荒井聰の発言 (国土交通委員会)

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○荒井委員 恐らく、政府のそういう仕組みがない限り、これはもっと下がると思います。なぜならば、今出ている経営安定基金の運用益というのは、過去の金利の高いときのものが含まれているからですね。ここにも出ていますけれども、今、国債金利はほとんど、高くて二%ぐらいのはずですから、そこのところは、現在よりも高く出るということは、恐らく考えられないんだろうというふうに思います。
 ところで、資料二を見てください。これは、この三十年間のJR北海道、JR九州、それからJR東海、JR東の営業損益の表であります。
 私は、この表を見て、国鉄民営化というのは大成功したんだなというふうに思います。なぜならば、現在、右肩上がりで、JR東もJR東海も、経常利益を数千億の単位で積み重ねているんですね。
 これは十年ごとの表です。例えば、JR東は、当初の国鉄民営化のときには、全体の一%がプラスになるように、利益が出るような、そういう制度設計。各会社全部、一%になるように制度設計をしています。
 したがって、JR東もJR東海も、百三十八億とか七十八億のプラスになるように、債務の処理をしてもそういうふうになるように制度設計をしていて、大体それに近い数字になりましたけれども、十年後、JR東海は六百六十三億のプラス、JR東は一千四十一億円のプラス。平成十八年度、二十年後ですね、それが、JR東が二千三百七十九億、JR東海が二千百六十七億。そして、三十年後、現在は、JR東は三千四百十六億の経常利益を出し、JR東海は五千四百十三億という、これはもう世界に冠たる企業ですよね。これだけの利益を出している。
 それが、三十年前に設計したことから始まってこういう状況になったということは、私は、国鉄民営化というのは大成功したと思うんです、たった一つだけを除いて。その一つがJR北海道です。
 JR北海道は、当初、九億円のプラスになるように制度設計されていたんですけれども、十年後からマイナスになり、現在、平成二十八年度では、百八十八億円の赤字として経常損益が出されています。
 こういう差が出たのは何なのか、なぜこういう差が出てきたのか。もちろん、JR東海やJR東は、民営化して、極めて多くの経営努力を注いだんだと思います。人材的な有利さも、あるいは地域としての有利さもあったんだろうというふうに思います。
 しかし、私は、大きな意味というか、大きな要因の一つが、やはり金利だと思います。JR東海、JR東、JR西には、全部で六兆円の、資料一を見てください、国鉄長期債務というのは三十七・一兆円あったんですね。この三十七・一兆円をどう処理するのかということが国鉄民営化のときの最大のテーマでありました。結局、国鉄清算事業団が二十五・五兆円を負担し、JR本州三社及び貨物が五・九兆円を負担し、新幹線鉄道保有機構が五・七兆円の負担をする、こういうスキームでスタートしていったんですね。
 その後、十年たちまして、債務処理の方式を、このとき、自社さきがけ政権のときでありまして、私、さきがけの政調副会長として携わっていましたけれども、この債務を清算事業団が処理することが不可能になって、一般会計に切りかえるという作業をした覚えがあります。
 こういう形で債務というものの処理をしていったのが、実は民営化という意味だったんです。
 この過程の中で、低金利によってどこが一番利益を得たのか。それは、債務をしょったところです。一番債務をしょってくれたのが国ですから、国の償還金額は、当初の七・三%というものから大きく低減していると思います。そのほかに、東も、それから西も東海も、全部で六・一兆円の債務を肩がわりしたわけですから、しょったわけですから、それの実質返還というものは、実額として少なくなったというのが実態だと思います。そしてそれが、この三社の大きな利益を出すことの原動力にもなったんだと私は思います。
 こういうことは、時代の流れというものを的確につかんだ経営者の能力でもあると私は思うんですけれども、しかし、このときの一番最初の計画の設定の仕方に、私は、金利の部分についての調整機能というものをつけ損ねたんじゃないか、もう少し、金利変動を前提としてそういうものを調整するような、そういうことがあってもよかったのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか、鉄道局長。

発言情報

speech_id: 119304319X02020170526_010

発言者: 荒井聰

speaker_id: 20756

日付: 2017-05-26

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会