの改正は、起こす前の、未然防止という体制をどこまで実現できるかだと思うんです。病院には理念もあり、ガバナンスもあります。しかし、実際に起こさないためには、緻密に、ふだんから点検し、大ごとに至らないための体制が必要で、その部分を担う行為をどう評価するかということであります。
診療報酬上の多少の加点あるいは入院基本料での手当て、それも否定はいたしません。でも、もっと大きな目で見たときに、こういうことに積極的に国費を使っていくということはあっていいと私は思います。それは結果的に医療費の抑制につながります。結果的です、目的にするんじゃなくて。不幸な事故が減れば、必ず悲しみも、そして、何よりも医療者も疲弊いたします、自分で、事故冷や冷やでやっている、私もそういう経験がありますから、そこを未然に防止するために、十分な人材配置と、お金の面もあると思います。
私は、今どうやったらというのはまだ提案できません。でも、大臣には、今回の改正で、ここの人材をどう遇するか、やはりお金の面もどう考えていくかということだと思っていただければ、これからさらに実りあるものとなると思います。
大臣にそうしたことを御理解いただくために、名古屋大学病院の事案を少し御紹介したいと思います。
これはよい例です。今まで、何とか病院の事案というと、東京女子医大、群馬大学、どこそこで起きた事故ということで絶えずお話をしなきゃいけない、悲しむべき実態がありますが、名古屋大学では、一九九九年に実は横浜市立大学病院が特定機能病院で事故が起きて、あそこから特定機能病院のあり方が問題になって、二〇〇〇年、学長みずから、逃げない、隠さない、ごまかさないという理念を掲げて、それを担保するために、二〇〇二年に医療の質・安全管理部というものを設置いたしました。そして、二〇一一年の四月には、医療安全のための専門の科を設けて、専任教授を置いて、教授以下、専従医師、看護師、弁護士、事務職員から成る総勢十一人の組織で、病院の中に医療安全文化をどう定着させるかということをずっとやってこられました。
ここでの特徴は、起きた事故の後じゃなくて、日ごろからクオリティーとセーフティーを両方チェックして歩くということを常時行うようにして、クオリティー・セーフティー・チェック・マネジャー、医師四十八人、看護師四十二人、コメディカル二十三人。全部が専属とは申しません、でも、そういう面を持ったヘッドクオーターに十一人、実動部隊は今私が申し上げた数だけいるくらい、病院を挙げた取り組みがございます。
私は、日本の大学病院こそ、こうした医療の質を変える最先端の取り組みをやっていただきたいと思いますが、きょうは文科省から審議官に来ていただいておりまして、さて、日本の大学の中でこういう医療安全講座、そこに専任教授を置いておられるようなところはどのくらいあるでしょう。