初鹿明博の発言 (厚生労働委員会)
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○初鹿委員 今の大臣の答弁を、まず厚労省の立場として確認させていただきました。
では、文部科学省はどう言っているかというと、これは平成十九年に、問題行動を起こす児童生徒に対する指導という通知で、こういうふうに書いてあるんです。まず、「教員等は、児童生徒への指導に当たり、いかなる場合においても、身体に対する侵害(殴る、蹴る等)、肉体的苦痛を与える懲戒(正座・直立等特定の姿勢を長時間保持させる等)である体罰を行ってはならない。体罰による指導により正常な倫理観を養うことはできず、むしろ児童生徒に力による解決への志向を助長させ、いじめや暴力行為などの土壌を生む恐れがあるからである。」そういうことを文科省は通知で出しているんですね。
つまり、体罰をやって指導しても、要は、力で抑えればいいんだという価値観を植えてしまって、正常な倫理観は養えない、教育的に効果が逆効果になるということと、殴って解決すればいいんだと、問題解決の手段で暴力を使うということをかえって助長することになるんじゃないか、そういうことを文科省は言って、教員に体罰はだめだということを言っています。
また、体罰を行うことの副作用として四つのことを挙げているんです。
まず一つは、人間関係を悪くする。殴っている側と殴られる側の間での人間関係が悪くなる。学校でいえば教員と生徒、家でいえば親と子供。先ほども言いましたけれども、子供が親に相談ができなくなる、または子供が親を毛嫌いするようになるということもあると思います。
もう一つは、これは非常に重要なんですが、体罰の前に無力になって、自主性や積極性が損なわれる、そういうことがあるということなんですね。殴られてしまうと、力で抵抗できなくなると、もう言うままになってしまうということだったり、先ほども言いましたけれども、自分で物を考えるということができなくなるということです。
先ほど大西議員が実例を挙げておりましたが、そのお子さんの例も、まさにそういうことじゃないかなと思うんですよね。やはり、親の力によって支配をされてしまって、そこから抜けられなくなるということだと思います。
そしてもう一つが、先ほども言いましたけれども、暴力で物事を解決するということを教えてしまうことになる。
そして四番目として、ほかの教育方法やしつけの方法を学ばなくなる。つまり、殴って、それでその場をおさめることを覚えてしまうと、殴らないで、要は話したりすることによって、相手に、子供に理解をさせるというやり方を学ぶことができなくなる、そういう悪い副作用があるということを文科省が指摘しているんです。
こういう厚労省の立場、文科省の立場を踏まえて、きょうは盛山副大臣、一年前に続いて、何度もしつこくて恐縮なんですが、私は、やはり一番ひっかかるところは、この法務省の答弁、民法の八百二十条の懲戒権にかかわる答弁について、皆さんのところに資料をお配りしていますが、平成十二年の、まさに今回改正案が審議されている児童虐待防止法が、平成十二年に最初に審議されたときの田中甲議員からの質問に対して、当時の民事局長が、「この懲戒には体罰も場合によっては含まれるわけですが、」と答えている。体罰が懲戒権の懲戒の中に含まれているという答弁があって、体罰も教育的な効果があればいいんだということにつながってしまっているということなんです。
昨年も盛山副大臣に質問させていただきましたが、この答弁、見直しませんか。懲戒権の中に体罰は含まない、含まないということを、ここではっきりさせた方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。