黒田東彦の発言 (財務金融委員会)

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○黒田参考人 委員が指摘されましたように、円安は、他の条件を一定としますと、輸入物価の上昇を通じて家計の実質購買力の低下をもたらすことになります。また、家計は、部門全体としては資金余剰主体でありますので、低金利政策はネットで見た利子所得の下押しに作用するということも事実でございます。
 もっとも、この金融緩和の効果を考えるに当たりましては、経済全体に与える影響という観点から考える必要があると思います。
 先ほど来申し上げましたとおり、円安は、輸出企業の利益の増加などを通じまして、設備投資や雇用にもプラスの影響を及ぼしております。また、金利水準の低下は、設備投資や住宅投資などの経済活動を刺激して、国民所得を全体として増加させるものでありますので、これも、間接的にではありますけれども、プラスの影響を及ぼすと思います。
 特に、家計だけに限って見ましても、金融取引に伴う収支だけでなく、経済全体の好転に伴う雇用・所得環境の改善、あるいは資産価格の上昇などの面もあわせて評価すべきであろうと思います。
 特に、雇用・所得環境の改善というのはこの数年大変顕著でありまして、御承知のとおり、失業率は二%台の後半まで低下しておりますし、有効求人倍率は四半世紀ぶりぐらいの高い水準になっております。これが雇用・所得環境を改善して消費を底支えしているというふうに思っております。
 今後とも、こういった労働需給の引き締まりが続き、中小企業を含めて、多くの企業で賃金の上昇が実現していくということで、消費に対してプラスの影響があるというふうに思っております。
 したがいまして、経済が全体として改善し、国民所得の伸びが高まりますと、年金収支の改善あるいは将来不安の軽減などを通じて、そのメリットは、年金生活者も含めまして、国民各層に幅広く及んでいくものというふうに考えております。
 ただ、やはりタイミングとか大きさその他、国民各層への影響というのはある程度幅がありますので、そのあたりの状況は、私どもも、単にマクロ的な効果だけでなく、所得分配その他を含めて、ミクロ的な影響についても、引き続き十分調査してまいりたいというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 黒田東彦

speaker_id: 19167

日付: 2017-05-10

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会