吉田恒雄の発言 (厚生労働委員会)
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○吉田参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
法改正におきまして、家庭裁判所に何を期待するかという御質問でありますけれども、私は、一つは、裁判所として、児童相談所が行う措置が適切であるかどうかということをきちんとチェックする、これはもう本来の仕事だと思います。子供を保護する、また親を支援するという福祉的な機能を持ちますけれども、もう一面では権利制限という面を持ちますので、そこが適切に児童相談所によって行われているかどうか、これをまずチェックするという裁判所としての役割があると思います。
しかし、家庭裁判所というところに着目しますと、単なる判断機関、白黒をつけるというだけにはとどまらないと思います。家庭に対する後見的な支援というので、より踏み込んだ対応というのが行われてもよろしいのではないか。
この点に関しましては、このたびの検討会でも大きな議論がありました。つまり、裁判所の役割というのは何なんだろうかというので、従来の司法の公平中立な立場というところから一歩踏み出せるんじゃないか、また踏み出す必要があるのではないかという議論、それと、やはり裁判所はあくまでも客観的な立場からだ、そういう議論でありました。
ですので、私は、今回の法改正によって、例えば保護者に対する命令、その部分で、児童相談所から裁判所に対する報告という制度があり、また、それを裁判所が聞くというので、コミュニケーションが非常に密になる、そういう機能を通じて、裁判所から親への働きかけというものがなされてもいいんじゃないか。つまり、勧告は都道府県に対して行われますけれども、実質は親に対して向けられるべきものなんですね。そういう、裁判所がより当事者に対していわば福祉的な機能を発揮するということがあってもよろしいんじゃないか。
先ほど藤林先生のお話にありましたような、ドイツではそうした機能を持っている、役割を現に果たしている。それは決して裁判所の役割を否定するものではなくて、裁判所は本来の役割を果たしつつも、そうした支援的な役割をここで果たす。裁判所の権威をバックにして親に働きかける、これが親の変化をもたらすんだというドイツの裁判官の言葉がありましたけれども、そういうところまで裁判所の機能というのを変えてもよろしいのではないかというふうに思っております。
そして、そういう機能を果たすことによって、例えば、一時保護でいえば、強制的に連れ去られた親の怒り、これが児相に向けられていますけれども、裁判所が間に立つことによって、親の気持ちを十分に聞くことによって親のその怒りを和らげ、そして指導を受け入れる、今後の改善につなげる、そういういわばクッションの役割というのも裁判所が持ってもよろしいのではないかと考えております。