黒田東彦の発言 (財務金融委員会)
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○黒田参考人 日本銀行が量的・質的金融緩和を導入して以降、それまでの過度の円高が是正されたわけですけれども、輸出数量はなかなか増加しない状況というのが続いてまいりました。その背景としては、企業が海外生産シフトを進めた結果、為替レートが輸出数量に影響しにくくなったということがあると考えられます。こうしたもとで、為替円安は、主として輸出企業の利益の拡大を通じて、日本経済にメリットをもたらすことになってきたわけであります。
もっとも、委員も御指摘のように、輸出は最近かなり好調でありまして、特に昨年半ば以降、世界経済が着実な改善を続けるもとで、特にリーマン・ショック後、長期間にわたって低迷してきました製造業や貿易面の改善が明確になっております。この点は、二週間ほど前にワシントンでありましたIMF関係の会議でも、IMFから明確に指摘されているところであります。こうしたもとで、日本経済についても、輸出数量がかなりはっきりと増加してきております。
我が国経済の特徴といたしましては、輸出数量が増加し、これに伴って企業の生産活動が活発化することが景気の前向きの循環を強める傾向がございます。実際、輸出数量の増加は、企業収益の増加、改善と相まって、設備投資の増加をもたらしております。また、企業の生産活動の活発化が雇用の増加をもたらしておりまして、雇用・所得環境は着実に改善している。こうしたもとで、個人消費も底がたく推移しているということでありまして、このように、輸出の増加は、企業部門だけでなく、家計部門を含めて、日本経済に幅広いプラスの効果をもたらしていると思います。
いずれにいたしましても、為替の変動と経済のさまざまなセクター、企業あるいは家計等に及ぼす影響については、きめ細かく注視してまいりたいと思っております。