財務金融委員会

2017-05-10 衆議院 全127発言

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会議録情報#0
平成二十九年五月十日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 御法川信英君
   理事 井上 信治君 理事 土井  亨君
   理事 藤丸  敏君 理事 宮下 一郎君
   理事 山田 賢司君 理事 木内 孝胤君
   理事 伴野  豊君 理事 上田  勇君
      石崎  徹君    大岡 敏孝君
      大野敬太郎君    大見  正君
      勝俣 孝明君    神田 憲次君
      木村 弥生君    國場幸之助君
      斎藤 洋明君    坂井  学君
      助田 重義君    鈴木 隼人君
      竹本 直一君    津島  淳君
      中山 展宏君    鳩山 二郎君
      福田 達夫君    堀井  学君
      宗清 皇一君    村井 英樹君
      山田 美樹君    今井 雅人君
      重徳 和彦君    古川 元久君
      古本伸一郎君    前原 誠司君
      鷲尾英一郎君    伊藤  渉君
      大口 善徳君    宮本 岳志君
      宮本  徹君    丸山 穂高君
      小泉 龍司君
    …………………………………
   内閣府副大臣       越智 隆雄君
   財務副大臣        大塚  拓君
   国土交通大臣政務官    藤井比早之君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    遠藤 俊英君
   政府参考人
   (消費者庁次長)     川口 康裕君
   政府参考人
   (財務省大臣官房総括審議官)           太田  充君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     海堀 安喜君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   参考人
   (日本銀行理事)     雨宮 正佳君
   参考人
   (日本銀行理事)     宮野谷 篤君
   参考人
   (日本銀行理事)     吉岡 伸泰君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
    —————————————
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  坂井  学君     國場幸之助君
  福田 達夫君     木村 弥生君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 弥生君     堀井  学君
  國場幸之助君     鳩山 二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  鳩山 二郎君     坂井  学君
  堀井  学君     福田 達夫君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書)
     ————◇—————
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御法川信英#1
○御法川委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、理事雨宮正佳君、理事宮野谷篤君、理事吉岡伸泰君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長池田唯一君、監督局長遠藤俊英君、消費者庁次長川口康裕君、財務省大臣官房総括審議官太田充君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官海堀安喜君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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御法川信英#2
○御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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御法川信英#3
○御法川委員長 去る平成二十八年十二月十三日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行総裁黒田東彦君。
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黒田東彦#4
○黒田参考人 日本銀行は、毎年六月と十二月に、通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 日本銀行は、四月末の金融政策決定会合において、二〇一九年度までの経済、物価の見通しを展望レポートとして取りまとめました。これを踏まえ、まず、我が国の経済金融情勢について御説明申し上げます。
 我が国の景気は、緩やかな拡大に転じつつあります。企業部門では、輸出と生産が、グローバルな製造業や貿易面の改善などを背景に、増加基調にあります。そうしたもとで、企業収益は高水準で推移しており、企業の業況感は業種の広がりを伴いつつ改善しています。家計部門では、雇用・所得環境が着実な改善を続けています。失業率は二%台後半まで低下するなど、労働需給の引き締まりが続いているほか、今春の賃金改定交渉において四年連続となるベースアップが多くの企業で実現する見通しにあるなど、賃金も緩やかに増加しています。そうしたもとで、個人消費は底がたく推移しています。
 先行きの我が国経済は、海外経済の成長率が緩やかに高まるもとで、極めて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に、二〇一八年度までの期間を中心に、景気の拡大が続き、潜在成長率を上回る成長を維持すると見られます。二〇一九年度は、設備投資の循環的な減速に加え、消費税率引き上げの影響もあって、成長ペースは鈍化するものの、景気拡大が続くと見込まれます。
 物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、このところゼロ%程度となっています。先行きについては、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、二%に向けて上昇率を高めていくと見ています。二%程度に達する時期は、見通し期間の中盤、すなわち二〇一八年度ころになる可能性が高いと予想しており、その後は、二%程度で安定的に推移していくものと見込んでいます。このように、物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されていますが、なお力強さに欠けていますので、引き続き注意深く点検していく必要があると考えています。
 次に、金融政策運営について御説明申し上げます。
 日本銀行は、昨年九月の金融政策決定会合において、長短金利操作つき量的・質的金融緩和を導入しました。この枠組みのもとで、日本銀行は、経済、物価、金融情勢を踏まえ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促しています。四月末の金融政策決定会合では、短期政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針の維持を決定しました。我が国の長短金利の動向を見ますと、こうした金融市場調節方針と整合的なイールドカーブが円滑に形成されています。
 現在、世界経済が好転するもとで、我が国の景気の足取りもよりしっかりとしたものになってきています。しかしながら、二%の物価安定の目標までにはなお距離があり、これをできるだけ早期に実現するためには、現在の金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を推進していくことが適切であると考えています。
 ありがとうございました。
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御法川信英#5
○御法川委員長 これにて概要の説明は終わりました。
    —————————————
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御法川信英#6
○御法川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福田達夫君。
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福田達夫#7
○福田(達)委員 おはようございます。自由民主党の福田でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。
 本日は日銀総裁をお迎えしてということなんですけれども、総合商社の調査部の人間だった者としますと、日銀総裁に質問するなんというのは本当にびくびくしてしまうんですけれども、実は、私は九三年から商社の調査部というところにおりまして、丸十二年やっておりましたが、この間の十二年は、本当に安定しない十二年でありました。まだまだバブル崩壊というのがはっきりわからない中で数年過ごした後に、就職氷河期を迎え、また、消費税の引き上げ、アジア通貨危機、いろいろなことがありました。本当に安定しない中で経済運営をするというのは、本当に大変だったと思いますし、また、世の中の方々の意識が統一しない中においてやられたということで、これは政府もそうですけれども、日銀の方も大変な御苦労があったと思います。
 また、日銀法の改正の後、政府との間でちょっと意見のそごということもありまして、いろいろなことがございましたけれども、そのころから比べますと、今、政府、日銀の間というものは、非常に安定した協力関係ができる中で、力を合わせて仕事ができているのかなというふうに思っています。
 実は、きょうは、時間は短いんですけれども、役割分担ということをテーマにちょっと御質問したいと思っています。
 と申しますのは、この日本という国は、いろいろな悪いことが言われていますけれども、私は、総じて言いますに、そんなに悪いことじゃないよな、悪い国じゃないよな、ただ、アセットアロケーションが間違っているんじゃないのかなというふうに思っているものですから、それぞれの方が立場で話すのでなくて、自分たちが持っている力というものを十全に出して、役割を担って仕事をすれば、本当は、この国はもっとよくなるんじゃないかなという観点から、役割分担というお話をさせていただきたいと思うんですが、今の安定という意味でいいますと、総裁がこれをどういうふうに考えていらっしゃるのかということであります。
 きのう、この同じ場で、宮崎委員の方から総裁人事の話や何かも出ていましたけれども、やはり安定というものを考えると、そういう議論を今するべきじゃないんだろうなという気もいたしますし、実は総裁人事という話になりますと、私は二〇〇八年に汗をかいた覚えが非常に強くございまして、当時の民主党の方から手厳しい御指導をいただきながら、しかもリーマン・ショック前夜という状況において、そういうこともありました。
 今の政府と日銀との関係について、どのように総裁が思っていらっしゃるか、お聞かせ願えればと思います。
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黒田東彦#8
○黒田参考人 御案内のとおり、政府、日本銀行は、二〇一三年の一月に共同声明を公表いたしまして、デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現に向けて政策連携を強化し、一体となって取り組むということにしております。すなわち、日本銀行は、金融緩和を推進し、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指す一方で、政府は、成長力の強化に向けた構造改革、構造政策を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進するということにしております。
 こうした枠組みのもとで、日本銀行は、二〇一三年四月、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指して、いわゆる量的・質的金融緩和を導入いたしました。その後も、経済・物価情勢の変化を踏まえまして、量的・質的金融緩和の拡大、あるいはマイナス金利の導入、そういった対応を行った上で、昨年九月以降は、冒頭御説明いたしましたように、長短金利操作つき量的・質的金融緩和のもとで強力な金融緩和を推進しているわけでございます。
 共同声明以降の四年間で我が国の経済、物価は大きく好転していると思います。すなわち、実体経済面では、企業収益が既往最高水準で推移しているほか、労働需給の引き締まりを背景に、中小企業を含む多くの企業で四年連続のベースアップが実現する見通しにあるなど、賃金は緩やかに増加しております。また、物価面では、生鮮食品とエネルギー価格を除くベースの消費者物価の前年比は、二〇一三年の秋にプラスに転じた以降、現在まで三年以上にわたってプラス基調で推移しております。
 こうしたことは一九九〇年代末に我が国がデフレに陥って以来初めてのことでありまして、そういった意味では、既に、我が国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっていると思っております。
 ただ、まださまざまな課題が残っていることは事実でありますので、この政府、日本銀行の共同声明のもとで、委員御指摘のように、それぞれの役割分担を適切に果たしつつ、連携して大きな成果を上げてまいりたいというふうに思っております。
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福田達夫#9
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 経済の基本というか主役は民間企業でありますので、政府、日銀というものはそれに対するプラットホームを提供するだけなんですが、ちょっと正直に申し上げまして、実は一年前の麻生大臣への質問でも申し上げたんですが、それにしては、少し、民間企業がしっかり担ってもらってないのかなという気がしなくもないわけであります。
 ちょっとコメントをいただきたいと思ったんですが、時間も時間なので、こちらから申し上げますと、ある意味、これはデフレというケの状態が続いている中において、祭りを持ち込んで一緒にみこしを担いで、それでハレに転換していこう、非常に俗な言い方をしますと、そういうことがアベノミクスの本筋というか本論だと思っております。
 やはり、みんなでみこしを担がなきゃいけないときに、いや、あのみこしは重そうだからいいよというふうに言われちゃったら祭りにならないわけでありまして、そこについては、実は昨年も麻生大臣の方から、経済団体の方もアベノミクス、三本の矢は俺たちの仕事だというふうなことを言っていただいたことに対して期待感を寄せているわけでありますけれども、今、政治と経済で日本の抱えている問題点というものをしっかりと共有できて、それぞれの持っている力をどういうふうに役割として出すのかということについての政治論がちょっと必要なのかなというふうに思っているわけであります。
 ちょっと思い出しますのが、うちの祖父が松下幸之助さんと話をしたときに、松下さんが、政治は何ができるんや、で、わしらは何をすりゃいいんだということをおっしゃっているのを目の当たりにして、ああ、こういうものだなというふうに子供心に思ったことがあるんですが、そういう関係が今のところ少し弱いのかなという実感を私自身はちょっと持っています。
 ただ一方で、今、総裁の方からお話がございました、中小企業においてもベアができているというふうにおっしゃっていますけれども、これは主体的にそれができる環境になってできているのであったらばいいのでありますが、ちょっとそれは違うのかなというのが実感であります。
 その商社の調査部というのは、目の子メトリクスという、非常にエコノミストとしては恥ずかしい手法を駆使していたわけでありますけれども、ただ一方で、マクロでもって見せていただくのと、実際の企業行動だとか人事評価システム、それに基づくサラリーマンの企業行動などの面から、もしくは、サプライチェーンがどういうふうに変わっていくか、実体経済が変化する中においての趨勢というものとマクロの見方というものをクロスして見せていただく点におきましては、実は商社の調査部というのは、予測においては余り悪い成績ではございませんで、評価もされていたわけであります。
 そのときに気がついたのが、この国はいろいろな意味で、時間がないので、きょうは細かく説明できませんけれども、大企業、大都市の世界と、中小企業、地方の世界というのは完全にこれは二分しているなと。もう一国二制度と言ってもいいぐらい、これは別の世界であって、同じコンテクストで語ってしまっては間違えるんじゃないか。私は過去二十年間の政治の失敗の大きなところにその部分があるんじゃないかなというふうに思っているんです。
 今現在、例えばベアの話をされました、もしくは需給ギャップの改善という話もしていただいておりますけれども、例えば労働分野について言いましても、地方、中小企業の世界から見れば、労働指標の改善ではなくて、労働需給の逼迫であるというのが正直な事態だというふうに思っています。
 また、働き手不足で廃業というものも出ている中におきまして、全体としての景況感、マクロの景況感と地域の景況感のずれ、これがどういうところで生じているというふうに考えていらっしゃるか、これは雨宮理事の方から御説明いただければと思います。
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雨宮正佳#10
○雨宮参考人 お答え申し上げます。
 私ども、日本の全体の景気につきましては緩やかな拡大に転じつつあると判断しておりますけれども、今委員御指摘のとおり、やはり経済構造の違いですとか、あるいは地域ごとの特性などから、地域間で改善のペースにばらつきがあるということは御指摘のとおりであろうかというふうに認識してございます。
 ただ一方で、今回の景気回復局面の特徴を、例えば前回のグローバル金融危機前の長期回復局面、これは二〇〇二年から二〇〇八年でございますけれども、その当時と比べますと、地方への広がりが見られるということも実は特徴でございます。
 ちなみに、例えば私どもの短観の業況判断DIというのを地域別に見ますと、二〇一三年の十二月調査以降、全ての地域でプラスとなっておりますし、あるいは先日公表しました、私どもの地域経済報告、いわゆるさくらレポートの地域の景気判断を見ましても、全ての地域で緩やかな回復、ないし緩やかな拡大ということでございますので、かつての景気回復局面と比べると、景気の改善が地域的に広がりを持っているということも事実だろうというふうに認識してございます。
 ただし、御指摘のとおり、まだ地域間、あるいは中小企業、大企業の間で、改善のペースにばらつきがあることも事実でございますので、私どもとしましては、引き続き、本支店の調査機能を生かしつつ、地域経済についてもきめ細かく点検していきたい、こういうふうに考えてございます。
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福田達夫#11
○福田(達)委員 ありがとうございます。
 フローベースでいうと、景気が循環的によくなってきているというのは確かだと思います。問題は何かというと、では、しっかりと構造的にそのフローが続けられる、無理なくしっかりと回せるような状況に地方があるかというのが多分一番の問題だというふうに思っています。
 先ほどの労働の問題もそこがポイントでありまして、結局、都市部への人口の流出がとまらないということも、構造的な問題として、そこに住んでいらっしゃる方々がそういう判断をしてしまうという状況がまず前提にあった上で今のフローでの好況が来ている。では、これをしっかり支えられるだけのアセットが地方にあるのかというと、多分そうではないだろう。であれば、これは大分無理をしているので、やがてそれは疲弊が来るのではないかというふうな観点で見なければいけないのかなというふうに思っています。
 そこで非常に重要なのが、地域において経営力も相対的に最も高いはずである金融機関というものの役割というのも実は重要だと思っています。
 結局、景気というのは単純な話で、その地域にどれだけ金が入ってくるか、そしてその金がどれだけ出ていかないか、そしてその地域の中で一年間に何回転するか、それだけで決まる話でありますから、金融機関というものは金を扱う、マネーを扱う主体者としても重要でありますけれども、地域の中で相対的に高い経営技術を持っているという点でも、実は地域の経済に対して、直接的な利益にならないかもしれないけれども、間接的に果たせる役割があるのかなというふうに思っております。
 そういう点でいいますと、先ほどの労働の件につきましては、例えば三重県の百五銀行と三重労働局が今回提携を結んで働き方改革についての対応というものをしっかりとやっていくということもやっていただいていますけれども、金融庁さんの方から、金融行政も、いわゆる九八年から二〇〇六年の不良債権処理時代から大分転換をしてまいりまして、金融機関そのもののガバナンスのみならず、地域に対してのという観点からしっかりと金融行政も転換をしていただいていると思っていますけれども、この転換、もしくは今現在の金融機関に対する政策方針について、簡単に御説明いただきたいと思います。
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遠藤俊英#12
○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、地域金融機関というのは、その地域における極めて高い経営力を持っている、そういった組織でございます。
 地域金融機関は、自分の収益だけを考えるのではなくて、自分たちの持っている目きき力、これを発揮して、企業が、担保とか保証、これが十分でない先、あるいは信用力というものが必ずしも高くない先に対しても、その企業の企業価値の向上あるいは生産力の向上という観点から、ファイナンスでありますとかコンサルティング、アドバイスを行うというようなことが重要だ、ひいては、それが地域経済の発展に貢献していくことにつながるのではないかなというふうに認識している次第でございます。
 このように、地域金融機関が地域経済の発展に貢献することは、地域金融機関自身の収益の安定にもつながるものでございます。持続可能なビジネスモデルの構築という好循環を生み出すことができるのではないかなというふうに考えている次第でございます。
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福田達夫#13
○福田(達)委員 ありがとうございます。まさにそのとおりだと思います。
 マイナス金利というのが地域金融機関に与える影響というのは直接的に大きいと思います。これはなぜかというと、ビジネスモデルがそうではないから、そこでもうけられる形になっていないからでありますけれども、もう一歩先を考えて、マイナス金利が自分たちのお客さんにとってどうかというと、これはチャンスですから、とにかく金がただで使えるという、変な話、世界なものですから、ぜひそこを突き抜けて考えていただけるととてもありがたいなというふうに思うんです。
 ただ、現実的に考えれば、地域金融機関さんが急にそのマインドを転換できるか、ビジネスモデルから転換できるかというと、そういうわけでもないのも事実であります。
 正直、呻吟が聞こえてくるというのは地元に帰っても同じことでありますけれども、転換ができる前に地域の金融機関が弱ってしまうということも多分リスクとして考えられると思いますけれども、総裁としては、その辺についてどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
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黒田東彦#14
○黒田参考人 委員御指摘のとおり、地域金融機関というのは、やはり地域における企業の実情あるいは金融サービスに対するニーズを一番よく知っているわけですので、金融面で重要な役割を担っていると思います。そうしたもとで、地域金融機関には、金融サービスの付加価値を高めて、地域における企業や家計の経済活動を金融面から後押ししていくということが期待されておりますし、これによって地域の経済力が高まれば、実は地域金融機関自身の収益力の強化にもつながるというふうに考えております。
 御指摘の点は、私どももよく承知しておりまして、地域金融機関の収益状況あるいは地域における金融活動などは注意深く点検しておりますけれども、今後とも、ぜひ地域金融機関には、成長分野への貸し出しあるいは創業支援、事業再生、承継支援などを通じて、企業の金融ニーズにさらに対応していくと同時に、やはり個人の資産運用ニーズなどにも対応して、例えば金融商品の販売などを通じて多角的な金融サービスを提供するということをやっていっていただきたい。そういうことによって地域の経済力もつくし、また金融機関の収益力もついていくのではないか。ただ、この点は確かに、英語で言うと、非常にチャレンジングでして、私どももいろいろな形で地域金融機関をサポートしてまいりたいというふうに思っております。
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福田達夫#15
○福田(達)委員 時間が来ているので、一点だけ、ちょっと問題提起をさせてください。
 今総裁がおっしゃったとおり、資料でも、「タンス預金が止まらない」という記事も配らせていただいていますし、また高齢者の持っていらっしゃる資産というものも非常に多くストック化しています。これは、ぜひITを使って動かしていただきたいという思いもあります。
 ただ、一点だけ問題提起をさせていただきたいのが、例えば、予想物価上昇率の先行きが二%に収束していく、こういうふうにおっしゃっていらっしゃいますが、その一つ目の理由であります適合的な期待形成、今の日本人が本当にこの適合的な期待形成という、緩やかなインフレに基づく経済成長という前提に基づいている経済学の、その中の合理的行動ができるようになっているのかどうかというところが、実は私自身、非常に強い問題意識を持っています。
 あるメガバンクの役員さんがおっしゃっていましたけれども、既に行員の八割がデフレの中でしか人事評価をされてきていない中において、生きる金の使い方というものを実体験していない方々が、今、部長さんなり支店長さんである。今、判こを握っていらっしゃる方々であるということ。また、九〇年代後半から管理というものが非常に強くなりました。ガバナンスでありますとかアカウンタビリティー、リスクミニマイズをするということが非常に重要視されていた中で育ってきた方々が今権限者になっています。こういう中においての適正的な、合理的な判断というものは、多分リスクミニマイズになります。
 経済は拡大であります。この部分についてどういうふうに考えていくかということは非常に大きな問題なのかなというふうに、この部分を教科書的な理解に基づいてやっているとついてこれないかな。しかも、マインドの転換といっても、マインドというもので転換する、返るべきインフレーションエコノミーのことを知らない方々にその世界を知っていただくのは非常にチャレンジングだと思います。地銀にとってチャレンジングかと思いますけれども、総裁にとっても、多分、非常にチャレンジングだと思いますけれども、期待しておりますので、よろしくお願いします。
 終わります。
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御法川信英#16
○御法川委員長 次に、宗清皇一君。
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宗清皇一#17
○宗清委員 おはようございます。自由民主党の宗清でございます。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。早速質問に入らせていただきます。
 さて、黒田総裁による量的・質的金融緩和が始まってから今月で五年目に入りました。二〇一三年の政府、日銀の共同声明のもとで、両者が連携して思い切った景気刺激策と構造改革が行われてきたわけでございます。日銀について申し上げれば、物価目標の達成にはまだまだ距離があるのではないかというふうに考えますが、それでも確実に政策の効果が上がっているというふうに考えています。
 しかし、この委員会でもしばしば御議論があったように、絶えず政策の検証というのは必要でございますし、国民の皆様方への説明というのは極めて重要だと思います。そうした観点から、きょうは質問させていただきたいというふうに思っております。
 先日、日銀から新しい展望レポートが出ました。日本経済は拡大に転じつつあると力強い評価があり、輸出の増加がポイントになっているようでございます。
 輸出は確かに増加しているようなんですけれども、私の地元は中小企業が集積している町なんですが、この地元企業のお話を聞いていても、国内の中小企業がプラスの影響が出るためには、数量面での輸出の増加が特に重要だというふうに言われています。
 そこで、確認をさせていただくんですが、輸出企業の業績が改善している原因が、円高によって輸出企業の利益幅が拡大しているのか、そうではなくて、円安によって量も拡大しているのか、また為替の影響は関係なくて、海外市場が好調であるから輸出が伸びているのか、さまざまな要因があると思います。こうした視点を含めて、輸出の動向が我が国経済にどのように波及をしているのか、また輸出増加によって、中小企業を含む関連企業の設備投資や雇用の状況が現在どのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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黒田東彦#18
○黒田参考人 日本銀行が量的・質的金融緩和を導入して以降、それまでの過度の円高が是正されたわけですけれども、輸出数量はなかなか増加しない状況というのが続いてまいりました。その背景としては、企業が海外生産シフトを進めた結果、為替レートが輸出数量に影響しにくくなったということがあると考えられます。こうしたもとで、為替円安は、主として輸出企業の利益の拡大を通じて、日本経済にメリットをもたらすことになってきたわけであります。
 もっとも、委員も御指摘のように、輸出は最近かなり好調でありまして、特に昨年半ば以降、世界経済が着実な改善を続けるもとで、特にリーマン・ショック後、長期間にわたって低迷してきました製造業や貿易面の改善が明確になっております。この点は、二週間ほど前にワシントンでありましたIMF関係の会議でも、IMFから明確に指摘されているところであります。こうしたもとで、日本経済についても、輸出数量がかなりはっきりと増加してきております。
 我が国経済の特徴といたしましては、輸出数量が増加し、これに伴って企業の生産活動が活発化することが景気の前向きの循環を強める傾向がございます。実際、輸出数量の増加は、企業収益の増加、改善と相まって、設備投資の増加をもたらしております。また、企業の生産活動の活発化が雇用の増加をもたらしておりまして、雇用・所得環境は着実に改善している。こうしたもとで、個人消費も底がたく推移しているということでありまして、このように、輸出の増加は、企業部門だけでなく、家計部門を含めて、日本経済に幅広いプラスの効果をもたらしていると思います。
 いずれにいたしましても、為替の変動と経済のさまざまなセクター、企業あるいは家計等に及ぼす影響については、きめ細かく注視してまいりたいと思っております。
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宗清皇一#19
○宗清委員 ありがとうございます。
 言うまでもありませんけれども、経済が力強さを取り戻すために、GDPの六割を占める個人消費の回復が当然不可欠でございますけれども、アベノミクスを批判される方々からは、日銀のこの金融緩和が始まって、これは結果的に円安という方向になっているわけですけれども、この円安と低金利政策が家計にダメージを与えているので個人消費が伸びないという御批判もあるわけでございます。
 当然、円安になれば、それだけ輸入品は高くなりますし、円安は、日本の物やサービスを海外には安く売って、海外の物やサービスは高く買うという理屈になりますので、家計の実質購買力の低下が消費の足を引っ張る、こういう理屈であります。
 もう一つは、長引く低金利政策によって、生命保険の掛金が上がって負担がふえるとか、また家計の利子収入が減少する、個人の消費意欲はこれによってマイナスになるという御批判であります。
 この点では、貯蓄や年金で生活をする高齢者の割合が増加をしているので、低金利政策が続くことで、この先もずっと利子収入が減少するのではないか。また、円安になって、輸入品が、また値段が上がっていくんじゃないかという悪いイメージが定着することで、個人消費にマイナスに働くのではないかという心配の声を聞くこともございます。
 また、景気回復の道筋というのは、雇用者として、企業からの報酬だけではなくて、利子収入の増加や通貨高による実質購買力の改善という道筋があるという意見もございます。
 それこそ円安というのは、内需中心の産業から見たら、そこに大きな負担をかけて輸出企業に補助金を渡しているんじゃないか、こういう意見もあるわけで、非製造業やサービス業の生産性を損ねている一つの要因になっているという意見を伺うこともございます。
 そこで、日銀は、個人消費について、今回の展望レポートの中で、雇用者所得の改善が続くもとで緩やかに増加基調をたどるということにしていますけれども、今の低金利政策が雇用者所得の改善にどのように効果があるのか、それは私が今申し上げたような懸念を上回ると言えるのか、その辺について、しっかり御説明をいただきたいと思います。
 あわせて、節約志向が特に強いと見られる、貯蓄や年金で暮らされている高齢者の消費を喚起するのに何が重要なのか、御意見があれば聞かせてください。
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黒田東彦#20
○黒田参考人 委員が指摘されましたように、円安は、他の条件を一定としますと、輸入物価の上昇を通じて家計の実質購買力の低下をもたらすことになります。また、家計は、部門全体としては資金余剰主体でありますので、低金利政策はネットで見た利子所得の下押しに作用するということも事実でございます。
 もっとも、この金融緩和の効果を考えるに当たりましては、経済全体に与える影響という観点から考える必要があると思います。
 先ほど来申し上げましたとおり、円安は、輸出企業の利益の増加などを通じまして、設備投資や雇用にもプラスの影響を及ぼしております。また、金利水準の低下は、設備投資や住宅投資などの経済活動を刺激して、国民所得を全体として増加させるものでありますので、これも、間接的にではありますけれども、プラスの影響を及ぼすと思います。
 特に、家計だけに限って見ましても、金融取引に伴う収支だけでなく、経済全体の好転に伴う雇用・所得環境の改善、あるいは資産価格の上昇などの面もあわせて評価すべきであろうと思います。
 特に、雇用・所得環境の改善というのはこの数年大変顕著でありまして、御承知のとおり、失業率は二%台の後半まで低下しておりますし、有効求人倍率は四半世紀ぶりぐらいの高い水準になっております。これが雇用・所得環境を改善して消費を底支えしているというふうに思っております。
 今後とも、こういった労働需給の引き締まりが続き、中小企業を含めて、多くの企業で賃金の上昇が実現していくということで、消費に対してプラスの影響があるというふうに思っております。
 したがいまして、経済が全体として改善し、国民所得の伸びが高まりますと、年金収支の改善あるいは将来不安の軽減などを通じて、そのメリットは、年金生活者も含めまして、国民各層に幅広く及んでいくものというふうに考えております。
 ただ、やはりタイミングとか大きさその他、国民各層への影響というのはある程度幅がありますので、そのあたりの状況は、私どもも、単にマクロ的な効果だけでなく、所得分配その他を含めて、ミクロ的な影響についても、引き続き十分調査してまいりたいというふうに思っております。
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宗清皇一#21
○宗清委員 ありがとうございます。
 いずれにしても、デフレ脱却というのは現政権の最優先課題ですので、日銀には引き続き全力で頑張っていただきたいというように思います。
 最後に、ちょっと質問させていただきますが、私が心配しているものの一つは財政運営についてなんですが、現在、日銀が大量に国債を買い入れて長期金利もゼロ%にコントロールをしていること、これは意図的ではない、目的ではないことは十分承知はしているんですが、結果的に国債が発行しやすい環境になっているのではないかということでございます。実際、予算に計上されている国債の利払い費も大きく減少しています。
 財政出動の必要性というのは十分に理解をしているんですけれども、需要の先食いをしているのではないか、この先、もし経済が悪化した場合に次の政策対応の余地がなくなるのではないかという、さまざまな心配がありますので、この点については財務省に見解をお聞きしたいと思います。
 最近では、さらに国債を発行して、教育の無償化というような議論もありますけれども、これは子供たちのためというよりは、むしろ、大人が自分たちで支払うべき現年の教育費を将来にわたって子供たちに支払わせるという理屈になると思います。バランスの問題であるというのは十分承知しているんですが、現世代の受益と負担、将来世代の受益と負担という観点で考えても、将来世代の負担を現世代が勝手に決めるというのは、民主主義の観点から考えても、私は賛成できないわけでございまして、この点についても財務省に見解をお聞きします。
 それと、中長期的な財政の信認が低下すれば、人々の将来不安が強まったり、それに伴って長期金利が上昇して経済の下振れにつながるのではないかというリスクもあると思います。一方で、財政再建の道筋に対して信認が高まれば、将来不安が軽減されて、経済が予想よりも好転する可能性が高まるのではないかと私は考えますが、財政の信認がもたらす経済の影響について、財務省の見解を聞かせてください。
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大塚拓#22
○大塚副大臣 三点まとめて御質問をいただいたと思います。
 まさに宗清先生おっしゃるとおりでございまして、金利が低いからといってどんどん財政出動をしていいかというと、私どもはそういうふうには全く思っておりませんで、政府、日銀の共同声明においても、政府は、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進するということとなっておりまして、低金利環境といって、むやみに財政出動を行うべきではないということも確認をされているところでございます。
 委員も御指摘になられていましたけれども、もちろん、そもそも、日銀が行っている国債の買い入れは物価安定目標の達成のために行っているわけであって、国債を発行しやすい環境をつくるためのものではないということは改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
 それから、教育国債についてお問い合わせがございました。
 教育、予算を無償化するために確実な償還財源もなくて教育国債を発行するということは、御指摘のように、今以上に借金を子供世代に、しかも子供世代の判断ではないのにもかかわらず負わせる、こういうことになるわけでございます。
 奨学金も、せっかく給付型の奨学金をふやしているにもかかわらず、その世代全体に貸し付け型の奨学金を負わせるようなことにもなるわけでありまして、余り方向性としても、目指している方向と違うのではないかなという気は私もしておりますけれども。
 いずれにしても、教育国債というものの実質は、親世代が租税負担を逃れ、子供世代に借金をツケ回すことにほかならないわけでありまして、名前を変えた赤字国債であるというふうに考えておりまして、適切ではないというふうに考えてございます。
 それから、財政の信認が経済にどういう影響をもたらすかという御質問がございました。
 これは先ほど日銀の黒田総裁もお答えになっておられましたけれども、財政の信認を確保することは、家計や企業の将来に対する不安を払拭することを通じて、個人消費や民間投資を持続的に拡大する効果を発揮し得るものと考えているわけでございます。
 こうした意味でも、早急にデフレを脱却するとともに、財政健全化に向けての歩みを進めていくということが非常に重要だというふうに考えておりますので、引き続き、経済・財政再生計画に沿って、経済再生、財政健全化の取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
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宗清皇一#23
○宗清委員 ありがとうございました。
 これで、質問を終わらせていただきます。
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御法川信英#24
○御法川委員長 次に、前原誠司君。
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前原誠司#25
○前原委員 おはようございます。民進党の前原です。
 まず、黒田総裁に金融政策の現状についてお話をさせていただきたいと思います。
 昨年の九月の二十日と二十一日に行われました政策委員会・金融政策決定会合で、従来の一部マイナス金利つき量的・質的金融緩和から、イールドカーブ・コントロール、オーバーシュート型コミットメントの組み合わせから成る、長短金利操作つき質的・量的緩和に変更をされました。
 私は、何回か予算委員会やこの財金で黒田総裁と議論をさせていただいておりまして、この変更については評価を、僣越ながらさせていただきました。なぜ私が評価をしたかといいますと、八十兆円のネットでの国債の保有拡大というのはいずれ限界が来るだろうということの中で、いわゆる長短金利に目標をシフトして、そして、主従の関係でいうと従の関係で、オーバーシュート型のコミットメントというものは当然ながらある程度は続けなきゃいけないだろうということで、言ってみれば、国債のネットでの拡大というものが表舞台から一歩退いて、そして持続可能性を高めるという意味において評価をしたわけなんですね。
 それで、これがどうなっているかと日銀保有の長期国債の推移というものを調べたところ、これは九月でしたので、昨年の十月からことしの三月まで半年間で三十六兆二千七百七億円というのがネット増の合計でありまして、その前の半年は三十八兆九千七百四十八億円、その前の半年が三十九兆六百六十六億円ということでありまして、若干は減っているんですけれども、私は、期待しているよりはこの減りぐあいというものが少ないのではないか、こう思っているわけでありますが、私の評価と、そしていわゆる国債の保有の拡大について、黒田総裁の御所見を伺いたいと思います。
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黒田東彦#26
○黒田参考人 委員御指摘の点、特に前半でお話しされた長短金利操作つき量的・質的金融緩和の新しいフレーム、それからその目的、趣旨等はまさに委員御指摘のとおりでありまして、現在のフレームワークのもとでは、あくまでも金融調節方針の中心はイールドカーブ・コントロールと申しますか長短金利操作でありまして、国債の買い入れ額とかあるいはマネタリーベースの増加額というものはあくまでもめどでありまして、いわば内生的に決まってくるものであって、操作目標はあくまでも長短金利でございます。
 そのもとで、実際の国債買い入れ額というのは、毎月変動しますので何とも言いがたいところはありますけれども、足元でいいますと、多分、年間で六十兆円前後ぐらいになっていると思いますけれども、これはあくまでも従属変数でありますし、経済や金融市場の動向で動くものである、あくまでもターゲットは、操作目標は長短金利であるということを御理解いただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、委員御指摘のような傾向というのは十分続き得る、あり得るというふうに考えております。
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前原誠司#27
○前原委員 総裁おっしゃったように、私が日銀から資料でいただいたのが、二〇一七年、ことしの三月まででありますので、この三月が初めて一兆円を割り込んで、月額が七千二百十五億円ということになっているわけでありますが、今総裁がおっしゃったように、多いときもあれば少ないときもあるということで、今までいただいた図表でもこういう大きな振れがある、こういうことでありますので一概に言えないわけでありますが。
 別に皮肉を言うつもりではありませんが、二年で二%の物価上昇というのがもう五年目に入っていて、それが二〇一八年に達成できるかどうかというのがわからない中で、長期戦の様相を示してきたということであれば、持続可能性を高めるという意味においては、今総裁が答弁されたように、あくまでも長短金利操作、イールドカーブ・コントロールというものに重きを置くということが私は大事なことではないかと思うんです。
 技術的なことなのでこの点については教えてもらいたいんですけれども、このイールドカーブ・コントロールというものをさらに強化して、そして、いわゆるオーバーシュート型コミットメント、つまりは量的拡大というものを縮小する、そういった組み合わせというのはできないものなんですか。
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黒田東彦#28
○黒田参考人 一般論的に申し上げてできると思いますけれども、現時点での私どもの長短金利操作つき量的・質的金融緩和のフレームワークは、委員御指摘のようにこの二つの部分から成っておりまして、一つがいわゆるイールドカーブ・コントロール、短期の政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債の操作目標をゼロ%程度というふうに置きまして、この二点を押さえることによって適切なイールドカーブを形成する。これはもちろん、今後とも、経済、物価、金融動向に合わせて、毎回の金融政策決定会合において議論していくことになると思いますが、二%の物価安定目標との関係ではまだ距離があるわけでございますので、当面、現在のような金融緩和を強力に続けていくということになると思います。
 もう一つのオーバーシュート型コミットメントにおきましては、二%の物価目標を実際に達成してある程度それが続くという、つまり、実際の物価上昇率が二%を超えるまで量的な緩和を続けますということでありますが、そこにおいては、かつてのような、マネタリーベースを年間八十兆円ふやしていくというようなターゲットは設定されておりませんので、あくまでも、量的緩和は、二%の物価安定目標を達成して、その二%を実際の物価上昇率が超えるまで続けます、そういうオーバーシュートを容認するというコミットメントであります。
 したがいまして、こういった両方の組み合わせの中で、経済、物価、金融動向に合わせて、さまざまな調整というかアジャストメントというのが可能ではありますけれども、現時点では、何と申しましても、二%へ向けて、モメンタムは維持されていると思いますけれども、足元、例えば予想物価上昇率が弱目に推移しているとか、相当注意していかなければならない要素もありますので、現時点で具体的にこの組み合わせをどのように変えていくかということは考えているわけではありませんけれども、委員御指摘のように、理論的にはさまざまな組み合わせが今後考えられ得ると思います。
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前原誠司#29
○前原委員 持続可能性を高めるためには、イールドカーブ、長短金利操作というものに重きを置くということで、私はやられるべきであろうというふうに思っています。
 次の質問に移らせていただきますが、物価目標が二%に達する時期を二〇一八年ごろとされていますね、今。私はなかなか難しいだろうと思っているわけです。ことしはある程度上がると思います。去年、原油価格が上がりましたので、前年度比ということからすると、ことしは上がるだろう。だけれども、では来年はどうなるのかということになると、その原油上昇効果というものは来年はなくなるわけですから、そういう意味ではなかなか難しいんじゃないか。
 そして、今までは、円安、つまりは、量的・質的金融緩和を行うことによって円安基調にして、輸入物価を上げてということでありましたけれども、特にトランプ政権ができてから、為替操作国というようなこと、ちょっと後でまた質問させていただきますが、そういった厳しい視線というものが向けられていて、なかなか大幅な円安というものに振れることは難しいだろう。ということになると、輸入物価の上昇ということで物価上昇というものに寄与させるということはなかなか難しいなという部分があると思います。
 ただ、世界の基調として、今、経済は拡大基調にあるというのはそのとおりだというふうに思いますので、何とかそれは努力をしていただきたいというふうに思っております。達成できるかどうかということについては今回は聞きません。
 今回、私が伺いたいのは、お配りをしているグラフの一であります。つまりは、仮に日本銀行が、おっしゃっているように、二%の物価上昇というものが達成できたという場合においてどういう問題が出口であるのかということについて幾つかお尋ねをしたいわけであります。
 この一は、財務金融委員会の調査室につくっていただきました、想定を幾つか置いて。まず、名目GDPと名目長期金利、消費者物価上昇率は、内閣府の中長期経済財政に関する試算の経済再生ケースを想定する。そして、日本銀行は二〇一八年に二%とおっしゃっていますけれども、二〇一九年度にかけて出口に直面することを想定して。そして、直近における日銀保有長期国債の平均償還年限七・四四年及び日銀保有長期国債の加重平均利回り、現状は〇・四一五%でありますけれども、二〇一九年までは一定と仮定をする。そして、日銀保有長期国債の加重平均利回りは、名目長期金利と同じ一・五ポイントだけパラレルシフトして、一・九一五に上昇するということを想定している。つまり、一・五%、加重で金利が上がるということを想定する。そして、先ほどの御答弁では足元の長期国債残高の増加は年額約六十兆円ぐらいじゃないかということをおっしゃいましたけれども、一応、八十兆円で仮定をしております。そうすると、この下のグラフのようになるわけですね。
 置く仮定によって数字は変わってきますけれども、これだけの長期国債の保有をされているということは、それだけ、金利が上がれば、あくまでも評価損ですよ、評価損としてはこういった五十兆円とか六十兆円とか、あるいは金利がもっと上がればさらに大きな評価損というのが出ると思うんですけれども、そういう認識ということは共有していただけますか。
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